第18回文化庁メディア芸術祭、受賞作品決定

2014年11月28日、文化庁メディア芸術祭実行委員会は、国立新美術館で第18回文化庁メディア芸術祭の受賞発表を開催した。アート部門の大賞は該当なし。優秀賞は、五島一浩、坂本龍一/真鍋大度、ルーベン・パーテル、コッドアクト(ミシェル・デコステール/アンドレ・デコステール)、福島諭、新人賞は、アナヒタ・ラズミ、イヴァン・ヘンリケス、アレックス・ヴェルヘストにそれぞれ授与される。また、メディアアートにおける実践、企画、教育に多大なる貢献を果たした山本圭吾への功労賞の授賞もあわせて発表された。

文化庁メディア芸術祭は、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において、優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会の提供を目的としている。本年度は世界71の国/地域から3,853作品(アート部門:1,877作品)の応募が寄せられた。

今年度のアート部門の審査員は、審査委員は、植松由佳(国立国際美術館主任研究員)、岡部あおみ(美術評論家)、佐藤守弘(視覚文化研究者/京都精華大学教授)、高谷史郎(アーティスト)、三輪眞弘(作曲家/情報科学芸術大学院大学教授)の5名が務めた。

優秀賞に選ばれた5作品は次の通り。五島一浩の「これは映画ではないらしい」は、映画/動画の基本概念を問い直す「コマのない動画カメラ/映写機」によって「動く画像」を生み出す作品。坂本龍一/真鍋大度の「センシング・ストリームズ—不可視、不可聴」は、先の札幌国際芸術祭で発表された人間が知覚できない電磁波を感知し、可視化、可聴化するインスタレーション作品。ルーベン・パーテルの「Drone Survival Guide」は、自身の修士論文をきっかけにまとめたプロジェクトで、一般的に使用されているドローン(無人航空機)26種のシルエットと、それらの使用用途、国籍、そして無人航空機の偵察や攻撃から身を守るためのサバイバル・ガイドを記載したパンフレット。コッドアクトの「Nyloïd」は、巨大なナイロン製の三脚が複雑かつ有機的な動きと音を生み出す音響彫刻。福島諭の「《 patrinia yellow 》 for Clarinet and Computer」は、女郎花(Patrinia Yellow)という植物の一年の周期を表現した、クラリネットとコンピュータによる楽曲とそのライブパフォーマンス。(各作品の概要、贈賞理由は公式ウェブサイトを参照)

アート部門以外の大賞は以下の通り、
Googles’s Niantic Labs(創業者:ジョン・ハンケ)「Ingress」(エンターテインメント部門)
アンナ・ブダノヴァ「The Wound」(アニメーション部門)
近藤ようこ/原作:津原泰水「五色の舟」(マンガ部門)

贈呈式は2015年2月3日(火)に国立新美術館で開催。なお、各部門の受賞作品および審査委員会推薦作品が出品される第18回文化庁メディア芸術祭は、来年2月4日から2月15日まで、国立新美術館を中心に開催予定。

第18回文化庁メディア芸術祭:http://j-mediaarts.jp

第18回文化庁メディア芸術祭
2015年2月4日(水)-2月15日(日)
国立新美術館、ほか
http://j-mediaarts.jp

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