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美術のにおいのするほうへ...

寄稿

ときどき美術検定オフィシャルブログに寄稿しています。
ぜひごらんください。

・犬猫写真で美術史クイズ!
http://bijutsukentei.blog40.fc2.com/blog-entry-157.html

・CINEMAウォッチ「鑑定士と顔のない依頼人」
http://bijutsukentei.blog40.fc2.com/blog-entry-148.html

・CINEMAウォッチ「パリ・ルーヴル美術館の秘密」
http://bijutsukentei.blog40.fc2.com/blog-entry-141.html

・CINEMAウォッチ「ハーブ&ドロシー」
http://bijutsukentei.blog40.fc2.com/blog-entry-119.html

・子どもが主役の鑑賞授業~ある美術館の取り組み
http://bijutsukentei.blog40.fc2.com/blog-entry-41.html
2014年4月3日

鑑賞ワークショップ + 音声ガイド = ヨリミチラジオで実験!

こんにちは。今日はお知らせをひとつ。

人気Podcast「ヨリミチラジオ」の中谷さんがゲストに呼んでくださいました。

→ヨリミチラジオ
第62回「コミュニケーションに興味あるからアートよりデザインが好き。
美術館の音声ガイドを対話式にしたらオモシロイんじゃない?」
リンク先のブログ記事内にあるプレイボタンを押すときけます
http://yori-michi.net/archives/1269

私はいくつかの美術館で対話による鑑賞のガイドをしていますが、
一方通行の解説ではなく、お客さんと一緒にわいわい話しながら
作品をじっくり見るというプログラムです。ひとつの作品に15-20分ほどかけて、
よく見て、感じて、考えて、話して、聞く、ということをします。
「ガイド」という名前だと何か教えてくれそうな印象ですが、
どちらかというと「教える」のではなく一緒に「気づく」という感じです。
多様なものの見方や考え方を知ることができ、
対話を通して作品の核心部分に近づけることも多いです。
「鑑賞ワークショップ」といったほうがしっくりするでしょうか。(※)

Visual Thinking Strategiesに影響をうけて、
日本でも「対話型鑑賞」「対話による鑑賞」がはやっていますよね。
これが一番良い方法というわけではなく、いろいろある中のひとつと思っています。

一見して好きじゃない作品でも、対話しながら見ると結構面白いのですが、
もっと言ってしまうと、美術史上重要とされる作品であっても
「ありがたがらなくちゃいけない」という考えはこの際忘れたらどうでしょう。
音楽や映画や本はもっと自由に自分でよしあしを判断していると思います。
それと同じように美術にも接することができたら、と思います。
(もちろん、興味を持った作品についてはいろいろ調べてみてくださいね!
コンテクストを知ることでまた違って見えてくることもあります。)

で、そんな対話を音声ガイドにしちゃったらどうか、という実験です。

今回訪ねたのは新宿アイランド。東京メトロ丸ノ内線の西新宿駅に直結し、
下層には飲食店なども入ったオフィスビルです。
おなじみの Robert Indiana 《LOVE》 をはじめ、
10人のアーティストによる16の作品が点在しています。
この日はほとんど全ての作品を見て回りましたが、
最初に見た《LOVE》をラジオでは紹介しています。

これです↓↓↓

 遠くから、愛。

アートが既に好きな人は自力で楽しみ、調べることもできると思います。
アートが嫌い、興味がない、というのも自由。無理強いするつもりはありません。
対象となるリスナーは、「アートは気になるけど、よくわからない」
「どう見たらよいのか、わからない」「とっつきにくい」......そんな人たち。
そして、アートを肴にわいわいやりたいあなたも。
従来の情報を伝えるだけの音声ガイドとは違って、
楽しみ方のバリエーションを提供できたらと思います。

これは一回目ということで比較的さらっと作品を見ています。
どっちがナビゲーターだかわからないような対話、解説殆どなし、
そして遠慮なく勝手な感想などを話しているので、
これを聴きながら一人で作品をみにいくと、
「このひとたちは何を言っているんだ」とか「あ、ほんとだ」とか「ぷっ」とか、
あるかもしれません。あるといいな。
同じ作品を別のゲストと見にいって収録し、
それと聴き比べてもらうのも面白そうとたくらんでいます。
一回目の反省点もいろいろあるので、それを今後の課題に...。

