PACエキジビション・シリーズ#1 海の庭−山城知佳子とサンドラ・ラモス @ 表参道画廊


山城知佳子「アーサ女」2008年、YUMIKO CHIBA ASSOCIATES蔵 ©Chikako Yamashiro, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

PACエキジビション・シリーズ#1
海の庭−山城知佳子とサンドラ・ラモス
2017年1月16日(月)-1月28日(土)
表参道画廊
http://www.omotesando-garo.com/
開廊時間:12:00-19:00(最終日は17:00まで)
休廊日:日
展覧会ウェブサイト:http://macokada.wixsite.com/uminoniwa

企画:岡田有美子(明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻)

表参道画廊では、明治大学大学院理工学研究科が「場所、芸術、意識」をキーコンセプトに新しい研究/創作活動として取り組むPACのエキジビション・シリーズの第1弾として、沖縄出身の山城知佳子とハバナ出身のサンドラ・ラモスの二人展『海の庭』を開催する。

山城知佳子は1976年沖縄県生まれ。2000年代前半より、映像作品や写真作品を通じて、沖縄戦の記録と記憶の継承、在沖米軍基地が引き起こす問題などを扱っている。国内外の数多くの展覧会で作品を発表しており、昨年のあいちトリエンナーレ2016では旧明治屋栄ビルにて新作「土の人」を発表している。本展には沖縄の海岸近くに群生するアオサ(海藻)の中で、浮き沈みしつつ、沖縄=自身を見つめるアーサ女のナルシスティックな視点を描きだした「アーサ女」(2008年)を出品。

サンドラ・ラモスは1969年ハバナ生まれ。93年にキューバ国立芸術院を卒業。現在はマイアミとハバナを拠点に制作活動を行なう。本展にはキューバを生きる人々が島国である自国の状況に対して、ナルシスティックな自己言及に陥っている状況を批判的に描いた作品や、他国へと亡命する人々の苦悩や夢を、海を漂流するトランクや水槽に詰め込んだ作品を出品する。

ふたりの出身地である沖縄とキューバのどちらの島も大国に翻弄され、島民たちは土地の強制接収や移住を強いられてきた歴史を持つとともに、豊かな自然、芸能を有する観光地、異郷というまなざしのもとに存在してきた。山城の「アーサ女」、ラモスの「あらゆるところの水は悪い環境」には、神話的な自己愛のイメージというよりもむしろ、絶えず見られる存在として生きざるをえない状況を生きる人々のナルシスト的性格が投影され、沖縄とキューバという遠く離れた島の互いに近接するイメージを見て取ることができるだろう。

会期前日の1月15日には、photographers’ galleryを会場に、「アーサ女」に加え、「OKINAWA墓庭クラブ」(2004)、「黙認浜 —浦添市イバノの海 —Complex.1 —」(2007)を上映。最終上映の後に山城知佳子、倉石信乃(近現代美術史・写真史)、岡田有美子によるアフタートークを開催(※すでに残席無し、キャンセル待ち)。会期初日には、表参道画廊にて、山城知佳子のオープニングパフォーマンス&トークを開催する。また、サンドラ・ラモスを含む21名のラテンアメリカ出身のアーティストを紹介する展覧会が、東京・表参道のプロモ・アルテギャラリーで1月24日まで開催している。


サンドラ・ラモス「あらゆるところの水は悪い環境」1993年、個人蔵

関連企画
山城知佳子 オープニングパフォーマンス&トーク
2017年1月16日(月)18:00-19:00
会場:表参道画廊

「アーサ女について」山城知佳子映像上映会+トーク
2017年1月15日(日)16:00-18:00
会場:photographers’ gallery
定員:25名
詳細は下記photographers’ galleryウェブサイトを参照。
http://pg-web.net/

第15回ラテンアメリカ・カリビアン現代アートTODAY展
2016年12月10日(土)-2017年1月24日(火)
プロモ・アルテギャラリー
http://www.promo-arte.com/

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