秋の特別プログラム「衣・食・住」

2017年ル・ステュディオのテーマは「オブジェに宿るもの」。
10月、11月は2カ月間にわたり、「衣・食・住」にフォーカスした秋の特別プログラムをお届けします。

人間の営みはいつの時代にも、「衣・食・住」をめぐる「もの」たちと、その思い出や記憶とともにありました。
生活を彩る身近で親密なシーンの発見は、私たちが映画鑑賞をするときの醍醐味のひとつともいえるのではないでしょうか。今回は数ある名作の中から、時代の移り変わりを色濃く映し出す作品をセレクトしています。

マイホームを建てることで世代や趣向の違いがハプニングをまきおこす『みんなのいえ』。フランス革命前夜の宮廷の衣装やその生活を現代に再現した『マリー・アントワネットに別れをつげて』。食卓から家族のあり方だけでなく、社会の中での男女関係の移りかわりが垣間みえる『恋人たちの食卓』。
さまざな「衣・食・住」をめぐる物語を、どうぞお楽しみください。

10月1日(日)~14日(日)  『みんなのいえ』

©2001 フジテレビ 東宝

2001年/日本/115分/カラー/35mm

監督・脚本:三谷幸喜
製作:宮内正喜、高井英幸
エグゼクティブ・プロデューサー:石原隆、増田久雄
プロデューサー:佐倉寛二郎、空閑由美子、重岡由美子
音楽:服部隆之
撮影監督:高間賢治
美術:小川富美夫
編集:上野聡一
出演:唐沢寿明、田中邦衛、田中直樹、八木亜希子

憧れのマイホームを夢見る、放送作家の直介と妻の民子。二人が郊外の土地を決めたところから物語は始まる。お洒落な家に憧れる民子は、大学の後輩で新進気鋭のインテリアデザイナー、柳沢に設計を依頼。施工は、大工の棟梁である父・長一郎に任せる。開放感あふれるモダニズム建築を目指す、売れっ子でプライドの高い柳沢と、とにかく丈夫な和風の家を建てようとする、頑固で堅気な長一郎。正反対の二人は対立を深め、ついには想像を絶するトラブルが夫婦に襲いかかる。
監督自身の実体験をもとに綴られた、個性豊かなキャストで送るホームコメディ。

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10月15日(日)~11月12日(日)  『マリー・アントワネットに別れをつげて』

©2012 GMT PRODUCTIONS – LES FILMS DU LENDEMAIN – MORENA FILMS – FRANCE 3 CINEMA – EURO MEDIA FRANCE – INVEST IMAGE

2012年/フランス=スペイン/100分/カラー/ブルーレイ

監督:ブノワ・ジャコー
製作:ジャン=ピエール・ゲラン、クリスティナ・ラーセン、ペドロ・ウリオル
脚本:ジル・トーラン、ブノワ・ジャコー
撮影:ロマン・ウィンディング
音楽:ブリュノ・クーレ
原作:シャンタル・トマ
出演:レア・セドゥ、ダイアン・クルーガー、ヴィルジニー・ルドワイヤン、グザヴィエ・ボーヴォワ

フランス革命勃発。ヴェルサイユ宮殿では誰も騒ぎを知らないまま、いつもと変わらない優雅な一日が流れていた。心酔する王妃マリー・アントワネットの傍で、朗読係のシドニーは至上の喜びを感じていた。
やがてバスティーユが陥落し、マリー・アントワネットを筆頭とする処刑リストが発表された。王妃は、寵愛するポリニャック夫人を救うため、シドニーに身代わりの役を命じるが……。
綿密なリサーチをもとに、18世紀の衣装を細部まで再現。ヴェルサイユ宮殿でロケを敢行し、時代の香りを余すことなく伝えた野心作。

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11月18日(土)~26日(日)  『恋人たちの食卓』

©Central Pictures Corporation

1994年/台湾/124分/カラー/ブルーレイ

監督・脚本:アン・リー
共同脚本:ワン・フィリン、ジェイムス・シェイマス
撮影:リン・ジョング
音楽:マッダー
編集:ティム・スクイアーズ
製作総指揮:リャン・ファンギ
製作:シュー・コン、シュー・リーコン
出演:ラン・シャン、ヤン・クイメイ、ウー・チェンリン、ワン・ユーウェン、ウィンストン・チャオ

台湾最高峰の高級ホテルでシェフを務めた父親は、男手ひとつで三人の娘を育ててきた。日曜の夜は父の料理を前に、食卓を一家四人で囲むのが決まりであったが、娘たちの箸は進まず空気も重い。彼女たちの生きる世界はすでに、この静かな家の外にあったのだ。恋愛に臆病な高校教師の長女、航空会社勤務の才色兼備な次女、無邪気な女子大生の三女。それぞれに恋の季節を迎えた娘たちが、一人、また一人と巣立っていく。
食することの宿命、愉悦と享楽。美しい娘たちの恋模様を背景に、食事という儀式の力を豪勢な料理の数々とともに描いた、アン・リー監督の出世作。

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