「メゾン四畳半」 藤森 照信展

[タイトル] メゾン四畳半
[アーティスト名] 藤森 照信
[会期] 2007年3月17日~6月10日

自分の家は自分で作ろう。

本格的な家はむづかしいにしても、友を呼んでご飯を食べ、
寝泊りできる程度の仮設的な家なら誰にでも出来る、はずである。

かつて人類はそのようにして最初の住いを作り、
今も、子供たちは“基地”づくりを楽しむ。

さいわい日本には、自分でも作ることのできる程度の大きさの
“住いの原型”というものがある。
四畳半である。
畳を敷いても敷かなくてもいいが、2.7m四方の中で、
日本人は最小限の住生活を送れる、と考えてきた。
縄文住居もほぼこんな広さだったし、
中世の鴨長明や兼好法師が結んだ庵(いおり)も四畳半。
庵を基に成立した茶室も四畳半をベースとする。

2.7m四方の面積を囲んで、壁を立て、屋根を架け、入り口と窓を開け、
中に、炉を切り、ベッド(布団)を置き、本を読み文を書くための机を置き、
花や大切な物を飾る棚を付け、友が座るためのスペースを設ける。

このようなテーマにエルメスの3組が取り組み、会期中を通して、工事を進める。
指導は私、藤森照信。
使う材料は木質パネル、漆喰、焼杉、アコヤ貝、金箔、銅板などなど。
漆喰塗りやアコヤ貝張り、金箔張りなどは、来館者も工事に参加できます。

はたして、どんな自分の家ができあがるのか、楽しみである。

藤森照信

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