田畑あきら子展 @ 新潟県立万代島美術館

田畑あきら子《作品》1966-67年 国立国際美術館蔵

 

田畑あきら子展
2025年11月22日(土) –2026年1月12日(月・祝)
新潟県立万代島美術館
https://banbi.pref.niigata.lg.jp/
開館時間:10:00–18:00
休館日:12/1、12/15、年末年始(12/29–1/3)
展覧会担当:松本奈穂子(新潟県立万代島美術館主任学芸員)
展覧会URL:https://banbi.pref.niigata.lg.jp/exhibition/tahata_akirako/

 

新潟県立万代島美術館では、生前駆け出しの若手作家として、たった一度きりの個展を開いて亡くなったにもかかわらず、詩人の吉増剛造や、美術評論家の洲之内徹らが没後間もない時期から雑誌にとりあげ、彼女の作品を大切に思う人々の手により語り継がれてきた画家、詩人の田畑あきら子の大規模回顧展を開催する。

田畑あきら子(1940-1969/新潟県生まれ)は、西蒲原郡巻町立巻中学校在学中に詩作を始め、1959年に武蔵野美術大学洋画科に入学。アーシル・ゴーキーや荒川修作に私淑、山口長男、井上長三郎、麻生三郎に師事した。卒業後に複数のグループ展を経て、1968年に東京銀座のサトウ画廊で個展を開催。翌1969年、2回目の個展の準備を始めるも、胃がんにより二八歳で夭折した。没後1年目の1970年に田村画廊で遺作展が開催され、同展に合わせて有志により「田畑あきら子遺稿集」が刊行。翌年、「田畑あきら子遺作展」がイチムラデパート新潟店で開催、新潟県美術博物館が素描類を一括して収蔵。1987年には新潟市美術館の「夭折の画家たち展」に出品。1996年には新潟県立近代美術館常設展示室で個展「田畑あきら子」が開催された。その後も「カオスモス’07 さびしさと向きあって」(佐倉市立美術館、2007)、「洲之内徹と現代画廊 昭和を生きた目と精神」(新潟市美術館ほか4館、2014)などに作品が出品される。2024年にはノンフィクション作家の駒村吉重による評伝『命はフカにくれてやる 田畑あきら子のしろい絵』(岩波書店)が出版された。

 

田畑あきら子《作品No.21》1968年 新潟県立近代美術館・万代島美術館蔵
田畑あきら子《作品No.24》1968年 新潟県立近代美術館・万代島美術館蔵

 

本展は、美術館としていち早く田畑の作品を収蔵し、コレクション展を通じてその作品を何度も紹介してきた新潟県立万代島美術館が、田畑の代表作であるわずか十点に満たない白い油彩画を、200点を超える素描とともに展示し、田畑が描きとめた儚いイメージの世界を探求する大規模回顧展。

4部構成となる本展では、まず、田畑が独自の作品世界を確立するまでのバックグラウンドを探るため、田畑の学生時代の作品とともに、田畑が私淑したアーシル・ゴーキーや荒川修作、学生時代の教員や同世代の作家らの作品を展示し、当時の美術を振り返る。次いで、大学卒業後の1964年から亡くなる直前1969年までの5年間に描かれた約200点の素描や詩稿集を通して、田畑が内省を深め、自ら「オボロ線」と呼ぶ繊細な線描にいたるまでの思索の痕跡をたどる。第3部では、田畑の代表作である白い油彩画シリーズを、早い時期に制作されたコラージュの作品から、白い絵の具が塗り重ねられる前の状態で遺された絶筆の作品まで、現在確認される白い油彩画シリーズのすべてを一堂に展示する。展覧会の最後には、親交があった吉増剛造ら一部の作家をのぞき、洲之内徹をはじめ、生前の田畑を知らない人々によっても語り継がれてきた稀有な存在として、田畑の作品がこれまで歩んできた道のりをたどり、「夭折の画家」へのまなざしを検討する。

 

田畑あきら子《作品No.31》1968年 新潟県立近代美術館・万代島美術館蔵
田畑あきら子《作品》制作年不明 新潟県立近代美術館・万代島美術館蔵
田畑あきら子《詩稿》制作年不明 新潟県立近代美術館・万代島美術館蔵

 

関連イベント
トークイベント「田畑あきら子を語る」
2025年12月20日(土)14:00–15:30
ゲスト:星野健司(彫刻家)、丸山直文(画家)、コイズミアヤ(美術家)、松沢寿重(前新潟市新津美術館長)
会場:新潟県立万代島美術館 展示室
※申込不要/要観覧券

学芸員によるミニレクチャー「田畑あきら子展が実現するまで」
2025年11月22日(土)14:30–15:00
会場:新潟県立万代島美術館 展示室
※申込不要/要観覧券

ギャラリートーク
2025年12月14日(日)、2026年1月10日(土)各日:14:00–
会場:新潟県立万代島美術館 展示室
※申込不要/要観覧券

親子で楽しむアートデー
2025年11月30日(日)
① 親子ふれあいデー
当日に限り、中学生以下のこどもを同伴する保護者(こども1名につき2名まで)の観覧料を無料。
定員:50組(先着順)
申込期間:11月1日(土)10:00–11月28日(金)17:00 ※定員に達した時点で終了
申込方法:新潟県電子申請システムにて受付
https://apply.e-tumo.jp/pref-niigata-u/offer/offerDetail_initDisplay?tempSeq=25023&accessFrom=
② ワークショップ「ひろがるかいが」
時間:10:30–12:00
会場:新潟県立万代島美術館 当館ロビー
定員:10名(先着順)
対象:中学生以下のこども 
申込期間:11月1日(土)10:00–11月28日(金)17:00 ※定員に達した時点で終了
申込方法:新潟県電子申請システムにて受付
https://apply.e-tumo.jp/pref-niigata-u/offer/offerDetail_initDisplay?tempSeq=25155&accessFrom=
③ おしゃべりタイム
展示室内で声の大きさを気にせず鑑賞可。
会場:新潟県立万代島美術館 展示室
※申込不要/要観覧券

学生無料ウィーク
2026年1月4日(日)–1月12日(月・祝)
学生証提示により大学・高校生の観覧料無料

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