岡上淑子コラージュ展-はるかな旅 @ 高知県立美術館


岡上淑子「はるかな旅」1953年 © Okanoue Toshiko, A Long Journey 高知県立美術館所蔵

岡上淑子コラージュ展-はるかな旅
2018年1月20日(土)-3月25日(日)
高知県立美術館
http://moak.jp/
開館時間:9:00-17:00 入場は閉館30分前まで
※初日は10:00からの開展式終了後に開場
会期中無休

企画:茂木恵美子(高知県立美術館学芸員)

高知県立美術館では、1950年代の約7年という短期間にシュルレアリスムに影響を受けた140点余りのコラージュ作品を残しつつも、2000年の個展による再注目に至るまで、長く美術界から忘れ去られた存在となっていた岡上淑子の初の回顧展『岡上淑子コラージュ展-はるかな旅』を開催する。

岡上淑子は1928年に高知に生まれ、のちに東京に転居する。1950年に文化学院デザイン科に進み、当時、日本に駐屯していたアメリカ軍が残していった『LIFE』や『VOGUE』といった雑誌を素材にコラージュの制作をはじめる。52年に友人を介して瀧口修造に出会い、マックス・エルンストのコラージュ作品などを紹介される。翌53年1月、岡上は瀧口の企画により神田のタケミヤ画廊で『岡上淑子コラージュ展』を開催し、同年12月に東京国立近代美術館で開かれた『抽象と幻想:非現実絵画をどう理解するか』にも出品。新進作家として注目を浴びるも、56年にタケミヤ画廊で二度目の個展を開催した後、57年の結婚を機に制作から遠ざかり、67年には高知に転居した。

1996年に目黒区美術館で開かれた『1953年ライトアップ-新しい戦後美術像が見えてきた』に4点の作品が出品された。2000年に写真史家の金子隆一が企画した44年ぶりの個展『岡上淑子コラージュ展-夢のしずく-』(第一生命南ギャラリー)で46点の作品が紹介されたのをきっかけに、2002年のヒューストン美術館での個展をはじめ、国内外の美術館で展覧会が相次ぎ、作品が収蔵されるなど注目が集まっている。2002年にはNazraeli Pressから初の作品集『Drop of dreams / Toshiko Okanoue』が、2015年には河出書房新社から国内初の作品集『はるかな旅 岡上淑子作品集』が出版された。


岡上淑子「天使の巣」1952年 © Okanoue Toshiko, The Nest of Angels 高知県立美術館所蔵

初の回顧展となる本展では、国内に所蔵されている岡上作品約110点が一堂に会する。オリジナルのコラージュ作品と写真作品に加えて、コラージュをもとに近年制作したシルクスクリーンプリントとプラチナプリント、海外所蔵作品のスライド上映、関連資料などで構成し、岡上の活動を包括的に紹介する大規模な展覧会となる。また、展覧会に併せて、コラージュ128点、写真作品22点と岡上の全作品を掲載した『岡上淑子全作品』を刊行する。

会期中には、金子隆一による記念講演会「岡上淑子の作品世界」や、山本明子(画家、イラストレーター)によるワークショップ「シュール・コラージュ・ワークショップ」などの関連企画を開催する。


岡上淑子「予感」1952年 © Okanoue Toshiko, Premonition 高知県立美術館所蔵


岡上淑子「招待」1955年 © Okanoue Toshiko, Invitation 高知県立美術館所蔵

関連企画
記念講演会「岡上淑子の作品世界」
講師:金子隆一(写真史家)
2018年2月18日(日)14:00-15:30
会場:高知県立美術館 1階講義室
定員:50名(当日先着順)※事前予約不要

ワークショップ
シュール・コラージュ・ワークショップ
講師:山本明子(画家、イラストレーター)
子ども編|2018年2月24日(土)13:30-15:00
大人編|2018年2月25日(日)13:30-15:00
会場:高知県立美術館 1階創作室
定員:各回20名(1/20から電話による申込)
無料 ※大学生以上は要観覧券
申込先:高知県立美術館(088-866-8000)

※そのほかの関連企画は公式ウェブサイトを参照

石元泰博・コレクション展
色とことば
2017年11月28日(火)-2018年3月21日(水)

コレクション・テーマ展 幕末維新博関連事業
生誕300年記念 中山高陽展
2018年1月17日(水)-2018年2月24日(土)

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