VOCA展2015、各賞受賞者

2014年12月24日、第一生命保険株式会社の協賛のもと、「VOCA展」実行委員会、公益財団法人日本美術協会、上野の森美術館が主催する『VOCA展2015』の大賞及び各賞の受賞者が発表された。

22回目のVOCA賞には、シルクスクリーンで数十回から百回近くインクを重ねる版画作品で知られる小野耕石が選出された。小野は1979年岡山県生まれ。東京造形大学を経て、2006年に東京藝術大学修士課程絵画科専攻版画科を修了。近年はアートフロントギャラリー、養清堂画廊を中心に作品を発表しており、2009年には第3回shiseido art eggでの入賞などの受賞経験を持っている。今回、選考対象となった作品は「Hundred Layers of Colors」で、「版画というジャンルのなかで、色の”厚み”によって、木版や銅版など、通常の版画とは異なる独自の世界を生み出すことに成功している(推薦委員・長門佐季)」ことが評価された。

また、VOCA奨励賞は、Photographers’s galleryを中心に活動する岸幸太、あいちトリエンナーレ2013の企画コンペ部門やtaimatzなどで発表している水野里奈が受賞し、佳作賞は、松岡学、松平莉奈がそれぞれ受賞。選考委員は昨年と同じく、選考委員長の高階秀爾(大原美術館館長)をはじめ、酒井忠康(世田谷美術館館長)、建畠晢(京都市立芸術大学学長)、本江邦夫(多摩美術大学教授)、笠原美智子(東京都写真美術館事業企画課長)、片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)が務めた。なお、大原美術館の独自に選考する大原美術館賞は、川久保ジョイが受賞した。

VOCA展は平面美術の領域で国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に1994年より毎年開催されている美術展で、全国の美術館学芸員、研究者、ジャーナリストなどから選出された推薦委員が、それぞれ40歳以下のアーティストを1名を推薦、推薦されたアーティスト全員に展覧会への出品が依頼される。

上述した受賞者のほか、計34名の作品は来年3月14日から30日まで上野の森美術館に展示される予定。

現代美術の展望「VOCA展2015-新しい平面の作家たち-」
2015年3月14日(土)-3月30日(月)
上野の森美術館
http://www.ueno-mori.org/
開館時間:10:00-18:00
会期中無休

出品作家(50音順)
今井俊介、榮水亜樹、奥村雄樹、小野耕石、笠見康大、加茂昂、川久保ジョイ、岸幸太、衣川明子、ジョミ・キム、齋悠記、鋤柄ふくみ、鈴木興、瀬尾夏美、武田浩志、武田雄介、竹村文宏、長谷川由貴、原田圭、平野泰子、福田龍郎、本城直季、牧野真耶、松岡学、松平莉奈、松本寛庸、Mariane、水川千春、水野里奈、ミヤギフトシ、村瀬裕子、村田峰紀、森綾乃、横山奈美

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