国際舞台芸術ミーティング in 横浜2018


ホー・ツーニェン「一頭あるいは数頭のトラ」(One or Several Tigers ( 2017 ) by Ho Tzu Nyen, courtesy of the artist)

国際舞台芸術ミーティング in 横浜2018
2018年2月10日(土)-2月18日(日)
https://www.tpam.or.jp/2018/
会場:KAAT神奈川芸術劇場、BankART Studio NYK、横浜赤レンガ倉庫1号館、YCC ヨコハマ創造都市センター、Bayani’s Kitchen、急な坂スタジオ、Amazon Clubほか横浜・東京の複数会場

2018年2月10日から、世界有数、国内唯一の舞台芸術プラットフォーム「国際舞台芸術ミーティング in 横浜(TPAM)」が開幕する。美術や音楽といった多領域との横断的な試みも増えるなか、舞台芸術の最新動向を伝える多様なプログラムが、横浜を中心に9日間にわたって開催する。

TPAMディレクションでは、多彩なバックグラウンドを持つディレクターと協力し、アジアと世界の舞台芸術の動向をいち早く反映するプログラムを構成。KAAT神奈川芸術劇場では、第57回ヴェネツィア・ビエンナーレで香港代表を担ったサムソン・ヤンのサウンド・インスタレーション「カノン」(2/10-2/12@アトリウム)と皮切りに、梅田哲也が劇場の特性と構造を熟知したテクニカルチームにインターンとして潜入し、ダイナミックに劇場の機構を演奏/上演するコンサート/パフォーマンス「インターンシップ」(2/12-2/13@ホール)、”亡霊による振付は可能か? 霊魂と共に踊るためのテクノロジーの可能性とは?”という命題の下、故・土方巽への新作依頼を試みたチョイ・カファイの「存在の耐えられない暗黒(ワーク・イン・プログレス)」(2/12-2/13@大スタジオ)、著述家のジェシカ・ザフラと映画作家のラヤ・マーティンがフィリピンから世界各地に移住した200万人を越える労働者に着目した「1565年から陽気さを輸出し続けて:世界征服プロジェクト」(2/16-2/17@大スタジオでの上演後、Bayani’s Kitchenに移動)、サイレン・チョン・ウニョンが韓国で流行し急速に衰退した、女性演者のみの大衆演劇ヨソン・グックの歴史やそのコミュニティを追ったヨソン・グック・プロジェクトから、「変則のファンタジー_日本版」(2/17-2/18@ホール)を上演。また、KAAT神奈川芸術劇場中スタジオでは、2月11日から18日まで、ホー・ツーニェンの「一頭あるいは数頭のトラ」とパサ・パサの「ライトニング・スタディーズ:圧迫・抗争・汚染翻訳センター(CTCCCs)」を紹介している。


サムソン・ヤン「カノン」


サイレン・チョン・ウニョン「変則のファンタジー_日本版」

一方、BankART Studio NYKでは、コンタクト・ゴンゾがマニラを拠点とするハード・コアバンドスカイチャーチと組んだ新作『群衆の音像』(仮)(2/10-2/11)を3B&3C Galleryで上演するほか、2B Galleryでは、ファイブ・アーツ・センター(マレーシア)のプロデューサー、ジューン・タンが企画した連続対談企画「プログラミングのポリティクス」(2/11)、恩田晃高橋悠治がフィリピンの現代音楽家/民族音楽学者ホセ・マサダについて語るイベント(2/12)を開催。kawamata Hallでは、ク・ジャヘが主宰するシアター、ディフィニトリーが「BankART Studio NYK kawamata Hall」(2/13-2/14)、テーリ・テムリッツが「ソウルネスレス」(2/15)を上演。2A Galleryでは、国際協働の次なるステップを探るため、アジア各地で活動する次代を担うアーティストの背景や状況を聞き取り、アーカイブしていくプロジェクト「アジアン・アーティスト・インタビュー」のインタビュー映像を全会期中にわたって機械仕掛けの展示空間で流す。なお、「アジアン・アーティスト・インタビュー」のインタビュアーを務めた羽鳥嘉郎と展示ディレクションを担当した高橋永二郎のふたりはTPAMフリンジにて、『予兆 名絵画探偵 3』を横浜・井土ヶ谷のblanClassで上演する。


コンタクト・ゴンゾ featuring スカイチャーチ『群衆の音像(仮)』
(Photo by Yoshikazu Inoue)

また、急な坂スタジオでは、2月14日と15日の二日間にわたって、同スタジオディレクターの加藤弓奈がディレクションした急な坂ショーケースを開催。オフィスマウンテン福留麻里橋本清TOKYO ELECTROCK STAIRS範宙遊泳の作品を紹介する。

上述したTPAMディレクションのプログラムのほか、同時代の舞台芸術に関わる国内外の専門家が、さまざまなプログラムやミーティングを通じて交流し、舞台芸術の創造・普及・活性化のための情報・インスピレーション・ネットワークを得る場としてのTPAMのベースとなるTPAMエクスチェンジ、制作者が海外公演の機会や新しい観客層を開拓し、観客が新しい才能や作品に出会えるプラットフォームとして、会期中に横浜・東京エリアで実施される公演やプロジュエクトを紹介するTPAMフリンジでも多種多様なプログラムが行なわれる。

国際舞台芸術ミーティング in 横浜2018(TPAM2018)https://www.tpam.or.jp/2018/


アジアン・アーティスト・インタビュー(Photo by Satoshi Nishizawa)

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