高知県立美術館に石元泰博展示室が開室


「シカゴ こども」1959-61年 © 高知県,石元泰博フォトセンター

2014年10月12日、故石元泰博及び遺族より寄贈された3万枚のプリントを含む大規模なコレクションの管理、研究、認知を意図した「石元泰博フォトセンター」を開設した高知県立美術館が、同館2階に約85㎡の石元泰博コレクション専用の常設展示室を開室する。また、開室を記念した展覧会『石元泰博写真展 この素晴らしき世界』が同日より来年4月5日まで全3期にわたって開催される。

石元泰博は1921年サンフランシスコ生まれ。幼少期に高知に移り、39年に高知県立農業高校を卒業して、再び単身で渡米する。第二次世界大戦中に収監されたコロラド州の日系人収容所で写真を学び、終戦後、シカゴ・インスティチュート・オブ・デザイン(現イリノイ工科大学)写真学科に入学。日本帰国後は代表作となる桂離宮の撮影をはじめ、精力的に作品制作、発表を行ない、第1回日本写真批評家協会作家賞(1957)、写真集「シカゴ・シカゴ」で毎日芸術賞(1969)、文化功労者顕彰(1996)、紫綬褒章(2005)など数多くの賞や名誉を受けている。2012年2月に東京都内の病院で他界した。


石元泰博展示室

高知県立美術館では、石元からの寄贈がはじまった2004年以降、コレクション展にて継続的に作品を紹介し続けており、昨年も『追悼展 写真家・石元泰博の軌跡』を開催している。本展では、常設展示室の開室を記念し、シカゴや東京の街や人々、桂離宮を写した代表作や色彩豊かな多重露光による作品など、代表作のオリジナル・プリントを中心に紹介する。また、会場の一角には石元愛用のカメラや自宅で使用した調度品、石元が撮影した映像作品などを展示する。なお、会期初日の開室式典終了後に飯沢耕太郎による記念講演会「石元泰博とその作品世界」を関連企画として予定している。

石元泰博展示室:http://iypc.moak.jp/

石元泰博展示室オープン記念
石元泰博写真展 この素晴らしき世界
1期:2014年10月12日(日)-12月7日(日)
2期:2014年12月9日(火)-2015年2月8日(日)
3期:2015年2月10日(火)-4月5日(日)
高知県立美術館
http://www.kochi-bunkazaidan.or.jp/~museum/
開館時間:9:00-17:00 入場は閉館30分前まで
※10/12は10:00からの開室式典終了後より石元泰博展示室入館可
休室日:12/8、12/27〜1/1、2/9

関連企画
記念講演会「石元泰博とその作品世界」
飯沢耕太郎(写真評論家)
2014年10月12日(日)11:30-13:00(開場:11:00)
会場:高知県立美術館ホール
定員:399席(無料)

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