| 南隆雄「Mille Côtes」 | |
| 会期 | 2026年5月23日(土) – 7月4日(土) 開催中 |
|---|---|
| 会場 | オオタファインアーツ |
| 住所 | 〒106-0032 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル3F [MAP] |
| 開館時間 | 11:00–19:00 |
| 休館日 | 日、月、祝 |
| URL | https:/ |
オオタファインアーツでは、東京スペースで9年ぶりとなる南隆雄の個展『Mille Côtes』を開催します。展覧会と同タイトルを冠する今展の展示作品は、2025年にフランス・リモージュに開館した現代アートセンター「Fracアルトテック・ヌーベル・アキテーヌ(Frac-Artothèque Nouvelle-Aquitaine)」の委嘱を受けて制作されました。完成した作品は、同館の顔となるファサードに設置された8枚の屏風状のLEDディスプレイで上映されています。本展ではこの作品をビデオプロジェクションへとアレンジし、南自身によって制作されたサウンドトラックを追加したバージョンを展示します。
《Mille Côtes》(2024-2025年)、「千の岸」と訳すことができるこの作品は、南自身がフランス南東部のヌーベル・アキテーヌ地域圏を巡って集めた映像と音響の記録を、コラージュのように再構成したビデオ作品です。南は、リモージュを起点に河川・湖沼・滝・湿原・海岸といった水辺に沿って円環を描くように移動し、1か月をかけて水とともにある風景を作品の素材として集めました。液体・気体・個体と循環しながら常にその形態が変容し、時に鏡ともなりうる水の存在は、南にとって至って映像的なものであり、また2016年に統合された当該の複数地域を繋ぐ媒介として象徴的な意味を持つものでした。
映像は、右から左へと絵巻物のように展開していくかと思えば、上から下へと山水画を見るような視点を与える展開も果たします。水源から流れ出す小川や渓谷の広がる上流域、ダムや発電所といった近代的施設も散見される中流域、湿地から大洋へと注ぐ下流域、それらの間に横たわる景観の変容。南は、日本とは違う表情を持つ山や海、大都市圏や農村地帯を有するフランスの地を、東洋的な絵画の構図と光の三原色を想起させる人工的な色合いとで描写しました。
FRACアルトテック・ヌーベル・アキテーヌで、まるでネオンのように煌々と作品が映し出される様子は、19世紀の古い印刷所を改装した建物の外観や石畳の街並みとの対比の鮮やかさから、ひときわ目を引くものとなっています。一方で、デジタル技術を通して風景が再構築された映像には、水面のゆらめき、鳥や昆虫の羽ばたき、木洩れ日や風のそよぎといった繊細な自然の表情までもが不思議と瑞々しく描き出され、ゆったりと景色が移り変わっていく様子は幻想的ですらあります。
南の作品が、正反対の要素を検証的に対置しながらも調和の取れた美しさで見る者を強く惹きこむのは、映像そのものの洗練に加え、絵画の構図が持つ根源的なエステティシズムがそこに見て取れるからだと言えるでしょう。川や波の流れを感じる場面では絵巻物のような、ダムの放水の場面では滝を描いた水墨画のような、どの場面を切り取っても絵画としての美しさに揺るぎがない南の作品世界を、どうぞご高覧ください。
《Mille Côtes》(2024-2025年)、「千の岸」と訳すことができるこの作品は、南自身がフランス南東部のヌーベル・アキテーヌ地域圏を巡って集めた映像と音響の記録を、コラージュのように再構成したビデオ作品です。南は、リモージュを起点に河川・湖沼・滝・湿原・海岸といった水辺に沿って円環を描くように移動し、1か月をかけて水とともにある風景を作品の素材として集めました。液体・気体・個体と循環しながら常にその形態が変容し、時に鏡ともなりうる水の存在は、南にとって至って映像的なものであり、また2016年に統合された当該の複数地域を繋ぐ媒介として象徴的な意味を持つものでした。
映像は、右から左へと絵巻物のように展開していくかと思えば、上から下へと山水画を見るような視点を与える展開も果たします。水源から流れ出す小川や渓谷の広がる上流域、ダムや発電所といった近代的施設も散見される中流域、湿地から大洋へと注ぐ下流域、それらの間に横たわる景観の変容。南は、日本とは違う表情を持つ山や海、大都市圏や農村地帯を有するフランスの地を、東洋的な絵画の構図と光の三原色を想起させる人工的な色合いとで描写しました。
FRACアルトテック・ヌーベル・アキテーヌで、まるでネオンのように煌々と作品が映し出される様子は、19世紀の古い印刷所を改装した建物の外観や石畳の街並みとの対比の鮮やかさから、ひときわ目を引くものとなっています。一方で、デジタル技術を通して風景が再構築された映像には、水面のゆらめき、鳥や昆虫の羽ばたき、木洩れ日や風のそよぎといった繊細な自然の表情までもが不思議と瑞々しく描き出され、ゆったりと景色が移り変わっていく様子は幻想的ですらあります。
南の作品が、正反対の要素を検証的に対置しながらも調和の取れた美しさで見る者を強く惹きこむのは、映像そのものの洗練に加え、絵画の構図が持つ根源的なエステティシズムがそこに見て取れるからだと言えるでしょう。川や波の流れを感じる場面では絵巻物のような、ダムの放水の場面では滝を描いた水墨画のような、どの場面を切り取っても絵画としての美しさに揺るぎがない南の作品世界を、どうぞご高覧ください。