最初なので、どうしてこういう収録をすることになったのか、
経緯なども話しています。興味のある方は試しに聴いてみてくださいね。


→LOVEが気になったら。
南條史生さんの『アートを生きる』で《LOVE》が選ばれて置かれた経緯が語られています。

 愛の裏側
2012年11月9日

絵の中の人々と対話しよう|国立トレチャコフ美術館蔵 レーピン展

先日、Bunkamuraザ・ミュージアム「レーピン展『ブロガー・スペシャルナイト』」に参加しました。アートブロガーTakさんのナビゲートで、ゲストに山下裕二氏(明治学院大学教授)と籾山昌夫氏(神奈川県立近代美術館 主任学芸員)が登場。かわいい女性がアームチェアでうたたねをしているポスターや、目を見開いて怒っている女性の車内広告を見ては「レーピンってだれ??」と思っていたので、良い機会を頂きました。

イリヤ・レーピン(1844-1930)は、近代ロシア絵画の巨匠。同時代のロシアといえば、トルストイやドストエフスキーといった文豪や、チャイコフスキーやムソルグスキーといった作曲家の名は一般常識的に知られているのに、レーピンの知名度は低いですよね?......という疑問と、その理由についても、お三方のトークでとりあげられていました。(ちなみに会場のBGMとしてムソルグスキー作曲の「展覧会の絵」が流れていました。)

ヨーロッパにわたった作家や、ロシア・アバンギャルドの作家については日本でも作品を見る機会がありますが、”近代ロシアの巨匠”レーピンは名前も知らない人がほとんどという不思議な事態。その理由のひとつとして、皇帝や上流階級の人々が買うので作品が流通しなかった、というお話がありました。また革命後は社会主義リアリズムのプロパガンダ的に利用され、アメリカで評価されないので日本でもいまいち知られないまま、ということでした。


レーピンが知られていない、ということばかり書いていますが、レーピンによる文豪や作曲家の肖像は見たことがある人も多いでしょう。仲間の芸術家を描いた作品が展示された空間で、その時代の音楽を聴きながら絵をみることができる、面白い体験でした。


トークの後に作品をじっくり見る時間がありました。人を描いたものが多いですが、突然キャベツをどーんと描いた作品なども。そして描かれた人々が魅力的に感じる作品が多かったです。どう魅力的かって...?美男美女率高し。美男というほどではないおじさまも、ちょっと話してみたいような雰囲気だったり、それぞれの人柄が表情やしぐさ、構図などにあらわれていて、レーピンとモデルとの関係、距離、その場の雰囲気などに思いをはせながら展覧会を楽しみました。

日頃、小中学生と一緒に対話をしながら作品をみるという活動をしていることもあり、絵の中の人はどんな人?何の場面?セリフを言うとしたら?などと考えてしまうのです。でもこれ、面白いのでおすすめです。

この展覧会は渋谷のbunkamuraザ・ミュージアムにて10/8まで、そのあと浜松、姫路、葉山と巡回します。絵の中の人々と対話をしに、おでかけになってはいかがでしょう?


---以下、情報はTakさんのブログより---

「国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展」
会期:2012年8月4日(土)~10月8日(月・祝) 開催期間中無休
開館時間:10:00-19:00(入館は18:30まで)
毎週金・土曜日21:00まで(入館は20:30まで)
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム(渋谷・東急本店横) 
http://www.bunkamura.co.jp/
主催:Bunkamura
後援:ロシア連邦外務省、ロシア連邦文化省、在日ロシア連邦大使館、ロシア連邦文化協力庁、ロシア文化フェスティバル組織委員会
協力:日本航空
企画協力:アートインプレッション

巡回先:
浜松市美術館 2012年10月16日(火)~12月24日(月・祝)
姫路市立美術館 2013年2月16日(土)~3月30日(土)
神奈川県立近代美術館 葉山 2013年4月6日(土)~5月26日(日
2012年8月27日

てんらんかいをつくろう(ピクニック&ワークショップの続き)

