他人の時間 @ 東京都現代美術館


キリ・ダレナ「消されたスローガン」2008年

他人の時間
2015年4月11日(土)-6月28日(日)
東京都現代美術館
http://www.mot-art-museum.jp/
開館時間:10:00-18:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:月(ただし、5/4は開館)、5/7

東京都現代美術館では、「アジア」に対する眼差しをどのように更新することができるのかという問いを出発点に、アジア・オセアニア地域の新たな美術の動向を紹介する企画展『他人の時間』を開催する。

本展は、東京都現代美術館、国立国際美術館、シンガポール美術館、クイーンズランド州立美術館|現代美術館、国際交流基金アジアセンターによる共同主催事業。崔敬華(東京都現代美術館)、橋本梓(国立国際美術館)、ルーベン・キーハン(クイーンズランド州立美術館│現代美術館)、ミッシェル・ホー(シンガポール美術館)がキュレーターを務める。※本展は東京を皮切りに、大阪、シンガポール、ブリスベンへと巡回。

展覧会タイトルの「他人の時間」は、同じ時代を共にしながらも、自分とは関わりのない人々の時間という意味を暗示するが、本展はその隔たりにあえて意識を向けることで、「わたし」と「他人」の間にあるもの、その関係を築き、分断するものを問うていく試みである。また、本展は「アジア」という地域の文化やそこに住まう人々を共通項を設けて一括りに捉えるのではなく、他者との境界を揺るがし続ける多元的な歴史や、相互的に作用しながら変容する社会について探る作品を通じて、私たちが自分自身や他者をどのように認識しているのかをあらためて問うきっかけを提供する。


サレ・フセイン「アラブ党」2013年

およそ20名の参加アーティストによる作品には、さまざまなアプローチで社会的、政治的、歴史的な事象に取り組んだものも多く、インドネシアの1930年代の独立運動を扱いながら、歴史的記録としての写真に批評的な観察を行なうサレ・フセインの「アラブ党」や、北海道で地質調査を実施したアメリカ人のエピソードから日本の近代や「いまここ」を繋ごうとするmamoruのサウンド・インスタレーションなど膨大なリサーチを基にした作品や、ミヤギフトシの映像作品「オーシャン・ビュー・リゾート」のようにフィクションの可能性を活かして政治的・歴史的な関係を考察する作品が出品される。そのほか、昨年の福岡アジアトリエンナーレにも出品したキリ・ダレナや、先のアジア太平洋酒造協会基金芸術賞2014を受賞したホー・ツーニェン、いまや国際展の常連ともいえるヤン・ヴォーなども参加。

参加アーティスト:
キリ・ダレナ、グレアム・フレッチャー、ホー・ツーニェン、サレ・フセイン、ジョナサン・ジョーンズ、河原温、アン・ミー・レー、イム・ミヌク、バスィール・マハムード、mamoru、ミヤギフトシ、プラッチャヤ・ピントーン、ブルース・クェック、下道基行、ナティー・ウタリット(2015年5月末から展示予定)、ヴォー・アン・カーン、ヴァンディー・ラッタナ、ヤン・ヴォー


mamoru「THE WAY I HEAR, B. S. LYMAN 第五章 協想のためのポリフォニー」2015年 参考図版

関連イベント
オープニング記念フォーラム
「いま、アジアの美術館活動を考える」
2015年4月11日(土)14:00-17:00
スピーカー:
クリス・セインズ/クイーンズランド州立美術館|現代美術館館長(オーストラリア)
スージー・リンガム/シンガポール美術館館長(シンガポール)
山梨俊夫/国立国際美術館館長(大阪)
長谷川祐子/東京都現代美術館チーフ・キュレーター(東京)
モデレーター:
片岡真実(森美術館チーフ・キュレーター)
古市保子(国際交流基金アジアセンター、美術コーディネーター)
会場:東京都現代美術館 講堂
定員:200名(要申込)、無料、日英同時通訳
※申込詳細は公式ウェブサイト関連イベントページより。締切は4/7(火)

アーティスト・トーク
2015年4月12日(土)14:00-16:00
会場:東京都現代美術館 企画展示室1階
無料(ただし要展覧会チケット)、通訳あり
※参加アーティストは後日公式ウェブサイトで発表

トークイベント
「不確かなアジアのつながり」(仮称)
2015年4月25日(土)15:00-16:00(予定)
スピーカー:
大友良英(ミュージシャン)
相馬千秋(アート・プロデューサー/NPO法人芸術公社代表理事)
崔敬華(東京都現代美術館 学芸員) 
モデレーター:福田幹(artscape編集部)
会場:東京都現代美術館 講堂
無料(ただし要展覧会チケット)、日本語
協力:artscape

国際シンポジウム2015
「点から面へ—つながるアジアの美術 1990年代から2000年代へ」(仮称)
2015年5月23日(土)13:00-17:00
2015年5月24日(日)13:30-16:00
会場:東京都現代美術館 講堂
定員:200名、無料、日英同時通訳
アジア現代美術の転換点となった1990年代の美術状況を現時点から再検証する。
※スピーカー等詳細は後日公式ウェブサイトで発表

そのほかの関連イベントは美術館公式ウェブサイトを参照。

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