「誘いの夢・・・」 中川 幸夫展

[タイトル] 誘いの夢・・・
[アーティスト名] 中川幸夫
[会期] 2003年7月26日~10月5日

誘いの夢・・・

誘われる。
思いがけず心が奪われる。虜になる。その場を去ることができない。

あるとき、「今がラベンダーのいちばん盛りのときですから、ぜひ見にいらしてください」
と誘われて、富良野のラベンダー畑を訪ねた。
見渡す限り広がる、ラベンダー。
目で見た綺麗さより、深さ。匂いの、心優しい誘い。
ラベンダーには、ほかの花にはない品格がある。
一人占めにするのはもったいない、友人に話したいという気持ち、そういう心が誘われる。

南フランスのラベンダーに魅了され、富良野のラベンダー畑でそれを再現したいと願った人の体験は、自分の住んだことのない異国の土地の話でも、じゅうぶんに実感できた。
それほどの力がある花なのである。

おおらかに、ゆるやかに、夢のように。
誘われて、ラベンダーの呼吸を感じる。
くぐりぬけたり、座ってゆったりと見物したり、
日常とかけ離れた時間を楽しむ。
驚きと遊び心を誘う、そんな空間にみなさんをお招きしたいものである。

(7月13日 中川幸夫の言葉より 編:児島やよい)

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