TOKAS-Emerging 2026
第1期:2026年4月4日(土)-5月3日(日・祝)
第2期:2026年5月16日(土)-6月14日(日)
トーキョーアーツアンドスペース本郷
https://www.tokyoartsandspace.jp/
開館時間:11:00–19:00 入場は閉館30分前まで
休館日:月
展覧会URL:https://www.tokyoartsandspace.jp/archive/exhibition/2026/20260404-7535.html
トーキョーアーツアンドスペース本郷では、日本国内を拠点とする35歳以下のアーティストを対象とした活動支援プログラムによる展覧会「TOKAS-Emerging 2026」を開催する。本年度は186組の応募から選ばれた寺田健人、西村涼、ヤン・ボー[楊博]、エンシャクカン[袁鑠涵]、沖見かれん、岸本望の6名が2期にわかれてそれぞれ個展形式で作品を発表する。各会期初日には、出展作家に加え、公募審査員を務めた森啓輔(千葉市美術館学芸員)、福元崇志(国立国際美術館主任研究員)をゲストに迎えてアーティスト・トークが実施される。
寺田健人《okinawan silence – cracked departure》2025 (C) Kento Terada, Courtesy of Yumiko Chiba Associates
西村涼《悠久を測る1》2024 撮影:高野友実 画像提供 : 京都精華大学ギャラリー Terra-S
楊博《Roulette#3 (R.I.P Lou reed)》2023
第1期の参加作家は次の通り。寺田健人(1991年沖縄県生まれ)は、存在しなかった家族の肖像など、不在や沈黙のイメージから、その背後にある制度を浮かび上がらせてきた。2024年に横浜国立大学大学院都市イノベーション学府都市イノベーション専攻博士後期課程単位取得後満期退学。現在は東京と沖縄を拠点に活動している。主な展覧会に「遠い窓へ 日本の新進作家 vol. 22」(東京都写真美術館、2025)、個展「聞こえないように、見えないように」(Yumiko Chiba Associates、東京、2025)、「あらがう」(福岡市美術館、2024)など。本展「A Pillow for the Fence, at Night in Okinawa」では、出身地である沖縄に今も残る戦争の痕跡を主題とする。寺田の原風景でもある沖縄郊外の夜をイメージしたインスタレーションには、暴力や境界の象徴として戦後も残り続けてきたフェンスが、やわらかな枕へと姿を変え、眠りを待つように横たわる。薄暗闇の中で明るく輝くネオンサインは「post WAR?」と問いかける。
西村涼(1993年京都府生まれ)は、自然の流動性や生命のいとなみ、時間の経過など、見過ごされてしまいそうなそれらを可視化するために、対象を観察し、透明なプラスチックの版に彫って版画作品を制作している。流れやエネルギーとともに自然の中に見出される「線」を写し取った版画は、彫られて捲れ上がった部分にインクが滲むことで、生命力を宿したような表情を見せる。2018年に京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻版画を修了。現在は京都を拠点に活動している。主な展覧会に「Shake 西村涼・柳大輝 二人展」(準備中・五木、東京、2025)、「Putting life on paper / 光の種子を蒔く」(TAKU SOMETANI GALLERY、東京、2025)、「Putting life on paper / 光の種子を蒔く」(こぉと、奈良、2025)など。本展「私の生命を旅する/形象を追放する/風景を見つめる」では、考現学に寄与し、青森の風土のスケッチを東京に送り続けた版画家・今純三(1893-1944)をなぞり、青森県十和田市にある奥入瀬渓流の営みをそのスケールのまま持ち込む。
ヤン・ボー[楊博](1991年中国湖北省生まれ)は、自身とは離れた世代の音楽や映画に影響を受け、そこで語られる言葉を起点に制作している。2019年に東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画を修了。現在は東京を拠点に活動している。主な展覧会に「Take me to the river」(Yutaka Kikutake Gallery、東京、2026)、「project N 98」(東京オペラシティアートギャラリー、2025)、「Zamio versus Souvenir-man and the Defending Champion, part 124」(FOAM CONTEMPORARY、東京、2024)などがある。本展「Number Five Roulette」では、自身の絵画とともに、その絵画を「台本」とした映画を発表する。会場に建てられたスクリーンの中で、ヤンはある曲に登場するふたりの男と、自身が憧れたギタリストの役をそれぞれ演じる。その映画もまた周囲の絵画と同様に、歌われた言葉を自分のものとして引き受ける試みとして、信じることや憧れることの手前でなおも成立しうるための構造を立ち上げようとする。
