ダヤニータ・シン展―ある写真家の冒険― @ 資生堂ギャラリー


「HOUSE OF LOVE」より

ダヤニータ・シン展―ある写真家の冒険―
10月22日(土)–12月18日(日)
資生堂ギャラリー
http://www.shiseido.co.jp/gallery/
開廊日時:火–日 11:00–19:00(日曜、祝日のみ18時まで)

現在開催中の第54回ヴェネツィア・ビエンナーレの企画展『ILLUMInations』にも出品しているインド出身の写真家、ダヤニータ・シンの個展が資生堂ギャラリーにて開催される。
ダヤニータ・シンは1961年にニューデリーに生まれる。アーメダバードにある国立デザイン大学を経て、80年代末にはニューヨークの国際写真センター(ICP)にてフォト・ジャーナリズム、ドキュメンタリー写真を学ぶ。彼女の初期の作品は、世界的なタブラ(北インドの太鼓の一種)奏者、ザキール・フセインや、インドの第三の性と呼ばれているユーニック(去勢された男性)の生活、カルカッタの女性たちの肖像などのドキュメンタリー形式で制作されている。また各作品は、その都度作品集として纏められている。2、3年前より新たな試みとして、ドキュメンタリーとして撮影された写真からフィクションを紡いでいく方法での制作を始めている。
ベルリンのハンブルガー・バーンホフ現代美術館(2003)やマドリードのマプフレ財団(2010)での個展や、パリのポンピドゥー・センターでの企画展『パリ―デリー―ボンベイ』への参加など、欧米を中心に活躍するシンの日本初個展となる本展では、新作「House of Love」と未発表作品「Adventure of a Photographer」のふたつの作品が展示される。「House of Love」は上述した方法により制作された作品で、いくつかの章に分けられた写真群が、ひとつの大きな物語を形成する。「Adventure of a Photographer」は、これまで彼女が制作してきたシリーズのイメージを現在の視点から再編集した回顧的要素を含む作品。写真とともに「彼女」を主語としたフィクションの文体を用いて、これまでの写真家としての道程を書き下ろしたテキストが展示される。
関連イベントとして、10月22日(土)にはシンの古くからの知人のインド在住のジャーナリスト、アヴィーク・センによるトークが予定されている。センは2009年に写真評論で国際写真センターのインフィニティ賞を受賞している。

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Where Three Dreams Cross(アヴィーク・セン)(英語のみ)

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