ポーリン・ボードリ / レナーテ・ロレンツ『不透明性への権利』@ ASAKUSA


All Images: Pauline Boudry / Renate Lorenz Opaque (2014). Still images from the video, super 16mm / HD, 10 min. Courtesy the artists and Asakusa, Tokyo.

ポーリン・ボードリ / レナーテ・ロレンツ『不透明性への権利』
2016年9月10日(土)-10月13日(木)
ASAKUSA
http://www.asakusa-o.com/
開廊時間:12:00-19:00(木曜は19:00-20:00)
休廊日:月、火、水、金
※オープニングレセプション:9月10日(土)18:00-20:00

ASAKUSAでは、第6回目の展覧会としてポーリン・ボードリ / レナーテ・ロレンツの日本初個展『不透明性への権利』を開催する。

ポーリン・ボードリ / レナーテ・ロレンツは、2007年に結成したアーティスト・デュオで現在はベルリンを拠点に制作活動を行なう。彼らが「クイア考古学」と呼ぶ方法論に基づき、セクシャル・マイノリティーの歴史を写真や文学テクストを中心に掘り起こす映像インスタレーションなどで知られる。これらを通じて、社会的規範に抗した人々の行為を再演し、コード化された歴史の再解釈を試みてきた。昨年はファン・アッベ市立美術館、ノッティンガム・コンテンポラリー、クンストハレ・ウィーン、クンストハレ・チューリッヒにて個展を開催。2012年にはオクウィ・エンヴェゾーがアーティスティックディレクターを務めたパリのラ・ビエンナーレで「Toxic」を新作として発表。2011年には第54回ヴェネツィア・ビエンナーレ・スイス館のオフサイト企画にて「No Future, No Past」を発表している。現在、第11回光州ビエンナーレでも作品を発表している。

本展の中心となる「Opaque」(2014)では、ある地下組織のメンバーを名乗るトランスジェンダーの男女二人が薄暗い廃墟に現れ、カーテンの背後に立ち、聴衆が誰一人いない静けさのなか、詩人ジャン・ジュネの『公然たる敵』の断片を、政治デモにおける声明文のように高らかに読み上げる。だが、その声は録音されたテキストで、ふたりの口パクと身振りによる演技が続くという錯綜した言語実践のうちにナラティブの構造が組み替えられ、架空の敵は自他の境をこえた特権的な対象となって現れてくる。同作品はクンストハレ・ウィーン、クンストハレ・チューリッヒ、ノッティンガム・コンテンポラリーで上映され、昨年のベルリナーレでも公開されている。

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