さてさて、また遊びほうけた週末のお話です。

前回お話した「親子ピクニック」の続編として、ギャラリーで自分たちの作品を展示しよう、という企画をしました。

みんなが集まる前の準備段階として行ったことを書いておきます。まず前の週に持ち帰った土の絵を庭でトントンして余分な土をはらうこと!現代アートの作品では土や草や水などを使う作品も多くありますが、こうしたナマモノを素材とした作品を美術館に展示するのはとても難しいのです。土には虫や虫の卵、カビなど菌類もいますから、他の作品や展示環境への影響は大きく、数年前に新潟市美術館がこの問題で大きな話題となりました。でも今回の会場はそういう厳しい条件が必要な美術館ではなく、自由な展示スペース。汚さないように一応気をつけつつ、堂々と展示しました。



ピクニックで撮影した、目玉を使った色んな顔の写真も展示しました。ピクニック参加者にはたくさんの写真をfacebookアルバムでシェアしていましたが、写真の処理、印刷など思ったより時間がかかり、展示のほうはダイジェスト版になってしまいました。ここはちょっと反省。(目玉の話はこちらで→親子ピクニック

それから、遠くに住んでいて参加できない友人の子どもの絵を、撮影してメールで送ってもらい、それを印刷して飾るということもしました。わたしは日頃からfacebookやブログでその子の絵を見て楽しんでいたので、イベントに集まる人にも見てもらいたいな、と思ったからです。



当日のアクティビティのために、アートカード、新聞紙、画用紙、折り紙、はさみ、のり、ペン、色鉛筆、クレヨン、気分転換ように風船などを用意しました。見本として、折り紙をいかした絵をつくり壁に貼っておきました。

さて、イベント当日。ピクニックにも参加してくれたファミリーのほか、友人数名が遊びに来てくれました。前半はアートカードで名探偵ゲームとペアをみつけろゲーム。名探偵ゲームでは、まず表に向けたカードを場に10枚ぐらい並べ、親を決めます。親は心の中で場のカードから一枚を選びます。このとき、選んだカードが他の参加者にバレないように視線など気をつけます。親以外の参加者は一人ずつ順に、Yes/Noで答えられる質問を親にしていきます。たとえば「その絵には赤が使われていますか?」「生き物がいますか?」など。全員質問をしたら、いっせいのせ!でこれと思うカードを指差します。最後に、親が実はこれでした~と正解のカードを教えます。あたったりはずれたり、何でそう思ったのか話し合ったり、文句をいったりとなかなか愉快なゲームです。ただし、小学生未満の小さな子だと、複数のカードを見比べて条件をあてはめて考えるのは難しいようです。Yes/Noクエスチョンも難しい。ということで、そのあとはピクニックでもやったペアをみつけろゲームをしました。

アートカードは遊び方が色々あり、集まる人によってカードの選択を前もってすることもできるので、これまでもお花見や大人向けのワークショップなどで使ってきました。今後もどう使えるか考えるのが楽しみです。

そろそろカードあそびに飽きてきた子どもたち。予定外のおやつタイムに突入です。暑いのでお水は用意していましたが、みんな何かしらおやつを持参していたのでカードを片付けておしゃべりしながらおやつにしました。友人の差し入れのラスク、手作りのトマトやピクルスもおいしかった!



後半は、全員参加で折り紙にとりくみました。折ったものを画用紙に貼り付けて絵にすることを考えていましたが、「貼りたくない!」ということで(笑)ひたすら折る折る。折り紙の本もいくつか実家からもって行きましたが、難しかったり、難しい割りにいまいちなできばえだったり、大人も苦労しながら色々つくりました。はさみをだしてきて切り紙も。七夕飾りのようなものが、土の絵と一緒に飾られています。





途中、風船で遊んだり、紙飛行機を飛ばしあったり、室内ですが元気いっぱいに過ごしました。二週にわたり手伝ってくれた友人、参加してくれたファミリー、みんな一緒に遊べて楽しい時間でした。どうもありがとう!

今回は二週とも友人知人との集まりでしたが、こういうイベントを一般向けに企画するとしたら、課題が沢山。でもやってみたいな~と思っています。
2012年8月9日

ピクニック&ワークショップ

夏休みの子どものように遊びほうけた週末のことを書こうと思います。

7/28(土)に代々木公園に集まったのは、小さなお子さんのいる友人知人、計五ファミリー。スタッフは企画・進行がわたしで、撮影を妹に頼み、ふだん学童保育で働いている友達と、高校美術講師の友達に助っ人できてもらいました。参加者には「親子ピクニック」にアクティビティを用意しますので楽しく遊びましょう、と案内し、アートとかワークショップとかいうフレーズはあえて避けてみました。(関心を持っている分野ではあるけれど、なんでもかんでもアート、ワークショップ、ファシリテーション、キュレーション等と呼ばれていることにちょっと抵抗があります。)

