3/20- ソフィ カル展/7/13- 坂田栄一郎展[原美術館]

原美術館 今後の展覧会のお知らせ

「ソフィ カル―最後のとき/最初のとき」
2013年3月20日[水・祝]-6月30日[日]


「最後に見たもの」(部分) 2010年、カラー写真 ©ADAGP, Paris Courtesy Galerie Perrotin, Paris – Gallery Koyanagi, Tokyo

東京・品川の原美術館にて、フランスの女性現代美術作家、ソフィ カルの個展を開催します。
ソフィ カルは主に写真と言葉を用いた物語性の高い作品で知られており、テートギャラリーやポンピドゥー センターをはじめとする各国の主要美術館での個展開催、第52回ヴェネツィアビエンナーレ(2007年)への参加など、フランスを代表する作家の一人です。
他人との親密な関わりを現実と虚構を織り交ぜて紡ぎ合わせるカルの手法は奇想天外であり、常に驚きに満ちています。しかしながらそこに提示されるのは、アイデンティティ、コミュニケーション、記憶、知覚といった誰もが向き合う普遍的なテーマです。原美術館で14年前に開催した「限局性激痛」(1999年)では、悲しみの体験を人と交換することで心の傷が癒やされていくプロセスを、美しい写真と刺繍のテキストで綴り、多くの鑑賞者が心を打たれました。
今回は、カルが長年にわたって探求してきた視覚や認識に関する最新作で、第12回イスタンブール ビエンナーレ(2011年)で話題を呼んだ「最後に見たもの」(2010年)、「海を見る」(2011年)の2作品を日本で初公開します。また、過去の代表作「盲目の人々」(1986年)より、現代美術作家、杉本博司「海景」と組み合わせた特別版1点(1999年)を紹介します。

【本展と連動したプログラム】
展覧会 「紡がれた言葉―ソフィ カルとミランダ ジュライ/原美術館コレクション」
別館ハラ ミュージアム アークにて原美術館所蔵のソフィ カル作品「限局性激痛」(1999年)と、ミランダ ジュライ「廊下」(2008年)をあわせて展示します。
会期 2013年3月16日(土)-6月26日(水)
会場 ハラ ミュージアム アーク 現代美術ギャラリー (群馬県渋川市金井2855-1)
*会期中、東京からのバスツアーを予定しています。詳細は原美術館ウェブサイトのイベント欄にて追ってお知らせします。http://www.haramuseum.or.jp

■「ソフィ カル トークショー&上映会」
本展開催に先立ち、アンスティチュ・フランセ東京(旧東京日仏学院)にて、ソフィ カルが制作・監督・出演した映画「ダブル・ブラインド」(1992年/72分)の上映会とアーティストトークを行います。
日時 3月16日(土)4:00 pm-
会場 アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ (東京都新宿区市谷船河原町15)
料金 無料
お問合せ・予約 アンスティチュ・フランセ東京(Tel: 03-5206-2500)
http://www.institutfrancais.jp/tokyo
http://www.institutfrancais.jp/tokyo/events-manager/sophie_calle/
※本トークショー&上映会は満席となりましたので、ご予約を締め切らせていただきました。
【キャンセル待ちについて】当日、30分前より、会場(エスパス・イマージュ)前にて整理券をお配りいたします。

「坂田栄一郎─江ノ島」
7月13日[土]-9月29日[日]


「江ノ島」 1999年 ©Eiichiro SAKATA

本展は、人物写真(ポートレイト)の大家として知られる坂田栄一郎が挑む“人のいないポートレイト”、16年にわたって真夏の江ノ島で撮りためてきた未発表作品の数々を初公開するものです。
一般的に坂田栄一郎の仕事の中で最も人の眼に触れる機会の多いものは、週刊誌「AERA」(朝日新聞社)の表紙を飾る各界著名人のポートレイトでしょう。1988年の創刊号から現在まで休むこともなく撮り続けられ、その数は1000人を越えます。そのかたわら、坂田栄一郎は、自分のプロジェクトとして真夏の江ノ島に通い、写真を撮りためてきました。カメラは江ノ島の風景ではなく、“夏の海”を楽しむためにやって来た若者たちの姿に向けられます。しかしながら、いわゆるポートレイトと呼ばれる写真は展示作品の四分の一ほどしかありません。多くの写真に写し出されるのは、真夏の焼けた砂、広げられたカラフルなレジャーシート、無造作に置かれたタオル・サンダル・ポーチなど個人の身の回りのもの、あるいは飲みかけのドリンクや弁当殻、タバコ、さらには麻雀牌等々・・・・・・。海で遊ぶ若者たちが砂浜に残したモノたちが、8×10インチや4×5インチの大型フィルムで捉えられ、鮮烈な色彩とコントラストのイメージに焼き付けられています。これといって特徴のない砂浜や普通に見かけるレジャーシートの色彩やテクスチャーが、絵画を思わせるような力強さと存在感を放つことに驚かれるでしょう。ジャンルとしては静物写真(スティルライフ)と呼べるものですが、むしろイメージの中のモノたちが持ち主たちのライフ(生命・生活)を語る、いわば“人のいないポートレイト”と呼びたくなるヴィヴィッドな作品です。同時に、そのモノたちを通して、坂田栄一郎が撮り続けた16年という時間、その時代の変化というものも間接的に浮かび上がってきます。そして、偶然海遊びに来たところを坂田の求めに応じてカメラの前に立った若者たちのポートレイトでは、彼らのいきいきとして堂々たる姿に、生きることの肯定と生きるためのエネルギーを感じることができます。同時にポートレイトを得意とする坂田栄一郎の真骨頂を見ることができるでしょう。

本展は、すべて初公開となるカラー写真約40点(そのうちポートレイトは約10点)を展示する予定です。

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「MU[無]―ペドロ コスタ&ルイ シャフェス」
12月7日[金]-2013年3月10日[日]

原美術館とハラ ミュージアム アークはTwitterで情報発信中。
http://twitter.com/haramuseum (@haramuseum)
http://twitter.com/HaraMuseumARC (@HaraMuseumARC)

原美術館とハラ ミュージアム アークは割引券一覧iPhoneアプリ「ミューぽん」に参加。
http://www.tokyoartbeat.com/apps/mupon

原美術館ウェブサイト
http://www.haramuseum.or.jp
http://mobile.haramuseum.or.jp

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