《応募受付》開始いたしました!!
2008年より3年毎に開催、今年、第3回を迎えるデザインアワード「エミール・エルメス賞」の《応募受付》が9月1日よりスタートいたしました。
2011年、伊東豊雄氏を審査委員長に迎えた第2回では63カ国、1,460人の応募の中から、質の高い受賞作品が決定、惜しくも受賞は逃しましたが、12人の最終候補者の作品には日本からの応募作品も含まれました。
第3回となる今回はイタリアを代表するデザイナー、ミケーレ・デ・ルッキ氏を審査委員長に迎え、前回同様、オンラインかつグローバルに展開いたします。
エミール・エルメス賞2014 募集概要
【2014年のテーマ】
「Time to yourself 」
『エミール・エルメス賞』は2007年の創設当時より、私たちの社会や生活様式の変化に応じた新しい造形美術を目指す若い才能あるデザイナーたちをサポートしてきました。3回目にあたる2014年の『エミール・エルメス賞』では、「Time to yourself」をテーマに決定いたしました。束の間の平和、心休まる休息、息抜き、あらゆる活動や思考を止めすべての義務からも解放される瞬間、すなわち「自分のための時間」は、ハイスピードで進む現代生活を送る私たちにとって、より必要不可欠なものになっているのではないでしょうか。
【スケジュール】
2013年9月1日~11月17日
オンラインwww.prixemilehermes.comにて申込と企画提出(英・仏) [締切: パリ時間17日の深夜0時]
2013年12月 審査員による選考
2014年1月1日~3月31日 プロトタイプ(試作品)制作
2014年4月 受賞作品の最終審査会議
2014年5月末 パリにて受賞作品発表及び受賞式
【賞金】
1st Prize : 50 000ユーロ
2nd Prize : 25 000ユーロ
3rd Prize : 15 000 ユーロ
【応募資格】
2013年11月17日時点で年齢40歳以下のデザイナーやエンジニアで、以下いずれかに属する者。
■ デザイン、工学、建築、美術、工芸、工業デザインの専門学校または学部を卒業したプロのデザイナーまたはエンジニア
■ 上記の専門学校または学部以外の出身者で、デザイン分野で3年以上の実績を有するプロのデザイナーまたはエンジニア
■ デザイン、工学、建築、美術、工芸、工業デザインなどの修士課程の最終学年に在籍する学生
個人またはグループでの応募可(グループの場合は5名まで)。『エミール・エルメス賞』は国際的な賞であり、応募者の国籍は問いません。
【デザイン規定】
未来に向けた提案であること
応募作品の企画は、オブジェ、機械、道具、家具のデザインや建築的なコンセプト等において、その機能性が注意深く考慮、検証され、同時に美学的な観点においても高い品質であること、また、賞のテーマが掲げる機能を有するとともに、現在日常に使用されているものの代用となりうるものであることが求められます。複数の用途をもつものや、作品が使われていく上でその用途が拡大していくような適応性のあるデザインも歓迎します。
シンプルなプロセス、かつ独創的なコンセプトであること
提案デザインは、シンプルかつ信頼できる基礎的な技術を使いつつも限りなく現代的なプロセスにて生産されていること、実用的かつ人間工学的に優れた独創性のあるデザインであること、最先端の技術の駆使が目的ではなく、ユーザーにとってシンプルで使いやすいことが重視されます。応募作品は、時間との新しい関係を表現し、ユーザーに対し身体的、あるいは感覚的な驚きを提供するものであることも求められます。
持続可能な視点をもつこと
応募者は環境問題を配慮し、自身が選択した生産プロセス、特に生産に必要なエネルギーが(再生不能な天然資源の使用を控えるなど)適切であるかどうか詳細に説明してください。また、生産プロセスは環境への負荷を最大限に減らし、ローカルに入手可能な材料を使用することなどが重要なポイントです。作品のライフサイクルを通じて、そのエネルギーのバランスシートを十分に分析することも課題となります。
生産可能で実用性をもつこと
作品は家具、用具を問わず、実現可能でなければなりません。職人技術を必要とする場合には小規模、工業生産が可能な場合には大規模、というように規模の大小は構いませんが、いずれの場合も、作品の流通を想定することが前提となり、空想的な提案、いわゆるドリームプランは除外されます。
用途がテーマに沿っていること
作品の使用が想定される場所はさまざまです。屋内、屋外、連日、短期の使用、緊急時の使用、人道的な目的での使用も考えられるでしょう。賞のテーマで掲げられた主題は、ひとつに絞っても、全般的でも構いませんが、必ず取り入れられていなくてはなりません。ファッションや衣服は『エミール・エルメス賞』の対象にはなりません。また、エルメス財団の権利に抵触するエルメスのロゴ、固有の色やスタイルなどのコピーは不可となっています。
