Mario A / 亜 真里男

東京の展覧会について

破壊性の美学:松下まり子のサイコグラム個展 @ KEN NAKAHASHI

2016年11月17日
現在、東京アート・シーンには、two art stars are born。
一人目は、中橋 健一さん、ギャラリー・オーナー。

今年5月のアートフェア東京にmatchbaco (現在 KEN NAKAHASHI)は初登場し、ビッグ・スプラッシュを上げました。


中国出身の若手写真家レン・ハン Ren Hang作品展 @ アートフェア東京2016、matchbacoのブース

2017年2月25日のアップデート:

ヌード作品で注目、中国の若手写真家レン・ハンが死去
2017年02月25日 13:40 JST
中国出身の若手写真家レン・ハン(Ren Hang)が逝去した。29歳だった。ベルリン滞在中の2月24日に自殺したと複数の海外メディアが報じており、ファッションデザイナーのシモーネ・ロシャ(Simone Rocha)や「ヴェトモン(VETEMENTS)」のスタイリングを担当するロッタ・ヴォルコヴァ(Lotta Volkova)らファッション関係者がインスタグラムで追悼している。
レン・ハンは1987年、中国・吉林省長春市出身。「性」がタブーとされる中国で友人をモデルにしたヌード作品を発表し、気鋭の若手写真家として話題を集めた。国内だけではなく、パリやニューヨーク、東京といった世界の主要都市で展覧会を開催するなど世界的に活躍。2010年にはイタリアTERNA現代芸術賞に入賞した。ファッションの分野では「グッチ(Gucci)」や「メゾン キツネ(MAISON KITSUNÉ)」といったブランドのビジュアルを担当。今年1月からオランダ・アムステルダムで展覧会「Naked/Nude」、2月からはスウェーデン・ストックホルムのフォトグラフィスカ(Fotografiska)で写真展「HUMAN LOVE」を開催しており、会期中に逝去した。
http://www.fashionsnap.com/news/2017-02-25/ren-hang-died/

Controversial Chinese Photographer Ren Hang Dies at 29
react-text: 324 Chinese photographer and poet, Ren Hang, has died at the age of 29. His searing images, a carnival of milky limbs and botanical beauty, were celebrated and censored in equal measure. Hang was arrested several times for his explicit photographs and experienced censorship throughout his career in his home country of China. His pictures were a celebration of brazen exposure told through a language of graphic lines and block coloring. His subjects, always nude, were friends and more recently fans. A self-taught photographer, Hang once said he shoots with "no plans."

Alexander Öberg, of Galleri Tryffelgrisen , a longtime collaborator of Hang, told TIME: “We are shocked and incredibly sad about Ren's death. He was such a lovely person. We still cannot believe it is true. We can only speculate about what led him to end his life at the young age of 29.” Öberg added that Hang was a “lovely person and an incredibly creative artist who had so much more to share with the world.” Tryffelgrisen had collaborated with Hang for several years and exhibited him before he became widely known. Öberg added that he always knew Hang as a “kind, humble and somewhat shy person.”

Hang was born in Jilin, China, in 1987 and began taking pictures in 2008. He was drawn to photography while studying marketing; his college work didn’t interest him but he realized taking pictures did. Hang once said he simply “shot what he saw,” which began with his roommate's naked body. Nudity continued to be a source of inspiration for Hang, whose visionary, artfully-constructed scenes bled the surreal with the provocative. His work, though celebrated across the world, was a subject of controversy in his homeland. Outdoor nudity and pornographic images have been banned in the People’s Republic of China since 1949 and Hang was arrested several times, though he was unsure "what the legal reason was." Despite this, Hang has always maintained that his work was not “taboo” or seeking to “push boundaries,” adding: “I just do what I do.” Hang was championed by Ai Weiwei, who he also collaborated with, and was held up as a leading light of Chinese contemporary photography.

Hang suffered from cyclical depression, something he documented through his poetry, under the title My Depression.
He published seven photo books included Ren Hang, Nude, Republic and Son And Bitch before Taschen's recent retrospective, edited by Dian Hanson. Hang has been exhibited around the world and received the Outset/ Unseen Exhibition Fund in 2016. Hang was living in Beijing at the time of his death.

http://time.com/4682189/ren-hang-chinese-photographer-dies/

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さらに、ギャラリーの場所は、東京のプライム・ロケーションで、大変便利な新宿世界堂本店のすぐ側にあります。これはすごい!


ギャラリー KEN NAKAHASHI (matchbaco)
160-0022 東京都新宿区新宿3−1−32新宿ビル2号館5階

アーティストたちのラインナップも面白く、 偏狭でない、好色的傾向を示すギャラリーのコンセプトに歓声を送りたいと思います。


松下まり子「イド」個展 @ ギャラリー KEN NAKAHASHI (matchbaco)、展示風景

二人目は、松下まり子さん、画家。

コレクターでいらっしゃる前澤友作が作り上げた現代芸術振興財団の主催により、今年の「第2回CAFAA賞」の最優秀賞受賞者が、松下まり子氏に決定しました。おめでとうございます。



賞金300万円に加え、国際的な活躍ができるような企画をされています。第2回CAFAA賞について、Youtubeやwebsiteにて素晴らしく記録されていますのでご覧ください。


「第2回CAFAA賞 最優秀賞受賞者決定」公益財団法人現代芸術振興財団主催

参照:
前澤友作アート・コレクター@BRUTUS雑誌「現代アートと暮らしたい!」(2016年10月16日)
http://www.art-it.asia/u/sfztpm/uegcktPdhY7rCWVZHEKO


