生誕120年 村井正誠展 色のやどり・形のうぶすな @ 和歌山県立近代美術館

村井正誠《アラブの窓》1929年 油彩、キャンバス 和歌山県立近代美術館蔵
生誕120年 村井正誠展 色のやどり・形のうぶすな
会期2025年9月27日(土) – 11月30日(日)
会場和歌山県立近代美術館 [MAP]
住所〒640-8137 和歌山市吹上1-4-14
開館時間9:30–17:00(入場は16:30まで)
休館日月(10/13、11/3、11/24は開館)、10/14、11/4、11/25
URLhttps://www.momaw.jp/exhibit/2025_muraimasanari/
岐阜県大垣市で1905年に生まれ、1999年までほぼ一世紀を生きた画家・村井正誠(むらい まさなり)は、幼い頃に和歌山県へ移り住み、豊かな自然と文化の中で育ちました。とりわけ小学生から中学卒業までの多感な時期を過ごした新宮市で、絵を描き、陶芸を楽しみ、建築の設計もする西村伊作と友人たちが体現していた創造の喜びにあふれる生活から大きな刺激を受けました。画家を目指すようになった村井は、西村が自由な教育を実現するために東京・神田駿河台に創立した文化学院で美術を学び、卒業後はフランスに渡って制作を始めます。

フランスでの村井は、絵を描くかたわら美術館や博物館、教会や遺跡、現代美術ギャラリーなどを巡り、古代から現代まで、さまざまな場所に生きた人間の表現に触れ、学びとることに努めました。そして鮮やかな色彩とのびやかな生命感を秘めた形を獲得し、そののちの制作を通じて独自の絵画を追究し続けます。

彼が生涯を通じて求めてやまなかったものは、画家の個性の表出にとどまらず、国境を越え、あらゆる時代の人に通じる表現としての抽象絵画でした。だからこそ、描かれた時から長い時間を隔ててなお、私たちの心を動かし続けることができるのでしょう。本展では、それぞれの作品が持つ鮮烈な魅力とともに、彼とその芸術を育んだ土壌の豊かさを感じていただきたいと思います。

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