「Time to yourself 」
「Time to yourself」…この言葉は、切なる願いのように私たちの胸に響きます。氾濫する情報との絶え間ない衝突、コミュニケーションのあまりのスピードの速さ、相互の距離の喪失…私たちは常に回り続ける世界の渦の中に取り込まれ、その世界を分かち合い生きています。エルメス財団は社会の現実や私たちの生活の急激な変化に目を向け、その問題を指摘することに取り組んでいます。エルメス財団は第三回を迎える今回の『エミール・エルメス賞』にあたり、私たちの生き方に着目しました。動きを止め、静かに瞑想、回想する時間、休息、すなわち「Time to yourself」を手にして、素の自分に立ち戻ること。忙しい時間の流れから一瞬解き放たれることで、再び活力を見出すこと。今年の『エミール・エルメス賞』は私たちの内なる世界に捧げられます。
第二回『エミール・エルメス賞』では「HEAT, ME-HEAT, RE-HEAT(熱する、暖まる、温めなおす)」という手法で再生不能エネルギー資源が減少している世界の問題を取り上げましたが、第三回ではより社会的なテーマに注目しました。光栄にも、審査委員長を務めていただくことになったミケーレ・デ・ルッキ氏を筆頭に、デザイン分野で活躍し、今回のテーマと関連の深い実績があるメンバーが審査にあたります。
『エミール・エルメス賞』は、2007年の創設後、2010年よりエルメス財団の活動として、デザイン分野の若き才能の発掘、およびそのキャリア育成をサポートしています。受賞者にとって有意義な賞金を授与するだけでなく、彼らの広報活動にもつながるプロトタイプの制作費用も負担しています。毎回掲げる独自のテーマも賞の特徴です。応募者がテーマに応じ、明日の世界を先取りしつつ機能性と審美性を兼ね備えたデザインを提案する、それゆえに『エミール・エルメス賞』は先見性ある国際的なアワードと言えるでしょう。
エルメス財団は2008年に創設され、「技術と創造」と「技術と伝承」という二つのテーマを柱に活動をしています。『エミール・エルメス賞』は、伝統工芸や職人技術との結びつきのもと、デザイン分野におけるクリエーションを支援する活動です。受け継がれた技術とイノベーションの探求。財団が尊ぶ二つの価値が出会い、生まれる作品こそが『エミール・エルメス賞』を形づくっているのです。
カトリーヌ・ティケニス
エルメス財団ディレクター
【審査委員長】 ミケーレ・デ・ルッキ
1951年にイタリア、フェッラーラ生まれ。フィレンツェ大学建築学科卒業後、イタリアにおける実験的なデザインムーブメントの隆盛期に、メンフィス、スタジオ・アルキミアといったグループに参加。イタリアやヨーロッパの多くの有名企業にて照明器具や家具のデザインを行う。1988年から2002年まではオリベッティ社のデザインコンサルタントも務める。コンパック、フィリップス、シーメンス、ヴィトラにおいても実験的なプロジェクトを展開。アート、デザインの展覧会を数多く手がけ、ミラノ・トリエンナーレ、ローマのエスポジツィオーニ宮、ベルリンの新博物館、ヴェネツィアのジョルジオ・チニなどが代表的。
1990年にプライベートブランドであるプロドゥツィオーネ・プリバータ社を立ち上げ、イタリアの熟練した職人の伝統技術を用いた作品を制作。2004年からは、チェーンソーで小さな木造家屋を建工、建築スタイルの本質を追求している。イタリアデザイン界を代表して国際的に活躍するデザイナー。1984年にミラノにスタジオ・デ・ルッキを設立。
エルメス財団ついて
エルメス財団は、人々や組織が技術を学び、習得し、伝承することをサポートし、その技術と創造性によって現代社会の発展に寄与するとともに、新たな未来を作り出すことを目的としています。職人の持つ熟練の技と現代美術の創造性という赤い糸に導かれ、財団は「技術と創造」と「技術と伝承」、この二つが出会い、相互に発展し合う世界への貢献を目指しています。
エルメス財団によるサポート
造形美術の分野では各国での展覧会や「アーティスト・イン・レジデンス」、舞台芸術の分野においては「ニュー・セッティングス」、デザイン分野では「エミール・エルメス賞」、生物多様性の分野では新プロジェクトの公募など、財団は独自のプログラムを展開し、また、これらの分野で活躍する世界中の団体を支援しています。
われわれの理念
エルメス財団の多岐にわたる活動は、すべて共通の理念『我々の行いが、我々を創造する』を原点としています。