第2回CAFAA賞
http://gendai-art.org/cafaa2/award/index.html

先月、KEN NAKAHASHIのギャラリーで、7〜29日まで開催されていた松下まり子の個展「イド」を観ました。
入り口早々、ジャコモ・カサノヴァの絵に挨拶され、その「心構え」に驚きました。
これは、オーディエンスにセクシャルなインスティンクトを意識させる、彼女の秘密コードと解釈できます。

また、展示中の絵画には、破壊された女の顔が目立ちます。これは松下まり子氏、または、双極性障害をめぐる「マリコちゃん」のサイコグラム。

そこには、ピグマリオニズム、オスカー・ココシュカとアルマ・マーラーの人形像、カサノヴァの人形性交、フランシス・ベーコンの性暴力的なエクスプレッションなどが織り込まれている。
エロチシズムとナルシシズムで、絵筆が立つ血の赤、rosso sangue。
「Rosso Sangue 血の色・銀朱
サングエは血液のことで、濁ったり、黒ずんだりしない鮮血の色をいう。「血の赤」という色名には殺伐とした雰囲気があるが、ヨーロッパでは美しい赤は、ヴィーナスの血のように美しい色とされていたところからこの色名になった。」(「Colori d’Italia イタリアの色」平凡社 2013年、より)

人間の本質的なオブセッションを超越するペルソナ・フェリーニエスク。
心誌画による、破壊性の美学的要素。

この展覧会で、氏の全てのアート・プラクティスを理解したと思ったら、誤解を招くでしょう。
彼女のウェブサイトでの挨拶文は、次のように書かれています:

「松下まり子
油絵を主に描いています
 
私は「他者」に手を差し伸べ、触れ、「触覚」を伴った理解を繰り返すことによって、自分の人生を生きようとしています。
そのために行う絵画以外の方法も、すべて私の表現です。
私の言葉、身振り、考え、すべて私の表現です。

My name is Mariko.

I'm painter.

I reach out my hands to others … touch them … reiterating "the sense of touch" to comprehend them.
This is how I live my life.

Ultimately, all the other things I do besides painting, are also “my art”. My words, gestures, thoughts – they, too, embrace “my art” in its entirety … 」

つまり、ホームページやtwitterでの発言も公式なアート・プラクティスとしていることから、とても心配させられる画像や文書に見えます。

ウェブサイトより:
「2015,9,15
私は窒息して生まれた
母親のへその緒がからまっていて、あと数分遅かったら死んでいた、と医者に告げられたそうだ
それを聞いたとき、私は生まれるときから母親に殺されかけたのだと思った
母親はとても感情的で怖かったから

私は、真理子、という名前を付けられたが、男の子の格好をして育てられた
学校では少しいじめられた
ときどき痴漢に合い、痴漢はいつも大人の男だった
頭が混乱し、わたしやぼくといった一人称を選択することができなくなった
話したくても、話せないので、多くの時間を一人で過ごした

スカートを初めてはいたのは、13歳のとき
中学校の制服だ
自分のスカートはまだ持っていなかったけど、異様な感覚がした
その感じは自分の名前を書くときにも起こった
真理子
「真理を述べる子、ほんとうのことを言う子」という意味で名付けられたそうだ

今でも奇妙な感じがする
私の中に小さいマリコちゃんがいる
彼女は混乱している
ずっと

2015,8,31
ニンフォマニアック
手を伸ばして、私のやり方で現実とセックスする
時間の粘膜の中に入って心臓をどきどきさせる

時間の粘膜の中をペニスみたいになって進んでいく
出たり、入ったり、出たり、入ったり

絵は一瞬にしてできる
一瞬で射精してしまうみたいに

きみの静かな生を私が一番高い温度で原爆みたいに焼き付けてあげる

私は人間関係を壊しやすい
現れて消えていく人を原爆みたいに焼き付ける

「壁」はなくなるかもしれない
それは「時間の粘膜」という穴/トンネルになる 」

Twitterのスクリーンショット:











松下まり子作 “Artist” 2016, oil on canvas,116.7 x 91cm


松下まり子作 “Portrait 7” 2016, oil on canvas, 41 x 31.8 cm

ジャコモ・カサノヴァ
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジャコモ・カサノヴァ
Storia della mia vita (Casanova)
https://it.wikipedia.org/wiki/Storia_della_mia_vita_(Casanova)
『我が生涯の物語』
https://ja.wikipedia.org/wiki/我が生涯の物語


フェデリコ・フェリーニ 映画1976年「カサノバ」一コマ、ドナルド・サザーランド主演


CASANOVA di FELLINI segmento - LA BAMBOLA MECCANICA - HQ




東京都現代美術館 2004年:亜 真里男「ma poupée japonaise II」(in memoriam. Mariko Mitsuhashi Prima Ballerina 1970-2002) 2001、右側、四谷シモン人形作

と言うのも、私のアーティスト活動の中で、実際死に至った日本人女性との交流が何度かあり、自殺願望を持つ人に非常に強い恐怖感を覚えます。
ですから、松下まり子氏(34歳?)の「色彩感覚に取り憑く血の赤」から、一日も早く解放されることを願うしかない、という結論に至りました。

東京、2016年11月17日
亜 真里男

松下まり子「イド」
2016年10月7日〜10月29日
ギャラリー KEN NAKAHASHI (matchbaco)
160-0022 東京都新宿区新宿3−1−32新宿ビル2号館5階
営業時間:昼1時~夜9時   
休廊:日曜・月曜
https://kennakahashi.net/ja
https://kennakahashi.net/?locale=en

松下まり子のウェブサイト:
http://www.matsushita-mariko.com
https://twitter.com/mrk_mtst

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