マンゴ・トムソン「Background Materials」@ MAKI Gallery(天王洲)

Big American Apples, 2025, lenticular print in artist’s frame, 100.8 x 77.9 x 5.1 cm. Photo by Jeff Mclane
マンゴ・トムソン「Background Materials」
会期2025年11月8日(土) – 12月20日(土)
会場MAKI Gallery(天王洲) [MAP]
住所〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10
開館時間11:30–19:00
休館日日、月
URLhttps://www.makigallery.com/exhibitions/12847/
このたび MAKI Gallery は、ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト、マンゴ・トムソンの個展「BackgroundMaterials」を天王洲ギャラリーで開催いたします。本展は、伊勢丹新宿店での個展「Walking Pictures」およびファッションブランド sacai とのコラボレーションと同時期に行われます。

トムソンは、映像、音、彫刻、写真をはじめとする様々なメディウムを扱います。彼は文化的な記号やアナログな素材を取り入れながら、それらを視覚的かつキネティックで、観る者を没入させる体験へと変換していく作品で知られています。

「Background Materials」の中核となる新作は、トムソンの代表的な映像シリーズ「Time Life」の制作に使用してきた、様々な書籍のページをつなぎ合わせて作られた壁紙のインスタレーションです。「Time Life」シリーズは、ハウツー本や百科事典、製作マニュアルなどを素材とし、それらを映像として再構成するプロジェクトです。壁紙は、オーギュスト・ロダンの画集、フィットネスガイド、生け花の教本、ワインやスピリッツの事典、そしてろうそくのカタログといった、多岐にわたる資料でギャラリースペースを埋め尽くし、独特な空間を演出しています。

また、本展では、新作のレンチキュラー・プリント(通称「Walking Pictures」シリーズ)も発表されます。レンチキュラーとは、一つの作品に複数のイメージを埋め込むことで、観る者がその前を歩くと画面に “動き” が生じる光学的写真技術です。これらは絵画的でありながら構造的でもあるアート作品の制作に対するトムソンの関心を反映しており、観る者と作品の出会いを通じて、静止したオブジェクトの中に時間の流れを宿らせる試みです。「Walking Pictures」シリーズの題材には、リンゴの品種、カクテルの作り方、運動、陶芸、ロダンの彫刻、生け花の手順、そしてろうそくが燃え尽きる過程などが含まれています。

さらに今回は、トムソンの代表作とも言える TIME ミラーシリーズが複数点展示されると同時に、紙にビニールと反射マイラーフィルムを用いて制作された TIME ミラーの習作が初公開されます。壮大な映像から展示スペース全体を覆う壁紙のインスタレーション、個々に動きを宿すレンチキュラー・プリント、観る者と空間を映し込むミラー作品に至るまで、トムソンは文化的な記号の組み替えと再構成によって、没入的な視覚体験を創り上げています。

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