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美術のにおいのするほうへ...

GLOBAL NEW ART –現代アートをもっと楽しむために-

2011年8月23日
西新宿の高層ビルの42階に美術館があるのをご存知だろうか。損保ジャパン東郷青児美術館は、東郷青児の作品と、80年代にその購入額が話題をさらったゴッホの《ひまわり》をはじめとする印象派とその周辺の絵画、そしてグランマ・モーゼスの作品群をコレクションの中心としている。しかし現在開催されている特別展「タグチ・アートコレクションGLOBAL NEW ART –現代アートをもっと楽しむために-」には、コレクションの内容とは随分異なった作品が展示されている。コレクターの田口弘氏の言葉を借りると、“現代アートのワールドカップがあれば出られるような作家たち”の作品を集めて、これを“音楽やファッションのように身近なものとして楽しもう”という趣旨だ。「現代アートをどう見て良いかわからない」「なぜこれがアートなのかわからない」という人でも、抵抗なく楽しめる作品が揃っている。

現代アートとひとくくりに言っても、その表現方法は多様である。ショッキングな映像、無意味に思える巨大な作品サイズ、そもそもいわゆる“上手な”絵が少ない、ゴミを集めたようなものなどが沢山ある。しかしこの展覧会にはそうした目を背けたくなるものや首を傾げたくなるものはない。ほどよい驚きを準備してお行儀よく来館者を迎えてくれるので、現代アート入門者も安心して見ることができるだろう。アンディ・ウォーホール、ロイ・リキテンスタイン、キース・ヘリングの名前なら聞き覚えがあるだろうか。村上隆、奈良美智の作品は見覚えがあるかも知れない。それと同時に、今まさに旬の日本の作家たち、名和晃平、照屋勇賢、天明屋尚などの作品にも会える。
特に今回おすすめなのがブラジル出身のヴィック・ムニーズ。名画をモチーフにし、おもちゃやゴミを並べて描いたり、溶かしたチョコレートで描いたりする作家だ。損保のコレクション、ゴッホの《ひまわり》とセザンヌの《りんごとナプキン》をネタした作品もあるが、ムニーズのひまわりは大きすぎてエレベーターに乗らず、一階ロビーに展示されているのでお見逃しなく。ロビーではゴミで描く巨大絵画の制作の様子を映像で流しているので、こちらも是非見ていただきたい。

特別展の最後にはアートコレクターの部屋を模した空間が用意され、ソファにくつろいでアートを楽しむことができる。美術館で眺めるのと、所有して楽しむのと、アートへの接し方を二通り体験できると言っても良いかもしれない。好きな作品は必ずしも部屋に飾りたい作品と一致しないかもしれないが、買うことを考えるとアートの見方も変わるだろうか。さて、あなたは現代アートを買いたくなりますかどうか。

参考:
損保ジャパン東郷青児美術館
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/

田口弘氏
http://taguchimo.exblog.jp/

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