連載目次 第五福竜丸の乗組員だった久保山愛吉の死とその遺された言葉について初めて知ったのは、私がまだ高校生の頃にまで遡る。しかしそれは、よくある歴史学習からではなく、ある音楽家による演奏を通じてのことだった。ターンテーブルに乗せたレコードに針を落とすと、野外での実況録音に特有の抑View More >
椹木野衣
58:再説・「爆心地」の芸術(25)第五福竜丸から今へ (1)
連載目次 第五福竜丸展示館 開館40周年レセプションより(安部公房作品を元にした小劇) 写真提供:公益財団法人第五福竜丸平和協会 去る5月29日、神田の学士会館で開かれた東京都立第五福竜丸展示館、開館40周年レセプションに足を運んだ(*1)。会場はたいへんな盛況で、円卓の随所に、View More >
57:再説・「爆心地」の芸術(24)園子温と『ひそひそ星』(2)
連載目次 《「今際の際」の橋》2016年 撮影:岡倉禎志 写真提供:ワタリウム美術館 園子温 展「ひそひそ星」(ワタリウム美術館、東京)での展示風景(以降すべて) 映画『ひそひそ星』の終盤に、たいへん印象深い場面がある。それは、宇宙へと散り散りとなった人類が離れ離れで住む星へと思View More >
56:再説・「爆心地」の芸術(23)園子温と『ひそひそ星』(1)
連載目次 映画『ひそひそ星』より © Sion Production 5月14日〜新宿シネマカリテほかロードショー 監督・脚本・プロデュース:園子温 プロデューサー:鈴木剛、園いづみ 企画・制作:シオン プロダクション 出演:神楽坂恵、遠藤賢司、池田優斗、森康子、福島県双葉郡浪江View More >
55:再説・「爆心地」の芸術(22)清水大典の冬虫夏草図(2)
連載目次 現在の「アクアマリンふくしま」 画像提供:アクアマリンふくしま(以降すべて) 今から5年をさかのぼる2011年3月11日、午後2時46分、マグニチュード9.0を記録する東北地方太平洋沖地震が発生。地面のみならず、膨大な量の海水を揺り動かした巨大なエネルギーはすぐに大津波View More >
54:再説・「爆心地」の芸術(21)清水大典の冬虫夏草図(1)
連載目次 左:モモイロクモタケ 右:ミヤマタンポタケ いずれも清水大典原図、紙、ペン、彩色 所蔵・画像提供:米沢市上杉博物館(以降すべて) 清水大典(だいすけ)の名を知ったのは、震災の翌年、福島県のいわき湯本に頻繁に足を運ぶようになった頃のことだった。おもしろい人がいるからと案内View More >
53:2015年回視 — 「ベスト展覧会」の対岸から
※本連載での進行中シリーズ〈再説・「爆心地」の芸術〉は今回お休みとなります。 連載目次 会田家「檄」展示風景 「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」展、東京都現代美術館、2015年 撮影:木奥恵三 毎年、この時期になると、新聞各紙を中心に「今年の展覧会ベストView More >
52:追悼・三上晴子(番外編) ― ごく私的、かつ批評的な企てとして
※本連載での進行中シリーズ〈再説・「爆心地」の芸術〉は今回お休みとなります。 連載目次 グランギニョル未来「デミオ福島501」2015年〜(東京・ワタリウム美術館での『Don’t Follow the Wind – Non-Visitor Center』展View More >
51:追悼・三上晴子 ― 彼女はメディア・アーティストだったか(5)
※本連載での進行中シリーズ〈再説・「爆心地」の芸術〉は今回お休みとなります。 連載目次 © studio parabolica Photo: Naoya Hatakeyama 今年の初め、あまりにも唐突にその訃報が伝えられて以降、断続的に書き継いできた三上晴子をめぐるこの文章もView More >
50:追悼・三上晴子 ― 彼女はメディア・アーティストだったか(4)
※本連載での進行中シリーズ〈再説・「爆心地」の芸術〉は今回お休みとなります。 連載目次 (承前)では、このころ三上晴子が好んで使うようになった「被膜世界」とは、いったいなんであったのか。彼女がこの言葉をいつ、どの時点で思いつき、実際に使うようになったのか。正確なところはわからないView More >