マルセル・デュシャン生誕130年記念「瀧口修造・岡崎和郎二人展」@ ozasakyoto


瀧口修造・岡崎和郎「檢眼圖」1977年、アクリル・印刷・アルミニウム・レンズ ©Shuzo Takiguchi / Kazuo Okazaki

マルセル・デュシャン生誕130年記念
「瀧口修造・岡崎和郎二人展」
2017年1月7日(土)-2月12日(日)
ozasakyoto
http://www.ozasahayashi.com/
開廊時間:12:00-19:00
休廊日:月、火、祝(ただし、1/9は開廊)

昨年、京都の西陣産業会館に開廊したozasakyotoでは、マルセル・デュシャンの生誕130年を記念し、デュシャンにゆかりのある瀧口修造と岡崎和郎の二人展を開催する。

1930年代よりデュシャンに深い関心を寄せていた瀧口修造(1903-1968)は、58年の訪欧中にデュシャン本人に出会い、その後も文通や著書の献呈など交流を続けた。デュシャンは、63年頃に瀧口が構想した架空の「オブジェの店」に対して「ローズ・セラヴィ」の名を送り、瀧口は自作のロトデッサン(モーターによる回転線描)を贈ったり、『マルセル・デュシャン語録』(1968)の刊行を実現している。さらに、「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえ も」の「眼科医の証人」の部分を立体化したマルチプル「檢眼圖」(1977)も製作している。

岡崎和郎(1930-)は、50年代より制作活動をはじめ、身の回りにある平凡なものやありふれたイメージを引用したオブジェを通じて、通常の視点から外れた時に現れる物の思いがけない姿を提示し続けている。デュシャンに関連した作品を数多く手がけているのみならず、上述した『マルセル・デュシャン語録』の刊行にも製作協力者として参加、「檢眼圖」の実際の製作も担当している。

本展では、瀧口と岡崎の両者が関わった『マルセル・デュシャン語録』、「檢眼圖」をはじめ、両者によるデュシャン関連作品など約40点を展示する。展示作品はいずれも土渕信彦のコレクションで構成され、土渕が2009年から継続してきた『瀧口修造の光跡』展の第5回に当たる。

会期中には、岡崎和郎と国立国際美術館で『マルセル・デュシャンと20世紀美術』を担当し、昨年『マルセル・デュシャンとアメリカ−戦後アメリカ美術の進展とデュシャン受容の変遷』(ナカニシヤ出版)を刊行した平芳幸浩の対談や、62年の瀧口の講演「美というもの」の録音再生(土渕の解説付き)、土渕によるギャラリー・トーク「瀧口修造とマルセル・デュシャン」も開催する。

関連企画
岡崎和郎・平芳幸浩対談「オブジェをめぐって」
2017年1月14日(土)15:00-16:30
会場:ozasakyoto

瀧口修造講演「美というもの」(1962年の富山高校における講演録音再生)
解説:土渕信彦
2017年1月28日(土)15:00-16:30
会場:ozasakyoto

土渕信彦ギャラリー・トーク「瀧口修造とマルセル・デュシャン」
2017年2月4日(土)15:00-16:30
会場:ozasakyoto


瀧口修造「III-04」デカルコマニー・紙、13.8 x 9.4 cm ©Shuzo Takiguchi


岡崎和郎「Shuzo Takiguchi – Arrow Finger」1968-1998年、ブロンズ・焼付け塗装、7.5 x 2.9 x 2.2 cm ©Kazuo Okazaki / Courtesy of Shigeru Yokota Gallery

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