韓国美術家賞2015


オー・インファン「AIG-2010」2010年、あいちトリエンナーレ2010、Photo: ART iT

2015年10月7日、韓国国立現代美術館はSBSファウンデーションとともに主催する韓国美術家賞を、特定の場所や時代の文脈を利用した参加型プロジェクトで知られるオー・インファンに授与した。

オー・インファンは1965年ソウル生まれ。性的アイデンティティの問題をきっかけに制作活動をはじめ、社会的な規制と芸術の関係を扱ったさまざまな形式の作品を発表している。2001年頃からソウルを中心に展覧会を重ね、これまでに光州ビエンナーレ(2002)、釜山ビエンナーレ(2006)などに参加。2010年にはあいちトリエンナーレに参加し、名古屋市内のゲイバーの調査をもとに「お香」を使用したインスタレーションを発表している。最終審査の場となる韓国国立現代美術館で開かれた展覧会には、支配的な文化により抑圧されている多様な行為、文化的な盲点を調査した結果を新作インスタレーションとして発表した。同展覧会には、オーとともに最終候補に残ったキム・キラ、ナ・ヒュン、ハ・テボムもそれぞれ新作を発表した。

韓国美術家賞は、韓国現代美術に多大なる貢献を残し、制作活動を通じて韓国現代美術の将来的なヴィジョンを表現する才能あるアーティストの発掘、支援を目的に設立された。推薦委員に選ばれた候補者のなかから4名のアーティストが最終候補として韓国国立現代美術館で開催される展覧会に新作を出品、会期中にグランプリが発表される。今回はパク・マンウ(前ナムジュン・パイク・アートセンター館長)、ジュディ・キム(ソロモン・R・グッゲンハイム財団 アブダビプロジェクト業務部門支部長)、アンドレイ・マルティノフ(モスクワ・ビエンナーレ総監督)、マイケル・ゴヴァン(ロサンゼルス・カウンティ美術館館長)、ティエリー・ラスパイユ(リヨン現代美術館館長)の5名が審査員を務めた。

韓国美術家賞http://koreaartistprize.org/

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