和多利志津子死去(1932-2012)

2012年12月1日、ワタリウム美術館館長の和多利志津子が心不全のため東京都新宿区の病院で死去した。享年80歳。葬儀は近親者のみで行う。
和多利は1972年から89年にかけてギャルリー・ワタリを経営し、ナム・ジュン・パイク、キース・ヘリング、マルセル・ブロータース、河原温、大竹伸朗らの展覧会を企画。その後、1990年にはスイスの建築家マリオ・ボッタによる設計でワタリウム美術館を開館。1991年のヨーゼフ・ボイスをはじめ、現代美術の発展に国際的に貢献しているアーティストの展覧会を企画するほか、国際的な視座に立った日本のアートの位置の再検討、日本やアジアのアーティストとの丹念な関係構築を目指した。同美術館の活動記録をまとめた書籍『夢みる美術館計画 ワタリウム美術館の仕事術』(和多利浩一、和多利恵津子との共著)が今年8月に日東書院本社より刊行されている。また、同館ウェブサイトにはディレクターズダイアリーと称した和多利の手記が掲載されている。

ワタリウム美術館:http://www.watarium.co.jp/

(文中敬称略)

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