第11回光州ビエンナーレ、アーティスティックディレクター発表

2015年6月30日、光州ビエンナーレ財団は2016年開催の第11回光州ビエンナーレのアーティスティックディレクターを発表。ストックホルムのアートセンター、テンスタ・コンストハルでディレクターを務めるマリア・リンドが選出された。

光州ビエンナーレは、5.18光州民主化運動の精神を受け継ぎ、同地から文化的な新しい価値を国際的に発信していく現代美術の場として1995年にはじまり、現在はアジアを代表する国際展として知られる。歴代のアーティスティック・ディレクターには、ドクメンタ11や開催中の第56回ヴェネツィア・ビエンナーレを手掛けたオクウィ・エンヴェゾーや、第55回ヴェネツィア・ビエンナーレを手掛けたマッシミリアーノ・ジオーニらがいる。また、2012年に森美術館チーフ・キュレーターの片岡真実を含む6名の共同キュレーションを実施して以来、前回のジェシカ・モーガンを含め、女性キュレーターの抜擢が続いている。

マリア・リンドは1966年ストックホルム生まれ。ストックホルム近代美術館、クンストフェライン・ミュンヘン、IASPIS(ストックホルム)、バードカレッジ大学院プログラムのキュレーター研究センターを経て、2011年より現職。また、マニフェスタ2(1998)、第25回サンパウロ・ビエンナーレ(2002)のスウェーデン館、第1回ウィーン・ビエンナーレ特別展(2015)などを手掛けている。新聞、雑誌、カタログなどへの寄稿も数多く、2010年にはスタンバーグプレスから選集『Selected Maria Lind Writing』が出版された。また、2009年には現代美術への貢献を認められ、ウォルター・ホップス賞を受賞している。光州との関係としては、2010年のアジアン・カルチャー・コンプレックスの国際ワークショップにスピーカーとして参加、前回の光州ビエンナーレの際に国際キュレーターコースのアカデミック・アドバイザーとして参加している。

リンドは今回の選出を受けて、光州ビエンナーレの質の高さとこの都市の特性を踏まえつつ、さまざまな人々がアートの名の下に話し合い、関わり合い、理解し合う場をつくりたいと抱負を述べた。既存のシステムを疑い、アートと社会の媒介者の役割を探求してきたリンドのこれまでの実績にかんがみて、光州ビエンナーレの新たなヴィジョンとして、アートの社会的役割や、ローカルな文化とグローバルな文化の共鳴を打ち立てていく適任者として期待が寄せられている。

なお、同日に第11回光州ビエンナーレの会期が2016年9月2日から11月6日までの66日間となることも併せて発表された。

光州ビエンナーレ財団http://www.gwangjubiennale.org/

過去の展覧会テーマおよびアーティスティックディレクター

第1回「Beyond Borders」
イ・ヨンウ
第2回「Unmapping the Earth」
イ・ヨンチュル
第3回「Man and Space」
キュレーター:オ・グァンス
第4回「P_A_U_S_E」
共同キュレーター:チャールズ・エッシュ、ホウ・ハンルゥ、ソン・ワンギョン
第5回「A Grain of Dust A Drop of Water」
イ・ヨンウ(共同キュレーター:ケリー・ブロアー、チャン・ソクウォン)
第6回「Fever Variations」
キム・ホンヒ(チーフ・キュレーター:ウー・ホン、チーフ・プログラマー:キム・サンユン)
第7回「On the Road / Position Papers / Insertions」
オクウィ・エンヴェゾー(共同キュレーター:キム・ヒュンジン、ランジット・ホスコテ)
第8回「10,000 LIVES」
マッシミリアーノ・ジオーニ
第9回「ROUNDTABLE」
ナンシー・アダジャニア、ワッサン・アル=クダイリ、片岡真実、キム・ソンジョン、キャロル・インファ・ルー、アリア・スワスティカ
第10回「Burning Down The House」
ジェシカ・モーガン

Copyrighted Image