準備したアクティビティは三つ。まずはアートカード(今回は国立美術館のものを使いました)で「ペアをみつけろゲーム」。神経衰弱のように場に裏返しに広げたカードから二枚を選びます。同じカードは一切ないので、自分の開いたカード二枚になんとか共通点を見つけてペアにします。共通点(にているところ)を他の人たちが「なるほど!ほんとだ!」と言ってくれたら、その二枚をもらえるというルール。共通点は知識のある大人であれば、同じ時代だ、とか、どちらも油絵です、とか、作家の出身国が一緒だ、とか。小さい子どもの場合は、同じ色がつかわれている、とか、人がいる!とか。年齢を問わず一緒に遊べます。教材自体が「アートカード」っていう名前なのでここでもアートって書いていますが、実際に遊ぶ際はアートとか作品とか一切いわないでゲーム開始!共通点をみつけようとみんな必死です。尚、アートカードセット全部だと枚数が多いので、東京で見られる作品ということであらかじめ絞っておきました。将来美術館で本物に再会するかもね、と狙って。





アクティビティ二つ目は、次はこれをやるよ~とアナウンス。しかしそう簡単に子どもの心をキャッチできないので、スタッフに見本をつくってもらい、それを見せながらなんとなくスタート。まずは準備しておいた画用紙の目玉を配ります。この目玉を置いて、石や草、小枝などを配するとあらふしぎ、新しいお友達が!という遊びです。顔が出来たら写真を撮るからおしえてね、と声をかけておいたので、カメラマンは大忙しでした。小さな子でもそれほど手を汚さずに簡単に遊べますし、大人もアイディア豊富で良い写真が沢山撮れました。



そして三つ目のアクティビティ。当初はそこにある砂で砂絵をつくったり、土を水に溶いたり草をすりつぶしたりして絵具のかわりにしてお絵かきをすることを考えていました。しかし重要なのは小さな子でも手軽にできて、準備もさほど大変でない(笑)ということ。そこで、水溶き木工用ボンドをふくませた筆で紙に絵を書き、そこに土をかけ、とんとんはたくと土が筆跡の部分にくっつく、という画法を採用しました。目玉の遊びに飽きてきたバラバラの人々に「次はこれをするよ!」と呼びかけるのは大変だなーと思い、おもむろに私がお絵かき準備を始めました。すると近くにいた子が「なにしてるの」「ぼくもやる」と集まってきて、全員目玉からお絵かきにシフト。時間割どおりにカチッと進行というのはピクニックらしくないし、この「おもむろに」作戦は楽だしうまくいったと思います。



ちなみに三つのアクティビティの順序は、汚れないものから順に汚れるものへ。最後はどろんこの人もいました。それからアートカードは全員でやるので名前を呼び合ったりお互いの顔を覚えたりできます。簡単ですが順番に発言をしますので、アイスブレイクに良いです。その後のアクティビティではファミリーAのお母さんとファミリーBの子ども、とか自然にファミリーの枠を超えて一緒に遊んでいて、見ていてほほえましかったです。

最後はシャボン玉やフリスビーなど持参したおもちゃで思いっきり遊び、予定の時間まで楽しみました。この日につくったものは、翌週ギャラリーに展示しようね、ということで私が持ち帰りました。そのお話は、また次回。
2012年8月6日

アートナビゲーターのための学びWorkshop

こんにちは。

このブログの当初の目的であった展覧会レビュー(のようなもの)を
なかなか書けずにいますが、近いうちにきっと...。

それはそうと、先月末に行なったワークショップの模様が、
美術検定の公式ブログで紹介されています。
よろしかったらご覧くださいませ(こちら)。


話はかわりますが、外国語の勉強について語るとき、
目的があると上達が早いとよくいわれます。
「外国語の習得」は最終目的ではなくて、何かをするための手段。
私は何の話をしたいのか。

