シアターコモンズ’18 @ 東京都港区エリア各所


ブシュラ・ハリーリ「テンペスト・ソサエティ」©️Bouchra Khalili

シアターコモンズ’18
2018年2月22日(木)-3月11日(日)
東京都港区エリア各所
http://theatercommons.tokyo/

演劇の共有知を活用し、社会の共有地を生み出すためのプロジェクト「シアターコモンズ」が、2018年2月22日から3月11日までの3週間にわたって東京・港区の複数の会場で開催される。ディレクターは芸術公社の相馬千秋が務める。


マーク・テ/ファイブ・アーツ・センター「バージョン2020:マレーシアの未来完成図、第3章」©️Franz Kimmel


ジュリアン・フルネ/アミカル・ド・プロダクション「友よ、いざ休息の時は来た」©️Bea Borgers

第1週(2月22日-2月25日)
オープニングの週に注目されるプログラムは、自らのルーツであるアラブ・地中海世界における移動をテーマにした作品で高い評価を受けるモロッコ出身ベルリン在住のアーティスト、ブシュラ・ハリーリが、昨年アテネとカッセルの2都市で開催されたドクメンタ14のために制作した映像作品「テンペスト・ソサエティ」のアジア初公開(会場:ゲーテ・インスティトゥート東京ドイツ文化センター)と、TPAMとの共同製作「バリン」の公演により日本国内での認識も広がるマレーシア出身の演出家マーク・テの最新作「バージョン2020:マレーシアの未来完成図、第3章」の上演(会場:港区立男女平等参画センターリーブラ、リーブラホール)。前者の上映は、昨年のシアターコモンズで実施したワークショップ「日本人を演じる」を基にした映像インスタレーションで日産アートアワード2017を受賞した藤井光の最新映画「ピレウス/ヘテロクロニア」の上映との同時開催。また、SHIBAURA HOUSEでは、フランスを拠点とするアミカル・ド・プロダクションから、ジュリアン・フルネによる3日間連続で三部構成のレクチャー・パフォーマンス「友よ、いざ休息の時は来た」を上演する。芸術、政治、そして私たちについての哲学的散歩と銘打たれた、私たち/観客と演劇の関係を新たに結び直す試みを展開する。
ブシュラ・ハリーリ「テンペスト・ソサエティ」(2/22-2/25)
藤井光「ピレウス/ヘテロクロニア」(2/22-2/25)
ジュリアン・フルネ/アミカル・ド・プロダクション「友よ、いざ休息の時は来た」(2/23-2/25)
マーク・テ「バージョン2020:マレーシアの未来完成図、第3章」(2/24、2/25)


森村泰昌「芸術家Mの『にっぽん、チャチャチャ!』参考画像 「烈火の季節 / なにものかへのレクイエム」(2006)より


萩原雄太/かもめマシーン「しあわせな日々」©️Rakutaro Ogiwara

第2週(2月26日-3月4日)
第2週は、80年代中頃より30年以上にわたって「自画像的作品」をテーマとした作品の制作を続け、2016年の国立国際美術館での個展で初の長編映画作品に試みるなど、常に新たな挑戦を続ける森村泰昌が、自身初のレクチャーパフォーマンス「芸術家Mの『にっぽん、チャチャチャ!』」(会場:リーブラホール)に挑む。また、演劇ユニット「かもめマシーン」主宰の萩原雄太は、利賀演劇人コンクール 2016で優秀演出家賞受賞を受賞したサミュエル・ベケットの戯曲「しあわせな日々」を、慶應義塾大学三田キャンパスの旧ノグチ・ルームを舞台に再演する。
森村泰昌「芸術家Mの『にっぽん、チャチャチャ!』」(3/2-3/4)
萩原雄太/かもめマシーン「しあわせな日々」(3/1-3/4)


シュウ・ジャウェイ「黒と白―パンダ」イメージ


小泉明郎「若き侍の肖像/Portrait of a Young Samurai」©️Meiro Koizumi

第3週(3月5日-3月11日)
最終週には、アジアの冷戦における忘れられた歴史をテーマとした制作に取り組む台湾出身のアーティスト、シュウ・ジャウェイが自身初のレクチャーパフォーマンス「黒と白-パンダ」を上演(会場:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター)。そして、制作活動の初期より演劇的な手法を取り入れた映像作品を中心に発表してきた小泉明郎は、立教大学心理芸術人文研究所の協力のもと、自身が長年取り組んでいる自己犠牲というテーマをめぐり、参加者とともに一種の儀礼としてのパフォーマンスを創作するワークショップを開催する。また、オランダを拠点とする劇団アルテミスは、これまでの作品映像を交えつつ、子どもたちとつくる演劇の最前線とその思想を語るレクチャーのほか、小学生を対象としたワークショップを実施(会場:港区立男女平等参画センターリーブラ、学習室A)。そのほか、3月6日には、Scene/Asiaの企画として、アジアから複数のアーティストやキュレーターを招いて、観客とともに対話を行なう「Scene/Asia アッセンブリー」(会場:SHIBAURA HOUSE)、3月10には会期中に開催されるプロジェクトが提出すると問いや考察を振り返りつつ、総括する「シアターコモンズ・シンポジウム」(会場:会場:リーブラホール)を開催する。
小泉明郎「私たちは未来の死者を弔う」(3/7、3/8予定)
シュウ・ジャウェイ「黒と白-パンダ」(3/9、3/10)
劇団アルテミス「こんにちは、大気圏」(レクチャー:3/8、ワークショップ:3/10、3/11)
Scene/Asia アッセンブリー(3/6)
シアターコモンズ・シンポジウム(3/10)

1月15日より、小泉明郎のワークショップなど一部を除く全プログラムに参加可能なコモンズパスの発売、プログラムの予約がはじまる。各プログラムの開催日時、その他詳細は公式ウェブサイトを参照。チケットは1種類。コモンズパスを購入すれば、すべての演目(一部無料プログラムを除く)に参加できる。


藤井光「ピレウス/ヘテロクロニア」©️Hikaru Fujii


劇団アルテミス「こんにちは、大気圏」©️Karin Jonkers

シアターコモンズ’18
2018年2月22日(木)-3月11日(日)
会場:東京都港区エリア各所
主催:シアターコモンズ実行委員会(事務局:NPO法人芸術公社)
http://theatercommons.tokyo/
参加方法|2018年1月15日より、シアターコモンズのウェブサイトにて全プログラムに参加可能なパス(※一部を除く)が発売。http://theatercommons.tokyo/ticket/
一般 ¥4,800/学生 ¥3,500/港区民 ¥4,500
お問合せ|シアターコモンズ実行員会事務局 artscommons.tokyo.inquiry@gmail.com

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