ヤン・ファーブル『Tribute to Hieronymus Bosch in Congo(2011‐2013)』展、開催中!

エスパス ルイ・ヴィトン東京では、世界的に活躍するベルギー人アーティスト、ヤン・ファーブル (Jan Fabre : 1958 年ベルギー、アントワープ生まれ)を迎え、『Tribute to Hieronymus Bosch in Congo (2011‐2013) (邦題: ヒエロニムス・ボスとコンゴ – ボスを讃えて)』展を開催中です。


《THE CIVILIZING COUNTRY OF BELGIUM(文明をもたらす国、ベルギー)》2012
木に玉虫の鞘翅
227,5 x 173 x 8,1 cm
Photographer : Pat verbruggen
Copyright : Angelos bvba


《THE ART OF THE COLONIES(植民地の芸術)》2013
木に玉虫の鞘翅
227,5 x 173 x 8,1 cm
Photographer : Lieven Herreman
Copyright : Angelos bvba


《SKULL WITH THE TOOL OF POWER(髑髏と権力の道具)》2013
玉虫の鞘翅、ポリマー、銀
42 x 16 x 21 cm
Photographer : Lieven Herreman
Copyright : Angelos bvba


《DIVINE FERTILITY (神から授かる豊穣多産)》2015
玉虫の鞘翅、ポリマー、鳥の剥製
126 x 37 x 67 cm
Photographer : Lieven Herreman
Copyright : Angelos bvba

本展では、同氏のアーティスト活動のテーマ「Metamorphosis(変容)」をもっとも表している昆虫のスカラベの鞘翅を素材として用いたモザイク作品が日本で初めて披露されます。
革新的なヴィジュアルアーティストであり、また作家・演出家として35年以上にわたり主要な地位を築いているヤン・ファーブルが手がける本展は、同氏の母国であるベルギーが、19世紀から20世紀にかけてコンゴに対し行った苛烈な植民地政策の歴史を題材にしています。奴隷制度や金などの略奪行為、また賭博など、ベルギーの文明化が進む一方で搾取され続ける植民地コンゴ―― 同氏は、そこに隠された「闇」を、初期フランドル派の巨匠、ヒエロニムス・ボスが描いた三連画《Garden of Earthly Delights (地上の悦楽の園)》(1503-04)に含まれる寓話や教訓の表象に置き換えて表現しました。

今回のエキシビションでは、『Tribute to Hieronymus Bosch in Congo』より選ばれたモザイク作品5点と三連画1点に加え、骸骨や鳥を模した彫刻作品が新たに4点ずつ披露され、作品の世界観をより幅広く見せています。光輝くスカラベの鞘翅で作られた合計14点の作品が、ガラスに囲まれたエスパス ルイ・ヴィトン東京に射しこむ光を反射し、同スペースを様々な色彩と同時に、作品の裏にある深い闇を見せる空間へと変貌させます。

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