追悼 大野一雄  文/麿赤兒 (舞踏家・大駱駝艦主宰)

写真: 荒木経惟


存在が非在の衰弱体であることを身を持って我々に示された、奇蹟の舞踏家である。

土方巽と共に一方の舞踏の始祖として103歳という命を生き、

その横たわった死の姿もまた舞踏である。

その姿は我々舞踏の使徒にとって大いなる慈悲の光であるとともに、

胸元に突きつけられた刃でもある。

大野一雄師の奇蹟の死を悼みつつも、その強き命の意志を受け継いでいきたいと思う。

若き舞踏家達の守護神として、何処からかその光を与えられんことを・・・

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