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Interview 阪本トクロウ Vol.2

2010年12月24日
阪本トクロウ氏のインタビュー、続編です。



アートフロントギャラリー/近藤(以下K):
福田平八郎の名前が出ましたが、画面構成とか、古典と通じるものを感じることがあります。写真を撮る際に構図は意識されますか?それとも描くときに構図を考えるのでしょうか。

阪本トクロウ(以下 阪本) :
古典でも近代、現代の作品でも自分の作品に使えるものは結構取り入れています。誰か別の人の作品が始点としてあって自分の作品を作ることもよくあります。最近は自分の作品がいかに過去の美術史の影響を受けているか分かってきたので特に意識しています。過去と未来を繋ぐ作品を作りたいです。
写真を撮るときには特に構図は意識しません。構図は小さな紙に簡単にコンポジションを作り、その後に本紙に拡大コピーしたものを調整しながら作ってます。写真の構図や明暗に引っ張られて描くこともあります。不要なものを取って、そのまま描くだけということもあります。


K: 描きたいものを描くという場合に、たとえばとにかく広い空があるとか、遊具は背景がないとか、大きく余白をとっていることもありますが、余白と描きたいものの関係はどうなのでしょう。

阪本: もともと描きたいものは空白や余白だったので自然と画面の中で大きくなっていました。描きたいものを描くというより、描きたくないものは描かないと決めていました。描きたいものは自分では分からなかったのですが、描きたくないものというのは分かります。その結果残ったもの、必要なものというのが出てきて、それで作れば良いのではないかと思っています。描かれたモチーフは自分には重要ですが、最も重要かと言うとそうではなく、他の物
に置き換えても問題ないものだろうと思います。空白や余白の問題はもっと突き詰めてみても良いかと思っているので、そのうち作品に表したいと思います。


K: 色は押さえ気味ですね。どこか色あせた過去に見た風景を回想するような、記憶の中の色といった感じが阪本さんの色使いにはあります。ノスタルジックな作品の印象が色によって作られている気がするのです。日常はでもいろいろな色で満ち溢れていて、色も私たちの日常の重要な要素の気がします。色は阪本さんにとってどのようなポジションなのでしょうか。

阪本: 画面はいつも基本的にモノトーンで作っています。モノトーンの濃淡で作りますが少し色味が欲しいくらいの感じです。結果パステル調の色が少し入るのですが、色の好みは日本画材の岩絵の具を学生の時に使っていた影響があるのかなと思ってます。色彩は一番最初に目に入ってくるものだと思いますが、空間を見せる邪魔にならない程度のものにしたいと思ってます。


K: 日常を扱っていると、やはり目に留まったものや興味を持っているものが入ってくると思うのですが、題材を探されるためにどこかに行って写真を撮ることはあるのでしょうか。そして、時代とともに風景や興味も変わってくると思うのですが、興味の対象は変わってきましたか?これからどういう対象を描いていきそうか、などありましたら教えてください。

阪本: たまに取材に行って写真を撮ってきてもなかなか使えるものは少ないです。気付かないのです。そんな写真を数年後に見るとその時気付かなかったことを発見して制作につながるということはあります。自分の記憶によって作られるので年を重ねるごとに今まで描けなかったものが描けるようになるといったケースは増えてくるだろうと思います。最初、何も描けなかった自分が何でも描けるようになるような、「自由」を年々獲得していけるような方向に行けたら良いなと思います。今後は変わりなく制作を継続するだけです。作品を作ればその作品が新たな作品を生むきっかけを与えてくれるはずなので。今回のアートフロントギャラリーでの展示はいくつも私の作品の歴史の中で重要な作品が出来たので実りがあり、今後もこういう展示を続けられたらいつか本当に納得できる作品が出来るのではないかと思っています。

K: ありがとうございました。