2013年5月27日、京都国際現代芸術祭組織委員会は、国際展『PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015』の開催とアーティスティックディレクターを発表。
『PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015』は、京都国際現代芸術祭組織委員会、京都経済同友会、京都府、京都市が主催となり、2015年3月上旬から5月上旬にかけて京都市美術館、京都府京都文化博物館などで開催する。アーティスティックディレクターには、河本信治が就任することを発表した。
河本は、1981年以降、京都国立近代美術館研究員として、『アゲインスト・ネーチャー:80年代の日本美術』(1989)、『プロジェクト・フォー・サバイバル――1970年以降の現代美術再訪:プロジェクティブ〈意志的・投企的〉な実践の再発見に向けて』(1996)、『STILL\MOVING 境界線上のイメージ――現代オランダの写真、フィルム、ヴィデオ』(2000)などの企画展を手がけ、2006年以降、同館学芸課長として、『ウィリアム・ケントリッジ――歩きながら歴史を考える:そしてドローイングは動き始めた……』(2009)、『マイ・フェイバリット――とある美術の検索目録/所蔵作品から』(2010)などのキュレーションを行ってきた。また、2001年には第1回横浜トリエンナーレ共同ディレクターを、2003年には第50回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展金獅子賞パビリオン部門国際審査員ならびにドクメンタ12総合ディレクター選考委員(2003年に選考委員会開催、2007年に展覧会開催)を務めるなど、国内外の国際展においても活躍している。
芸術祭の名称である「PARASOPHIA」について河本は、「京都国際現代芸術祭2015の呼称としてもう少し覚えやすい、楽な名前はないだろうかと考えた結果、覚えやすくて、かつ、ちょっと不思議な感じのするPARASOPHIAという名前に辿り着きました。一種のニックネームのように考えていただければと思います。PARASOPHIAの意味を説明していけばいくほど、なかなか複雑な内容になってきてしまいましたが、基本的に、いつも馴染んでいる、自分たちがよく知っているような知性、知識とはちょっと違うもの、向かい側にいるけれども人を介してコミュニ ケーションは可能なのかもしれない、そういう才能・表現・人材に京都に集っていただいて、同じ者同士で考えるのとは少し違う、新しい創造の機会と場に京都という街がなればいいなという思いでこの名前を付けました」と語る。
行政主導により行われる国際展が多い中、本芸術祭は民間の経済人により組織された京都経済同友会の提唱を受け、京都府・京都市とが恊働して行う点で特異である。記者発表では、組織委員会会長の長谷幹雄(京都経済同友会代表幹事)は2010年に妹島和世がアーティスティックディレクターを務めた第12回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展を訪れたことが提唱のきっかけとなったことを話した。
今後は、アーティスティックディレクターとキュレトリアルチームが、『PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015』に向けて行う調査研究のプロセスを広く一般に公開し共有するための「オープンリサーチプログラム」として、国内外からのアーティストや研究者との対話、世界各地で開催される国際展のレポートなどのイベントを随時開催する予定。またプレイベントとして、ウィリアム・ケントリッジがドクメンタ13のために制作した大規模インスタレーション「時間への抵抗[The Refusal of Time]」(2012)をアジアで初めて展示する。詳細は決まり次第、発表される。
オープンリサーチプログラム[レクチャー]
リピット水田堯「猫と犬のように――映画とカタストロフ」
2013年6月21日(金) 18:00–19:30
会場:京都府京都文化博物館 別館ホール
定員:200名(無料)、申込不要
http://www.parasophia.jp/events/a/akira-mizuta-lippit/
プレイベント[作品展示]
ウィリアム・ケントリッジ「時間への抵抗」(仮称)
2014年2月8日(土)–3月6日(日)
元・立誠小学校(申請中)
PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015
2015年3月上旬〜5月上旬
京都市美術館、京都府京都文化博物館ほか府・市関連施設など
http://www.parasophia.jp
(文中敬称略)
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