【PR】第17回台新芸術賞


Bulareyaung Dance and Cultural Foundation ‒ LUNA (2018). All images: Courtesy Taishin Bank Foundation for Arts and Culture, Taipei.

 

2019年5月25日、台新銀行文化芸術基金は、台湾国内で過去1年間に発表された視覚芸術および舞台芸術における優れた表現を表彰する台新芸術賞の授賞式を台北市内で開催した。最終候補15組の中から、ブラルイヤン・ダンス・カンパニーが年間グランプリを受賞、賞金150万台湾ドル(約520万円)を獲得した。台新芸術賞が2014年に年間グランプリを導入して以来、舞台芸術作品による受賞は初。同時に発表された視覚芸術賞にはスー・フイユ、舞台芸術賞にはチョウ・シューイーがそれぞれ選出され、賞金100万台湾ドルが授与された。

振付家のブラルイヤン・パガラツ率いるブラルイヤン・ダンス・カンパニー[布拉瑞揚舞團文化基金會]は、2018年5月に台中国立歌劇院で上演した『LUNA』により年間グランプリを受賞。昨年も『Stay That Way』で台新芸術賞舞台芸術賞を獲得しており、2年連続での受賞となった。『LUNA』の制作にあたり、ブラルイヤン・ダンス・カンパニーは、台湾中央に位置する南投県の羅娜村でフィールドワークを実施し、羅娜ブヌン音楽団と部族の長老と協力して、台湾原住民ブヌン族の歌唱法、舞踊、音楽を学んだ。審査員は、「爆発的に情報が増え、加速度的な変化を遂げる時代において、同作は身体の動きの中に内なる平穏と確固たる信念を見事に表現した。加えて、異なる共同体が互いに尊重し合うこと、話し合うことの可能性を示してみせた」と高い評価を与えた。

 


Su Hui-Yu ‒ The Glamorous Boys of Tang (1985, Chui Kang-Chien) (2018)


Chou Shu-Yi ‒ Break & Break! Dance Video Exhibition (2018)

 

視覚芸術賞は、スー・フイユ[蘇匯宇]が国立台湾美術館で開かれた台湾ビエンナーレ2018で発表した4チャンネルの映像インスタレーション「The Glamorous Boys of Tang (1985, Chui Kang-Chien)」(2018)で受賞した。同作は、詩人で脚本家の邱剛健(1940-2013)が1985年に監督した『唐朝綺麗男』の失われたシーンの再撮影を通じて、戒厳令下の台湾におけるエロティシズムに対する息苦しい統制を回想する。台湾がアジア初の同性婚の合法化を実現しようとする過程において、かつて、より困難な状況下で同性の魅力に惹かれることについて探究した過去の作品を再検討し、人間の欲望、身体、ジェンダーの解放に関する切迫感に応答すると同時に、卓越した芸術的展望を示した点が高く評価された。

一方、舞台芸術賞は、チョウ・シューイー[周書毅]が台北市北投区のポリマー・アートスペース[空場]で上演したソロダンスと映像による公演『Break & Break! Dance Video Exhibition』で受賞した。同公演では、チョウが3年間にわたり台湾やアジアの複数の都市を訪れ、自分自身の身体を使って異なる都市風景との相互介入を試みたダンスを撮影し、編集した100本以上の映像を、旧繊維工場だった建物の内外に投影するとともに、チョウ自身が映像に呼応するようにソロダンスを披露した。圧倒的なダンスパフォーマンス、その表現と都市化のグローバルな経験との関係が高く評価された。

審査員は、オズアジア・フェスティバル(アデレード)ディレクターのジョセフ・ミッチェル、香港演芸学院ダンス科長のアニー・CY・チャン、クイーンズランド・アートギャラリー|ブリスベン近代美術館キュレーターのルーベン・キーハン、衛武営国家芸術文化センター ドラマトゥルクのコン・イーウェイ[耿一偉]、ハイトン・アートセンター アーティスティックディレクターのチェン・タイスォン[陳泰松]、国立台北芸術大学演劇学院演劇学系准教授で批評家のユー・シャンルー[于善祿]、国立台南芸術大学映像芸術学院教授で「藝術觀點ACT」誌編集長のスン・スォンロン[孫松榮]が務めた。なお、台新タワー1階ロビーでは、最終候補15組の作品を紹介する特集展示(空間設計:シード・スペースラボ[彡苗空間實驗])が4月29日から5月31日まで開かれていた。

 

第17回台新芸術賞http://17award.taishinart.org.tw/

台新銀行文化芸術基金http://www.taishinart.org.tw/

 

 

最終候補(視覚芸術)
ニウ・ジュンチアン[牛俊強]『NIU Jun-Qiang Solo Exhibition 2018』(2018/12/8-2019/1/20、TKG+)
チョウ・ユウチェン[周育正]『Refresh, Sacrifice, New Hygiene, Infection, Clean, Robot, Air, Housekeeping, jackercleaning.com, Cigarette, Dyson, Modern People. III』(2018/5/12-7/8、TKG+)
山冶計画『The Hidden South』(2018/5/26-9/1、南廻四鄉:達仁、金峰、大武、太麻里)
《超日常》キュラトリアルチーム『Daily+ — International Biennial of NTUA Our Museum』(2018/11/21-2019年1月20日、国立台湾芸術大学有章芸術博物館、九単芸術実践空間、北区芸術集落)
スー・フイユ[蘇匯宇]『The Glamorous Boys of Tang (1985, Chui Kang-Chien)』(2018/9/22-2019/2/10、国立台湾美術館)

最終候補(舞台芸術)
チョウ・シューイー[周書毅]『Break & Break! Dance Video Exhibition』(2018/6/29、Polymer Art Space[空場])
リン・スーリェン[林素蓮]「Hey! Lady, please look at me! 」『2018 NTCH Innovation Series』より(2019/6/15、Experimental Theater, National Theater & Concert Hall[国家演劇両丁院])
スー・ピンウェン[蘇品文]「Girl’s Notes」『2018 Taipei Fringe Festival』より(2018/8/6、Thinkers’ Theatre[思劇場])
HORSE『BEHALF—Pichet Klunchun X Wu-Kang Chen』(2018/5/25、Cloud Gate Theater[雲門劇場])
真快楽掌中劇団「The Soup of Reincarnation」『2018 Taiwan Traditional Theatre Festival』より(2018/4/6、Taiwan Traditional Theatre Center – Experimental Theatre[台湾戯曲センター])
アサインメント・シアター[差事劇団]『Those Days, Those Brotherhoods』(2018/10/19、Taipei Hakka Music and Theater Center[台北音楽演劇センター])
YiLab. スー・ウェンチ[蘇文琪]「Infinity Minus One」『Taiwan International Festival of Arts』より(2018.3.2、National Theatre & Concert Hall[国家演劇両丁院])
OURシアター×流山児☆事務所『An Oxcart for Dowry』(2018/6/22、Cihiayi Performing Arts Experimental Theater[嘉義県表現芸術センター])
ブラルイヤン・ダンス・カンパニー[布拉瑞揚舞團文化基金會]『LUNA』(2018.5.9、National Taichung Theater[台中国立歌劇院])
HORSE[驫舞劇場]『We Island Dance Festival: Hsinchu Jump』(2018/11/05-11/18、新竹市)

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