袁鑠涵《近づくまで ―見えたその先は》2025
沖見かれん《地表(光)》2025
岸本望《Setting a Ladder, a Circle is Forming》2024-
第2期の参加作家は次の通り。エンシャクカン[袁鑠涵](1998年上海生まれ)は、グローバル化によって多くの人々が移動し異邦人になりうる現在、動き続けることで揺らぐ自己のアイデンティティの在り処を、映像という視覚言語で表現している。鑑賞者が映像の中に自分の姿を重ね、誰もが感じうる疎外感を共有できるよう、他者の記憶にセルフドキュメンタリーを重ねている。2025年に東京藝術大学大学院美術研究科先端表現専攻を修了。現在は東京を拠点に活動している。主な展覧会に「例えば(天気の話をするように痛みについて話せれば)」(東京藝術大学大学美術館、2025)、「トモダチ―ブラジル・日本学生映画祭」(Cine Passeio、クリティバ、ブラジル、2025)、「前橋映像祭」(裏ノ間、群馬、2025)など。本展「近づくまで ―見えたその先は」では、「夢の中の家はどんな場所か」という他者への問いかけを起点に、過ぎ去っていく風景の中で、それぞれが帰るべき原風景として抱く「家」のイメージを追求する。
沖見かれん(1991年和歌山県生まれ)は、目を開けた瞬間の光の眩しさや、移動によって変化する視界と身体の反応など、人間の知覚と運動の関係性を絵画表現を通じて探究している。例えば一瞬の光の経験は、撮影された動画から版画になり、さらに反転・分割・カラーチャートの作成といった複数の変換プロセスを経て、硫黄粉末による絵画として再現される。こうしてホワイトキューブの中で展開される知覚と運動をめぐるイメージは、個人の記憶や体験を取り除いた純粋なものとして立ち現れる。2023年に京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画を修了。現在は京都府を拠点に活動している。主な展覧会に「ALLOS and ERGON」(POOL SIDE GALLERY、石川、2024)、「Kyoto Art for Tomorrow 2024 ―京都府新鋭選抜展―」(京都文化博物館、2024)、個展「眼の先は島へ / 夏至、外縁」(FINCH ARTS、京都、2023)など。今回「噴火、その残像」と題した個展を開催する。
岸本望(1998年茨城県生まれ)は、都市に残された匿名の痕跡を拾い上げ、散りばめられた言葉から詩を紡ぐようにその断片と自身のドローイング(痕跡)を組み合わせたコラージュ作品を中心に制作している。都市の中の自己と他者、あるいは過去と現在など、隔たるものの間に「梯子」をかけることで、岸本はその境界が溶け合う瞬間を捉え、新たな感覚や物語を生み出そうと試みている。2025年に東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻を修了。現在は北海道を拠点に活動している。主な展覧会に「ART AWARD TOKYO MARUNOUCHI 2025」(行幸地下アートギャラリー、東京、2025)、「SHOWCASE vol.2 : Hokkaido/Tohoku by ArtSticker」(アートかビーフンか白厨、東京、2025)など。今回「この星は円」と題した個展を開催する。
関連イベント
第1期:アーティスト・トーク
2026年4月4日(土)16:00–17:30
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
出演:寺田健人、西村涼、ヤン・ボー[楊博]
ゲスト:森啓輔(千葉市美術館学芸員)
料金:無料
※日本語のみ、日程および参加アーティストは変更となる場合あり
第2期:アーティスト・トーク
2026年5月16日(土)16:00–17:30
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
出演:エンシャクカン[袁鑠涵]、沖見かれん、岸本望
ゲスト:福元崇志(国立国際美術館主任研究員)
料金:無料
※日本語のみ、日程および参加アーティストは変更となる場合あり