美術のことを考えます。
制作する側であれば、何か伝えたいことのために技術や表現力を磨くでしょう。
鑑賞する側であれば、作家が何を言おうとしているのか、
深く考える力をつけることになるでしょう。
そのとき、隣で鑑賞している人と話し合うことで、新しい発見があるかもしれません。
それは作品についてかもしれませんし、作家についてかもしれません。
もしかしたら、鑑賞者どうしのことについての発見かもしれません。
言葉ではない形で表現された美術作品が、言葉による対話をうむのですね。

料理のように、素材本来の美味しさを引き出すための「技術」を
重要視することもあるでしょう。美味しい料理は笑顔と会話をうみます。
美しい、面白い、不思議な、理解不能な、斬新な、衝撃的な、
そういう美術作品はやはり対話をうむのではないかしら。

何が言いたかったのかというと、
私たちは人と話がしたい生きものだということ。
どんなに物静かな人も、心の中には言葉がある。
それを引き出してくれるきっかけのひとつが、美術作品でも良いですよね。

そういうわけで、対話をうむガイドをこころがけたいと思っています。

とりとめもないまま、おしまい。
2012年6月12日

佐川悟 個展

今日は、来月開催予定のイベントのおしらせです。



細密画から大胆なタッチまで幅広い表現をする洋画家、佐川悟さん。
その世界が出窓のあるギャラリーにまるごとやってきます!

絵画の展示だけではありません。佐川鉄道の運行も予定しています。

週末二日間の限定イベントですので、
どなたさまもお乗り遅れのございませんよう。

小さくて大きい佐川鉄道の旅に出よう!


会期:
2012年6月16日(土)~6月17日(日)
12:00~19:00

場所:
出窓のあるギャラリー
http://www.mm1.jp/gallery/
東京都中野区本町2-48-15
2012年5月9日

アートフェア東京2012雑感

2008年にインフォメーションデスクというのかゲストリレーションというのかそのようなお仕事をして以来、毎年おとずれているアートフェア東京。今年は色々とご縁がかさなって、印象深い数日間となりました。振り返りつつ雑感を綴ってみます。(すみません、誰の役にも立たないメモです。)

まず、お仕事の関係でVIP招待券をいただき、はじめて特別内覧会の時間から入ったこと。金色のVIPカードを見せるとバーコードリーダーでピ!一瞬で受付完了。毎年入口の混雑でストレスいっぱいな残念なスタートをきっていたのが嘘のよう。VIPになりたい...。会場内も一般招待客が来る前は比較的歩きやすく、土日などと比べると雲泥の差。るんるんのらんらんです。

ところでこの内覧会にはあるアーティストの方とご一緒しました。Twitterで「内覧会に連れてってください」と書いていたのをみてお誘いしてみたのです。その方には展覧会の内覧会で一度だけお会いしたことがあり、その後Twitterで少しやりとりがありましたが、ひょんなことでこうしてつながるものですね。ご一緒したおかげで、アーティスト仲間やギャラリストを紹介していただいたり、作品についてなど興味深いお話がきけて充実した初日となりました。

そして最終日、久しぶりに会う友人と入口で待ち合わせ。友人がうっかりビックサイトに行ってしまうというハプニングがありましたが、無事合流(待ってる間に大江戸骨董市をみたり、初めてのおひとりさま寿司も経験!)。途中VIPラウンジも利用してゆっくりお話しながら、ぶらぶら2-3周しました。内覧会で知り合った方にごあいさつしたり、気になっていた作品をもう一度じっくり見たり、ShuffleⅡも堪能しました。

じっくりとかぶらぶらとか書きましたが、アートフェアはアートの売り買いをする場所です。私も毎年買う気まんまんでみてきましたが、買える範囲のものでほしいものに出会えずにいました。つい最近、旧知の写真家から一枚、それと繊細でロマンティックな半立体というのかしら、そういう小さい作品をひとつ購入したばかりだったので、今年のフェアは財布の紐しめ気味にのんびりと見てしまいました。とはいっても気になる作家さんとの出会いがありましたので、今後どんな表現をされるのか注目していこうと思っています。来年のフェアはまた一般のお客さんとして芋洗い状態で見ることになるかもしれませんが、私は行きますよ!
2012年4月6日

還暦美術館

今年60周年をむかえる美術館を二つ紹介します。

まずは、ブリヂストン美術館。先日、弐代目・青い日記帳のTakさんのお声がけで100人のブロガーが集った内覧会に参加してきました。自慢のコレクションのうち代表的なものを一同に集めた展覧会は、その名も「あなたに見せたい絵があります。自画像、肖像画、ヌード、モデル、レジャー、物語、山、川、海、静物、現代美術の11の章立てになっており、更に新収蔵品2点(ギュスターヴ・カイユボットと、岡鹿之助)を初公開しています。


