ジグマー・ポルケ死去  (1941-2010) 

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 ドイツ人アーティスト、ジグマー・ポルケが2010年6月10日、癌によりケルンで亡くなった。69歳。1941年に現在ポーランドのエルスで生まれたポルケは、戦後ヨーロッパを代表する作家として活躍した。1963年、ゲルハルト・リヒターおよびコンラット・リューク (作家名、自身のギャラリーは本名のコンラッド・フィッシャーを使用)と共に資本主義リアリズムを標榜したグループを結成、共産主義とヨーロッパの消費社会への批判を統合し、アメリカのポップアートや広告のアプロプリエーションを行なった。

 ポルケは絵画活動を中心としながらも、そのスタイルおよび素材はいわゆる絵画にとどまらず、透明素材や布など多岐に渡る素材を積極的に使用する他、コラージュや写真作品なども制作、2009年にはチューリッヒのグロスミュンスター大聖堂のステンドグラスを手がけた。
 
 日本では2005年に上野の森美術館で『ジグマー・ポルケ展 不思議の国のアリス』を開催し、翌年大阪国立国際美術館へ巡回した。それに先立つ2002年には、第14回高松宮殿下記念世界文化賞(絵画部門)を受賞している。

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