アート・バーゼル開催


Rosemarie Trockel

2013年6月13日から16日まで、毎年恒例の世界一のアートフェア、アート・バーゼルが開催される。今年から、一般公開に先立ち行なわれたVIP対象の内覧会の期間は二日間に拡大した。
アメリカの景気回復を受けて、アメリカからのコレクターの来場者が多い印象。また、セールスもリーマンショック以前に戻ったかのように極めて好調である。
デイヴィッド・ツヴィルナーは開始1時間でフランシス・アリスの小型絵画作品を25万ドル(約2400万円)、マンマ・アンダーソンの作品を40万ユーロ(約5000万円)で売却。ルーリング・オーガスティンも、クリストファー・ウールの150万ドル(約1億4000万円)の作品を早々に売却するなど、高額な作品も好調に動いた様子。その他、シュプルース&マーゲルスでローズマリー・トロッケルのニット作品「Sky」が38万ユーロ(約4800万円)、トーマス・デーン・ギャラリーは、リンダ・ベングリスの彫刻作品「Come」を60万ドル(約5600万円)で売却した。


Above: Lynda Benglis. Below: Dayanita Singh

ヴェネツィア・ビエンナーレで銀獅子賞を受賞したカミーユ・アンロの映像作品「Grosse Fatigue」は、ギャラリー・カメル・メヌアが大半のエディションを売却した他、オランダ館に出品したマーク・マンダースの主要作品をニューヨーク近代美術館(MoMA)が購入したとの情報もある。同じくドイツ館に出品しているダヤニータ・シンの「File Room」はルイジアナ美術館が購入するなど、これまで経済危機の影響で、低下していた美術館からの購入も増加、フェア会場では多数の美術館キュレーターが、積極的に作品を購入している姿が見受けられた。
一方で、世界各地でフェアの開催が増えていることから、これまで新作が多く見られていたバーゼルにおいても、美術館やギャラリーですでに展示されたことのある作品が散見されるようになり、新鮮味という点ではやや薄れてきている。

Art Basel:https://www.artbasel.com/

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