普段は決して一緒に飾られることのない作品が仲良く並んでいるのも見所のひとつです。例えば、東西の女の子ふたりの出会い。ピエール=オーギュスト・ルノワール《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》(1876)と、岸田劉生《麗子像》(1922)は、一見そっぽをむいているようですが、閉館後は賑やかにおしゃべりしているに違いありません。





(内覧会で許可をいただいて撮影しています)

また、部屋ごとに壁の色に変化をもたせてあるのですが、これが鮮やかで気分も明るくなります。6月24日(日)までの会期中、休館日は4月15日(日)、4月23日(月)、5月28日(月)のたった三日だけ!がんばりますね~。

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さて、もうひとつ紹介したいのが東京国立近代美術館です。

60周年記念サイトでは、作品の人気投票がもうすぐスタート予定です。オリジナルの記念手帳プレゼント、誕生日の方は入場無料、といった嬉しい情報もありますので、足を運ぶ前にチェックしてみてくださいね。

開催中の「生誕100年ジャクソン・ポロック展」は勿論ですが、所蔵品ギャラリーもお忘れなく。開館日には毎日14時から、ガイドスタッフによる所蔵品ガイドが行われています。スタッフそれぞれが独自のテーマで作品を選び、参加者と対話をしながら作品を鑑賞します。おすすめのプログラムです:-)

最後におまけ情報。現在、両館とも藤田嗣治の猫を描いた作品を展示しています。どちらもフギャ!という表情の猫たち。乳白色の肌の美女の横にいるおっとりかわいい猫とは一味違います。よかったら探してみてくださいね。


さらにおまけ。
Google Art Projectに日本の美術館も登場。
ブリジストン美術館のコレクションも見られます。→こちら
2012年4月6日

自然の一部としての人間 (畠山直哉展-Natural Stories)

デジタルカメラや携帯電話のカメラが高機能化し誰でも簡単に綺麗な写真を撮影できるようになった。またSNS等が普及して撮った写真を多くの人に見せることが日常化した。今、私たちの日常はこうした写真であふれているが、それでは写真を表現手段にする作家に期待するものは何であろうか。そんなことを考えていた折、東京都現代美術館で開催中の「畠山直哉展 Natural Stories」をみた。説明などを一切つけずに展示しているが、冷静な視点と確かな技術によってうまれた作品から、自然と人間が共存・対峙してきた歴史、そしてまた人間が自然の一部であることをひしひしと感じた。

どの写真も、音を感じさせない。作家の対象への思い入れや、自分がそこにいたという臨場感も伝わってこない。意図的に対象との距離を保つことで、そこにある事象をそのままに切り取り、それに対する意見を写真で表すのではなく、対象に語らせる。これは高機能カメラがあったとしても誰でもできることではないだろう。こうして撮影者の気配を消された写真は、どこか天上からの視点で見ているようなスケールを感じる。一方で、鉱山や工場、地下採掘場の跡など(テリル、アトモス、シエル・トンベ等のシリーズ)に見る人間の姿は本当に小さい。震災後の故郷をとらえた写真(陸前高田)をはさみ、最後に岩石の発破を連続写真でとらえたブラストのシリーズで展示をしめくくる。自然に挑んだ人間が大きな力を持ったかのように過信、しかし抗いきれない自然の力を思い知り、それでもまた自然の形を変えようとしているという、循環のようでもある。

自然と人間は対峙しているように思えるが、小さな人間は自然のほんの一部に過ぎない。Natural Storiesというタイトルは、人間が立ち向かう相手としての「自然の」ではなく、人間も含む「自然の」物語ではないだろうか。写真の中の小さな人影を、アリを見るような気持ちで眺めていたが、途中で自分がそのアリのような小さな存在=人間であるということに気づいた。簡単に前を過ぎることをためらわせる写真の数々は、そこに写った風景と対話させる。写真表現の可能性を再認識する展示であった。

※この記事は開催中に書いたものですが、展示は既に終了しています...。
http://syabi.com/contents/exhibition/index-1386.html
2012年1月10日

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unbirthday364

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