イアン・ウィルソン @ TARO NASU


Ian Wilson “Circle on the floor”, 1968, Installation view at Galerie Mot & Van den Boogaard Brussels, 1998, Courtesy the artist and Jan Mot, Brussels

イアン・ウィルソン
2017年6月30日(金)-7月22日(土)
TARO NASU
http://www.taronasugallery.com/
開廊時間:10:00-18:00
休廊日:日、月、祝

TARO NASUでは、1960年代後半より議論を芸術形式として扱ったシリーズ「Discussions」を中心とした制作活動を行なうアーティスト、イアン・ウィルソンの個展を開催する。

イアン・ウィルソンは1940年南アフリカ連邦(現・南アフリカ共和国)ダーバン生まれ。ジョセフ・コスース、ローレンス・ウィナー、ロバート・バリー、アーティストグループ〈アート&ランゲージ〉らと並び、60年代に言語や概念を扱う非物質的な作品の制作に取り組んだコンセプチュアル・アーティストのひとりとして知られる。20歳でアメリカ合衆国に渡り、ニューヨークを拠点に制作活動をはじめる。当初はモノクロームの絵画や彫刻を制作していたが、非物質的な作品を探求するなかで、68年にローレンス・ウィナーのアトリエで行なった抽象的な事柄についての議論を作品化した「Discussion」を行なう(当時は「Oral communication」と呼んでいた)。

以来、「Discussions」は映像や音による記録を一切とらず、その日時と場所、対話者のサインのみを作品証明として、ドクメンタ7(1982)やポンピドゥーセンター(1981、2005)をはじめ、各地の展覧会会場、アトリエ、住宅などで継続的に実施されている。2009年にはオランダ・アイントホーフェンのファン・アッベ美術館で個展を開催し、「Discussion」を行なうだけでなく、68年から2008年までに実施された「Discussions」を纏めたカタログレゾネを制作している。また、2014年には、ヨコハマトリエンナーレ2014と札幌国際芸術祭2014にて、指示書による非物質的な作品「話される『時間』」(1968)を出品した。

本展では、「Discussions」の作品証明書の展示に加え、ウィルソンが非物質的な作品へと移行する直前に制作した「Circle on the floor」(1968)と「Circle on the wall」(1968)の指示書を展示。また、両指示書に従い、実際に展示空間の床と壁に円が描かれる。

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