ゲルハルト・リヒター 「Painting」


Abstract Painting (939-6)
2015, oil on canvas, 58 x 72 cm
© Gerhard Richter / WAKO WORKS OF ART All Rights Reserved.

ゲルハルト・リヒター
Painting
2015年11月10日(火) – 12月19日(土)

ワコウ・ワークス・オブ・アートでは、2015年11月10日(火)より、ドイツのアーティスト、ゲルハルト・リヒターによる3年ぶり9度目となる個展を開催します。

作家みずからが「Painting」と名付けた今展では、世界初公開となる最新の油彩画を8点展示します。さらに、2010年に制作を開始した、ガラスにラッカーで描いたシリーズ〈アラジン〉から日本未公開の5点と、さまざまなスナップショット的な写真の上に油彩やエナメルで描く「オーバー・ペインテッド・フォト」と呼ばれる手法による作品も多数展示します。オーバーペインテッド・フォトは、絵画と写真の間を行き来しつつ、絵画とは、絵画性とは、写真性とは何かという考察を続けてきたリヒターのエッセンスが凝縮されたシリーズとして、常に重視されてきました。日本の瀬戸内海を訪れた際の写真を使った作品も展示します。

当画廊でのゲルハルト・リヒター展は、最新デジタル技術を駆使した〈Strip〉シリーズの日本公開となった2012年の個展以来となりますが、油彩画の最新作の公開は、2005年以来10年ぶりとなります。

2012年の個展でガラスの立体作品とともに展示した〈Strip〉のシリーズは、彼の表現を端的にあらわす言葉としてもちいられる「仮象(Schein=シャイン、光)」を生み出す作品として究極的であると評価されましたが、今年発表した11メートル長の作品がシリーズ最後となりました。このStrip以降の動向について注目が高まる中、今回の新作絵画の発表となりました。

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「Stripは、ガラスのオブジェと並んで、アブストラクト・ペインティングの最も純粋な姿であるとともに、それに引導を渡している。[…]この先はないし、ありえない。誰がアブストラクト・ペインティングの再開を予見したであろうか」
(清水穣 今展図録収載予定のテキストより)
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ぜひ今展に足をお運びいただき、現代絵画の最高峰とされるゲルハルト・リヒターがめざす絵画の最新形をご高覧いただければ幸いです。

[カタログ情報]
・展覧会カタログ
「Gerhard Richter “Painting”」11月10日刊行 (2700円+税)
・リヒター・豊島プロジェクトカタログ
「Gerhard Richter “14 Panes of Glass for Toyoshima, dedicated to futility”」2016年2月刊行予定

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