Mrs. Paris and Mr. Tokyo – オラフ・ブルーニング

【タイトル】 Mrs. Paris and Mr. Tokyo
【アーティスト名】 オラフ・ブルーニング
【期間】 2012年3月23日~5月17日

「時の恵み」とは何でしょうか。私たちの記憶は時が過ぎるとともに、日々押し寄せる膨大な情報によって流され、消えて行きます。それでも残るものこそ、時が産み落とした強烈な記憶なのです。

アメリカ在住のアーティスト、オラフ・ブルーニングは都市に散在する広告や映像などの強いイメージをつなぎ合わせることで、思わず目を奪われるような奇妙なイメージを作り上げます。今回のウィンドウディスプレイでは、彼は人々が持つ強烈な記憶、「ステレオタイプ」に注目し、日本人とフランス人が相互に持っている「ステレオタイプ」を象徴するオブジェを設置しました。

ウィンドウいっぱいの空間を占める大胆な天狗とおかめの面は人々の視線を惹き付ける一方、エルメスの商品は可憐にその顔を飾ります。同じく、お面のまわりにアクセサリーのようにちりばめられたエッフェル塔やフランスパンのミスマッチはささやかな笑いをも引き起こします。

道行く人、誰もが思わず振りかえって見てしまうものこそ、人々の記憶のどこかに眠っている共通のイメージです。どこかデフォルメされた天狗とおかめの面は、日本人にとっても、また外国人にとっても奇妙な違和感を誘い、にぎやかな銀座の街のなか、どこよりも声高に主張するウィンドウとなるでしょう。

Olaf Breuning(オラフ・ブルーニング)
1970年、スイス、シャフハウゼン生まれ。ニューヨーク在住。1996年、HSFG Zurich修士課程にて写真を学ぶ。ホイットニー美術館(ニューヨーク)、森美術館(東京)におけるグループ展、メトロ・ピクチャーズ(ニューヨーク)、児玉画廊(京都)における個展など、世界各地の美術館やギャラリーにて展覧会を開催。その作品は、ルイジアナ美術館(デンマーク)、サーチ・コレクション(イギリス)などに収蔵されている。

■過去のウィンドウ・ディスプレイ一覧

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