河原温死去(1933-2014)

制作当日の日付のみを描いた「デイト・ペインティング[日付絵画]」や70年より発信し続ける「I AM STILL ALIVE」など、コンセプチュアルアートを代表する存在として国際的に知られる河原温が死去した。81歳。

河原温は1933年愛知県生まれ。50年代には日本国内にて「浴室」シリーズや「物置小屋の中の出来事」シリーズなどを制作発表しているが、その後、メキシコ、パリなどを経て、65年より活動の拠点をニューヨークへと移し、1966年1月4日より代表作のひとつとして知られる「デイト・ペインティング」と題された絵画の制作を開始する。同シリーズは96年から98年にかけて東京を含む複数の都市で開催された巡回回顧展の時点で2,000点以上におよび、その後も断続的に制作が続けられていた。また、60年代には「I READ」「I MET」「I WENT」「I GOT UP」などといったそのほかの代表作の制作がはじまり、70年より「I AM STILL ALIVE」の文面を電報などで送るシリーズを継続している。そのほかの代表作には百万年分の年号を1ページに500年ずつタイピングした全2000ページ、10巻からなる書物「100万年」(1970-71/1980)などがある。時間、空間、意識、存在といった概念に瞑想的なアプローチを試みた河原の実践は還元主義的な思考の枠組みを無効化するものとして、コンセプチュアルアートにおける特異な位置を占めている。

ニューヨークのグッゲンハイム美術館での回顧展『On Kawara—Silence』が来年2月に予定されている。

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