『ポー川のひかり』


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オブジェに宿るもの – この身ひとつで

『ポー川のひかり』

2017年6月3日~6月25日

2006年/イタリア/94分/カラー/DVD

監督・脚本:エルマンノ・オルミ
撮影監督:ファビオ・オルミ
編集:パオロ・コッティニョーラ
録音:フランチェスコ・リオタルド
衣装:マウリツィオ・ミッレノッティ
美術:ジュゼッペ・ピッロッタ
音楽:ファビオ・ヴァッキ
出演:ラズ・デガン、ルーナ・ベンダンディ、アミナ・シエド、ミケーレ・ザッタラ、ダミアーノ・スカイーニ、フランコ・アンドレアーニ

ヨーロッパ最古とされる、イタリアのボローニャ大学。夏季休暇に入ったばかりの図書館で、大量の古文書が太い釘で床に打ち付けられるという衝撃的な事件が起きる。容疑者として浮かび上がったのは、忽然と姿を消した若き気鋭の哲学教授。将来を嘱望されていたこの若い男は、車も財布もすべてを投げ捨てて、辿り着いたポー川のほとりの廃屋で新しい生活を始める。時代に絶望した男だったが、素朴な村人たちとの交流を通して、生の息吹を蘇らせ、真実を見出してゆく……。名匠エルマンノ・オルミ監督が当時、最後の長編劇映画と位置づけた本作は、光と寓意あふれる映像美と、誠実な人生の結実を感じさせる、渾身の一作である。

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