日産アートアワード2013は、宮永愛子に

2013年9月25日、日産自動車は日産アートアワード2013のグランプリを宮永愛子に、審査員特別賞を西野達に授与した。宮永には賞金500万円が授与された。

宮永愛子は1974年京都生まれ。1999年に京都造形芸術大学を卒業後、2008年に東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程を修了している。ナフタリンや塩といった素材を用いて、靴や時計など日常的な記憶と結びついた事物かたどる作品などで知られる。国立国際美術館にて昨年行われた個展『宮永愛子:なかそら—空中空—』をはじめ、資生堂ギャラリー(2009年)、京都芸術センター(2008年)、アサヒビール大山崎山荘美術館(2004年)などで個展を開催、そのほか、あいちトリエンナーレ2010や『アーティスト・ファイル2009—現代の作家たち』(国立新美術館)などの国際展や企画展にも参加している。現在開催中の十和田奥入瀬芸術祭や滋賀のボーダーレス・アートミュージアムNO-MAにて『カソケキ+チカラ』にも出品中。

西野達は1960年愛知生まれ。武蔵野美術大学を修了後、渡独し、ミュンスター美術大学を修了。公共彫刻を囲う空間をつくりだしたり、既存の空間を変容させる大規模なプロジェクトで知られる。近年も銀座メゾンエルメス(2006年)やあいちトリエンナーレ2010といった国内でのプロジェクトのほか、シンガポールビエンナーレ2011やニューヨークでの「ディスカバリング・コロンブス」など精力的に発表を続けている。現在はクラスノヤルスク美術館(ロシア)に作品を出品中。また、9月27日から行われるグループ展『Shinonome Photo Festival 2013』(TOLOT / heuristic SHINONOME)に写真作品、10月11日から14日まで開催される『おおさかカンヴァス推進事業2013』では新作を発表する予定。

同賞は日産自動車が将来性のある日本のアーティストの活動を支援することを目的として、創立80周年を迎える本年に創設、以後、隔年での開催を予定している。第1回目となる今回は、現代美術を対象とし、南條史生(森美術館館長)、逢坂恵理子(横浜美術館館長)、黄篤(インディペンデント・キュレーター)、ジャン・ド・ロワシー(パレ・ド・トーキョー館長)、ローレンス・リンダー(カリフォルニア大学バークレー美術館、パシフィック・フィルム・アーカイブ館長)の5名が審査員を務めた。

宮永と西野を含む最終選考に残った安部典子、鈴木ヒラク、小泉明郎、増山裕之、篠田太郎、渡辺英司の8名が新作を発表している『日産アートアワード2013』展は、BankART Studio NYK(横浜市中区)にて11月4日まで開催している。

日産アートアワード:http://www.nissan-global.com/JP/CITIZENSHIP/NAA/

日産アートアワード2013
2013年9月18日(水)-11月4日(月)
BankART Studio NYK
http://www.bankart1929.com/

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