川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり @ 東京オペラシティ アートギャラリー


川内倫子《無題》(シリーズ「M/E」より)2021年

 

川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり
2022年10月8日(土)– 12月18日(日)
東京オペラシティ アートギャラリー
https://www.operacity.jp/ag/
開館時間:11:00–19:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌火曜日)
企画担当:瀧上華(東京オペラシティ アートギャラリー キュレーター)
展覧会URL:https://www.operacity.jp/ag/exh255/

 

東京オペラシティ アートギャラリーでは、柔らかい光をはらんだ淡い色調を特徴とし、初期から一貫して人間や動物、あらゆる生命がもつ神秘や輝き、儚さ、力強さを撮り続ける写真家・川内倫子の個展『M/E 球体の上 無限の連なり』を開催する。

川内倫子(1972年滋賀県生まれ)は、日常的な風景の中に普遍的な生命の輝きを見出す写真作品で知られる。2001年にリトルモアから『うたたね』『花火』『花子』の3冊の写真集を同時出版し、前者2冊が対象となり翌年の第27回木村伊兵衛写真賞を受賞する。その後も2005年にカルティエ財団美術館で個展を開催、2009年にニューヨークの国際写真センターが主催する第25回インフィニティ賞芸術部門を受賞するなど国外でも高い評価を受ける。2011年にフォイルとアメリカのAperture社から出版した写真集『Illuminance』をはじめ、近年の『Des oiseaux』(2021)『Illuminance: The Tenth Anniversary Edition』(2021)『やまなみ』(2022)『橙が実るまで』(2022、田尻久子との共著)など、数々の写真集を発表している。また、2012年には東京都写真美術館で開催した『照度 あめつち 影を見る』で翌年に芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。近年の主な展示に『Rinko Kawauchi – Illuminance』(クンストハウス・ウィーン、2015)、『川が私を受け入れてくれた』(熊本市現代美術館、2016)などがある。

 


川内倫子《無題》(シリーズ「4%」より)2011年


川内倫子《無題》(シリーズ「An interlinking」より)2015年

 

本展は、身の回りの家族や植物、動物などの儚くささやかな存在から、長い時を経て形成される火山や氷河などの大地の営みまで等しくまなざしを注いできた川内の国内の美術館では6年ぶりとなる大規模個展。展覧会タイトルにもなった〈M/E〉を中心にしながらも、未発表や国内であまり発表してこなかった写真作品、さらに、映像作品や2018年に出版した写真絵本『はじまりのひ』を朗読したサウンドを織り混ぜた構成により、川内の創作の本質や問題意識の核に迫る内容となる。

本展の中心となる〈M/E〉は、川内が2019年より取り組んできたシリーズ。アイスランドの氷河や冬の北海道の雪景色と、コロナ禍に自宅周辺で撮影した家族や生き物の姿などの身近な風景など、ミクロとマクロの視点から自然の姿を写しとり、一見するとかけ離れた無関係だと思われるものの間にある繋がりを意識させる。〈M/E〉とは、「母(Mother)」、「地球(Earth)」の頭文字であり、続けて読むと「母なる大地(Mother Earth)」、そして「私(Me)」と読むことができる。

そのほか、2011年にサンフランシスコ、2012年にロサンゼルスに滞在して制作した日本初公開の〈4%〉、過去20年以上にわたってローライフレックスの6×6フィルムで撮影してきたアーカイブから本展のための構成した〈An interlinking〉、2011年4月に友人の写真家の案内兼通訳として訪れた石巻、女川、気仙沼、陸前高田で白と黒のつがいの鳩と出会ったことで生まれた作品〈光と影〉のスライドショー、自然への畏怖と人間の祈りや「捧げる」という行為に焦点を当て、4×5 のフィルムカメラを用いて撮影した〈あめつち〉、2011年に発行された写真集『Illuminance』の映像作品として発表され、展示される度に新しく映像を追加していくことをコンセプトとした〈Illuminance〉などが出品される。なお、会場デザインは建築家の中山英之が担当し、「自分が作品を制作する際に感じた感覚や経験を、展示空間において観賞者と共有したい」という川内の想いに応えた展示空間を作り上げる。

 


川内倫子《無題》(シリーズ「光と影」より)2011年


川内倫子《無題》(シリーズ「あめつち」より)2013年

 

関連イベント
baobab ミニライブ「ひびく つなぐ みちる」
2022年11月3日(木・祝)19:30-
2022年11月4日(金)9:00-
会場:東京オペラシティ アートギャラリー 展示室内
定員:30名(事前申込)申込方法:https://www.operacity.jp/ag/exh255/j/relatedinfo.php
※無料(要展覧会入場料)

 

巡回情報
川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり
2023年1月21日(土)– 3月26日(日)
滋賀県立美術館
https://www.shigamuseum.jp/exhibitions/4045/

 



䑓原蓉子《他人の庭》2021年

同時開催
project N 88 䑓原蓉子
2022年10月8日(土)– 12月18日(日)
東京オペラシティ アートギャラリー 4Fコリドール

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