色の記憶-マイケル・ヨハンソン

2012年5月17日


【タイトル】 色の記憶
【アーティスト名】 マイケル・ヨハンソン
【期間】 2012年5月17日~7月31日



マイケル・ヨハンソンが手がける対象は、誰もが知っているごくありふれたモノばかり。でも、その手法はまったく平凡ではありません。濃密な世界を作るという強い意志のもと、モノたちは、かっちりとした直方体に姿を変え、モノ本来の目的とは違う、新たな意味を持つカタリスト(触媒)へと変換されて、しかるべき場所に収められます。時代遅れとなった同系色のアイテムが再構成されて、集合的な虚像によって強化された虚構の生命の同質なイメージが姿を現します。それは圧縮された過ぎし日の風景とも言えるでしょう。

このように私たちの周囲を埋め尽くすモノを通して、時の移ろいが見えてきます。形あるものは古びて時代遅れとなり、白は、時を経て黄色に変色します。

メゾンエルメスのウィンドウを飾るのは、過ぎし日の日用品たち。何百もの家庭から出された品々がさまざまな場所で開かれる蚤の市へと流れ、集められ、そして100円ショップから集められた新しいモノと一緒になって同質なイメージへと姿を変えます。単色のアイテムが几帳面に正確に積み上げられ、さらに大きなアイテムの間に生まれる隙間にきっちりと嵌め込まれていきます。ひとつの堅固な彫像のようなフォルムを成すまでそのプロセスが繰り返され、本来の機能は、色と形という概念によってねじ伏せられていくのです。エルメスの商品はすべてに光を当てます。過去が現在と、日常が非日常とミックスされるのです。


Michael Johansson (マイケル・ヨハンソン)
1975年スウェーデン生まれ。トロンドハイムのアートアカデミー(ノルウェー)とベルリン・ヴァイセンゼー美術大学(ドイツ)で学んだ後、2005年にマルメ・アートアカデミー(スウェーデン)で修士課程を修了した。その後、いくつかのレジデンスを経験し、マルメ美術館(スウェーデン)、Galerie Filomena Soares(ポルトガル)、モスクワ近代美術館(ロシア)、Meessen de Clercq(ベルギー)、Ystads konstmuseum(スウェーデン)、Nikolaj Kunsthal(デンマーク)をはじめ、スウェーデン内外で数多くの展覧会を開催している。現在、スウェーデンのマルメで創作活動を行っている。


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