ジャネット・カーディフ 40声のモテット @ 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

ジャネット・カーディフ《40声のモテット》2001年 銀座メゾンエルメス フォーラムでの展示風景(2009)Photo by Atsushi Nakamichi / Nacása & Partners Inc. Courtesy of the Fondation d’entreprise Hermès, 2009 ©Janet Cardiff

 

ジャネット・カーディフ 40声のモテット
2025年12月13日(土)–2026年2月15日(日)
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 3階展示室C
https://www.mimoca.jp/
開館時間:10:00–18:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月(ただし、1/12は開館)、年末年始(12/25–12/31)、1/13
展覧会担当:中田耕市(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 副館長兼チーフ・キュレーター)、谷村無生(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 学芸員)
展覧会URL:https://www.mimoca.jp/exhibitions/janetcardiff1213/

 

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館では、高度な音響・メディア技術を駆使した独創的な作品で知られるジャネット・カーディフの代表作を、谷口吉生設計の展示空間で鑑賞する「ジャネット・カーディフ 40声のモテット」を開催する。本展は、2015年3月の原美術館ARCを皮切りに、年間を通じて金沢21世紀美術館、長崎県美術館と巡回してきた一連の企画の最後の開催地となる。

ジャネット・カーディフ(1957年オンタリオ州ブリュッセル生まれ)は、大学で出会ったジョージ・ビュレス・ミラー(1960年アルバータ州ヴェグレヴィル生まれ)と1995年より共同制作を始める。高度な音響技術によるサウンド・インスタレーションや、鑑賞者が音声や映像を頼りに公園や美術館、駅構内などを歩くことで現実と虚構が入り混じった作品を体験する〈ウォーク〉シリーズ、プログラム化された自動人形劇などの「音」を核とした多彩な表現を展開してきた。2001年に第49回ヴェネツィア・ビエンナーレのカナダ館で個展を開催し特別賞とベネッセ賞を受賞。ドクメンタ13(2012)をはじめ、数多くの国際展で作品を発表している。近年の主な個展に、「Dream Machines」(レームブルック美術館、ティンゲリー美術館を巡回、2022-2023)、「Janet Cardiff & George Bures Miller」(モンテレイ現代美術館、メキシコ、2019)、「The Instrument of Troubled Dreams」(アウデ・ケルク、アムステルダム、2018)、「Something Strange This Way」(ARoSオーフス美術館、2014-2015)など。日本国内での展示機会も多く、2017年には金沢21世紀美術館で大規模個展を開催。ベネッセアートサイト直島に2010年から2021年まで《ストーム・ハウス》が常設されたり、国立国際美術館にも大阪で録音したさまざまな音から制作した《大阪シンフォニー》(2018)が収蔵されている。2023年にはブリティッシュ・コロンビア州エンダービーに、自作を恒久展示する巨大な展示空間「カーディフ・ミラー・アート・ウェアハウス(CMAW)」を開設した。

 

ジャネット・カーディフ《40声のモテット》2001年 ソールズベリー大聖堂合唱団による録音の様子(2000) Photo by Hugo Glendinning. Courtesy of the artist and Luhring Augustine, New York / Fraenkel Gallery, San Francisco / Gallery Koyanagi, Tokyo.©Janet Cardiff

 

本展唯一の出品作品《40声のモテット》は、2001年にオタワのカナダ国立美術館で初めて公開され、同館のミレニアム賞を受賞して以来、世界約60カ所で展示されてきたカーディフの代表作のひとつ。16世紀イングランドの作曲家トマス・タリスが作曲した『Spemin Alium』(通称『40声のモテット』)を基に、楕円形に設置された40台の各スピーカーから、59人5声部(ソプラノ、アルト、テノール、バリトン、バス)で構成された聖歌隊の歌声が個別に再生される。その鑑賞体験は、まるで今まさに歌っている聖歌隊の場に居合わせているかのような没入感を生み出し、重層的な音の広がりが彫刻のように空間のなかで立ち上がる。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館は、数多くの美術館を手掛けてきた谷口吉生の設計により1991年に開館し、美術館として全国的に早い時期から自然光を取り入れた開放的な展示空間を特徴とする。本展では、こうした建築的特性を生かすと同時に、館内で最も面積が大きく、7mの天井高を有する広々とした展示室を会場とすることで、鑑賞者が自由に空間を移動でき、一層本作の音による空間体験の創出を試みる。

 

ジャネット・カーディフ《40声のモテット》2001年 聖ヨハネ教会(オーストリア、フェルトキルヒ)での展示風景(2005) Photo by Markus Tretter.Courtesy of the artist and Luhring Augustine, New York / Fraenkel Gallery, San Francisco / Gallery Koyanagi, Tokyo. ©Janet Cardiff
ジャネット・カーディフ《40声のモテット》2001年 ジャネット・カーディフ(スイス、トゥールガウ州立美術館にて、2002) Photo by Stephan Rohner. Courtesy of the artist and Luhring Augustine, New York / Fraenkel Gallery, San Francisco / Gallery Koyanagi, Tokyo. ©Janet Cardiff

 

関連イベント
キュレーター・トーク
2025年12月14日(日)、2026年1月11日(日)、2月8日(日)各日:14:00–
参加料:無料(別途、本展観覧券が必要)、申込不要
※本展担当キュレーター(中田耕市、谷村無生)が展示室にて見どころを解説

親子でMIMOCAの日
2026年1月24日(土)、1月25日(日)10:00–18:00(入館は閉館30分前まで)
※高校生以下または18歳未満の観覧者1名につき、同伴者2名まで観覧無料。

詳細やその他のプログラムは、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館ウェブサイト等に掲載

 


同時開催
猪熊弦一郎展 夢をならべている
2025年12月13日(土)–2026年2月15日(日)
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 3階展示室C、2階展示室B、1階エントランス
https://www.mimoca.jp/exhibitions/20251213inokuma/

猪熊弦一郎展 物が在る
2025年12月13日(土)–2026年2月15日(日)
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 2階展示室A
https://www.mimoca.jp/exhibitions/inokuma_stilllife/

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