交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー @ 東京都庭園美術館


グンタ・シュテルツル《テキスタイルデザイン:絨毯》1929年頃|株式会社ミサワホーム
© VG BILD-KUNST, Bonn & JASPAR, Tokyo, 2022 B0612

 

交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー
2022年12月17日(土)– 2023年3月5日(日)
東京都庭園美術館
https://www.teien-art-museum.ne.jp/
開館時間:10:00–18:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし1/9は開館)、年末年始(12/28-1/4)、1/10
展覧会URL:https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/221217-230305_ModernSynchronized.html

 

東京都庭園美術館では、1910年代から30年代にかけて、西欧を中心に日本を含む各地で同時代的に現れた、さまざまな「モダン」の形を紹介する展覧会『交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー』を開催する。

機能主義に基づく「モダニズム」は、いまだに当時の中心的な動向とみなされているが、一方で、大衆消費社会が進展したこの時代は、常に新しくあるために装飾することに価値が置かれた、儚き「モダニティ」の時代でもあった。この対立的に捉えられがちなふたつの「モダン」は、実際にはいくつもの「モダン」をうちに含み、それらは複雑に関係しながら濃密な時代を作り上げていた。当時の作家たちは、時間差なく情報を共有し、国やジャンルを越えて同期し合い、その範囲は、絵画、彫刻から、家具、食器、洋服、さらにそれらを収める建築や都市まで、いわば、生活空間、身体活動全般におよんだ。

 


ポール・ポワレ《ガーデン・パーティ・ドレス》1911年|島根県立石見美術館


ピエール・シャロー「ホール」『フランス室内装飾』1925年|豊田市美術館

 

ウィーン工房は1910年代後半以降に女性作家による愛らしくロマンティックな作品を生み出し、フランスのファッションデザイナーのポール・ポワレと刺激し合う一方で、同じくフランスの建築家で室内装飾家のロベール・マレ=ステヴァンなど、同国のモダニストにも影響を与えた。新しい時代にふさわしい生き方、暮らし方をデザインしようと試み、ただ単体の家具調度をデザインするのではなく、部屋全体をいかに統一的にデザインするかを重視する生活全般への眼差しは、日本で新しい生活様式を模索した森谷延雄や斎藤佳三にも共有された。この時代は、同時性絵画で知られるソニア・ドローネーもファッションの仕事に専心し、建築・家具デザインを手がけたルネ・エルブストらモダニストが都市を彩るショーウィンドウデザインに大きな関心を払っていた。さらに、バウハウスでは女性作家が織物に新たな光を当て、同校を離れた作家たちが、ブルク・ギービッヒェンシュタイン美術工芸学校を舞台に応用芸術教育に取り組んでいた。

第一次世界大戦後、応用芸術の分野で活躍した女性作家たちの作品に注目する本展では、これまでにまとめて紹介される機会のなかったモダンデザイン、装飾芸術、ファッションを一堂に集め、その関わりに焦点を当てる。世界が一気に同期した時代、その急速に変化する社会のなかで、作家たちがときに交わり、共鳴しながら探求したいくつものモダンの形を、同時代に建てられた建築(旧朝香宮邸)の空間で紹介していく。

会期中には、アール・デコ期のフランスを舞台に、建築家のロベール・マレ=ステヴァン、家具デザイナーのピエール・シャロー、服飾デザイナーのポール・ポワレら多数の前衛芸術家が参加した伝説的モダニズム映画『人でなしの女L’Inhumaine』をギャラリー2で各日3回上映する。

 


マルガレーテ・ハイマン=マルクス《ティーセット》1930年|宇都宮美術館


アンドレ・グルー(デザイン)、マリー・ローランサン(絵付)、アドルフ・シャノー(制作)
《椅子》1924年|東京都庭園美術館

 

関連イベント
映画上映『人でなしの女L’Inhumaine』
会期中毎日、各日3回上映(10:30-/13:00-/15:30-)
会場:東京都庭園美術館 ギャラリー2
申込不要(ただし混雑時は入場者数制限あり)
無料(当日の展覧会チケットが必要)

障害のある方対象
アート・コミュニケータとめぐる庭園美術館
2023年2月27日(月)10:30-12:00(午前の部)/13:00-15:00(午後の部)
対象:身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳などをお持ちの方
定員:各回10名とその介助者(1名まで)
無料
申込方法等、詳細は下記URLを参照。申込期間は2023年1月6日(金)10:00- 1月19日(木)17:00
https://www.teien-art-museum.ne.jp/programs/specialtours_r4.html

ベビーといっしょにミュージアムツアー
2023年 1月30日(月)11:00-12:00(受付開始:10:30)
対象:ベビーカーに乗る年齢・月齢の赤ちゃんとその保護者
定員:10組(保護者は2名まで)
無料(※別途、展覧会観覧料が必要)
申込方法等、詳細は下記URLを参照。申込期間は2022年12月27日(火)10:00- 2023年1月6日(金)17:00
https://www.teien-art-museum.ne.jp/programs/babyProgram_r4.html

Copyrighted Image