「境界」 高山明+小泉明郎展

会期: 2015 年7 月31 日(金)~10 月12 日(月・祝)
    月~土曜11:00~20:00 (最終入場19:30)
    日曜 11:00~19:00(最終入場18:30)
    9月18日(金)休館(エルメス銀座店の営業時間に準ずる)
    入場無料
会場: 銀座メゾンエルメス フォーラム
    (中央区銀座5-4-1 8 階 TEL: 03-3569-3300)
主催: エルメス財団

銀座メゾンエルメス フォーラムでは、ゲストキュレーターに住友文彦を迎え、「境界」 高山明+小泉明郎展を開催いたします。
それぞれ独自の視点で現代社会に向き合う二人の作家は、自分と他者、過去と現在といった、境界に揺さぶりをかけて表現される新作を発表します。

住友は本展覧会において、近代合理主義が作りあげた集中や管理に対し、葛藤や違和感を覚える人々が増えている現代における新たな芸術の可能性を問いかけます。
演出家である高山明は、舞台や客席、演者と観客といった従来の演劇を構成する関係を解体する実験的な試みを行っています。本展覧会では、会場に仮想的な風景『ハッピー・アイランド ― 義人たちのメシア的な宴』をつくりだします。

小泉明郎は、2000年代よりパフォーマンスや映像による作品を制作しています。本展のために制作されたヴィデオ作品は、人の眼には見えない人間の「記憶」のメカニズムを映し出そうとするものです。記憶とは、はたして自分自身で保持しているものなのか、あるいは他者や物を通して確認することができるのか。意識と深層心理、平静と混乱、自分と他者の間の揺らめく境界を、小泉は独自の手法で浮かびあがらせていきます。

住友は次のように語ります。「高山と小泉は、それぞれ独自の表現手法によって現代社会と真摯に向き合ってきているアーティストです。表現の領域は異なっていますが、特殊な題材を扱いながらも私たち人間が抱える根源的な問題に迫ろうとする姿勢は共通しています。今回の二人の作品は個別の作品としても、またお互いを補完し合うひとつの作品としても鑑賞できるでしょう。世界の中心に座していると考える私たち『人間』は、どのようにして自然や他者と切り離されてきたのでしょうか。そのむすびつきを回復させるのははたして可能なのでしょうか」。

世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう。 ――クロード・レヴィ・ストロース 『悲しき熱帯』終章より

【出展アーティスト】
高山 明
1969年生まれ。演劇ユニットPort B(ポルト・ビー)主宰。既存の演劇の枠組みを超え、実際の都市をインスタレーション化するツアーパフォーマンスや、社会実験プロジェクト、言論イベント、観光ツアーなど、現実の都市や社会に介入する活動を展開している。

小泉 明郎
1976年生まれ。群馬県前橋市出身。1999年、国際基督教大学卒業。その後、チェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン(ロンドン)にて映像表現を学ぶ。アーカスプロジェクト2003(茨城)やライクス・アカデミー(アムステルダム)等、国内外で滞在制作し映像やパフォーマンスによる作品を発表している。

ゲストキュレーター:住友文彦
1971年生まれ。キュレーター、アーツ前橋館長。これまで東京都現代美術館などに勤務し、「川俣正[通路]」(東京都現代美術館、東京、2008年)、メディアシティ・ソウル2010(ソウル市立美術館)、あいちトリエンナーレ2013などを企画。また、中国を巡回した「美麗新世界:当代日本視覚文化」展(2007年)や『From the Postwar to the Postmodern, Art in Japan 1945-1989: Primary Documents』(ニューヨーク近代美術館、2012年、共編著)などで、日本の美術を海外へ紹介する。2013年より現職。

Copyrighted Image