第14回中之島映像劇場「長編8ミリ映画:プライベート・ナラティヴ」


「極星」(山崎幹夫、1987年)

第14回中之島映像劇場
長編8ミリ映画:プライベート・ナラティヴ
2017年10月14日(土)、10月15日(日)
国立国際美術館
http://www.nmao.go.jp/

国立国際美術館では、10月14日、15日の二日間にわたり、第14回中之島映像劇場を開催し、「長編8ミリ映画:プライベート・ナラティヴ」のテーマの下、4作の長編8ミリ作品を紹介する。

中之島映像劇場は、「美術と映像」の歴史的な変遷を探り、映像における現代の状況を考察すべく、国立国際美術館が定期的に開催している上映プログラム。14回目となる今回のテーマは「長編8ミリ映画:プライベート・ナラティヴ」。1965年に「わたしにも写せます」のコピーで宣伝、販売された富士フィルムのシングル8や、同年にコダック社が発売開始したスーパー8は、それまでの小型フィルムとは一線を画する手軽さを備え、家庭用の動画メディアとして一般に広く浸透していった。それらはやがて、70年代に盛り上がりはじめる、自分たちの映画を撮ろうという学生を中心とした動きにつながり、多様で独特の作品群を生み出す一因となった。そして、「自主映画」は、時には崩壊しつつあった撮影所に代わる映画監督の登竜門的役割を担い、またそれ自体が独自のジャンルとして展開していった。

今回上映する4作は、家庭用の動画撮影メディアがフィルムからヴィデオへと完全に取って代わられ、8ミリで長編映画を撮ることに特別な意志が必要とされた1980年代末から1990年代に制作されている。本質的には実験映画・個人映画の文脈で語られるべき映画だが、自主映画の文脈を自覚的に参照することにより、そこに映画という形式に対する鋭い批評性と深い愛情を感じとることができるだろう。

上映作品は、山崎幹夫(1959年東京都生まれ)の「極星」、「猫夜」、「虚港」と、帯谷有理(1963年兵庫県生まれ)の「毛髪歌劇」。上映スケジュールは下記の通り。


「猫夜」(山崎幹夫、1992年)

上映スケジュール
2017年10月14日(土)
13:00-|Aプログラム:山崎幹夫「極星」1987年、75min.
15:00-|Bプログラム:山崎幹夫「猫夜」1992年、80min.

2017年10月15日(日)
13:00-|Cプログラム:帯谷有理「毛髪歌劇」1992年、60min.
15:00-|Dプログラム:山崎幹夫「虚港」1996年、80min.
※「虚港」には一部性的な場面あり

全プログラム共通事項
会場:国立国際美術館地下1階講堂
定員:130名、全席自由、無料、各プログラム入れ替え制
※各日10:00から当日の各プログラムの整理券を配布(1名につき1枚)
※各作品上映後に各監督による作品解説あり


「毛髪歌劇」(帯谷有理、1992年)


「虚港」(山崎幹夫、1996年)

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