「あなたの存在に対する形容詞」ミルチャ・カントル展 @ 銀座メゾンエルメス フォーラム


Mircea Cantor Give more sky to the flags (2016) Courtesy of the artist and VNH Gallery, Fondation Francès, Dvir Gallery

「あなたの存在に対する形容詞」ミルチャ・カントル展
2018年4月25日(水)-7月22日(日)
銀座メゾンエルメス フォーラム
http://www.maisonhermes.jp/ginza/gallery/
開館時間:11:00-20:00(日曜は19:00まで)入場は閉廊の30分前まで
休館日:エルメス銀座店の営業日に準ずる。

銀座メゾンエルメス フォーラムでは、パリを拠点に制作活動を続けるルーマニア出身のアーティスト、ミルチャ・カントルの日本初個展『あなたの存在に対する形容詞』を開催する。

ミルチャ・カントル(1977年ルーマニア・オラデア生まれ)は、日常の世界が持つ複雑さや不確かさ、日常に潜む規則や慣習、権力などを可視化する詩的な表現で知られる。初期の代表作として世界各地で発表されている「Deeparture」(2005)は、真っ白なギャラリー空間に一対の鹿と狼を放ち、自然から隔絶された獣たちの不自然で危うい緊張関係を捉えた映像作品。また、「Tracking Happiness」(2009)は、純白のドレスをまとった少女たちが、ゆったりとしたリズムで足元の白い砂を箒で払っていく儀式のような動作を繰り返す様子を収めた映像作品で、ヨコハマトリエンナーレ2011にも出品されている。これまでに、第49回ヴェネツィア・ビエンナーレ ルーマニア館のグループ展(2001)、第50回ヴェネツィア・ビエンナーレ企画展(2003)をはじめ、数々の展覧会、国際展に参加。2011年にマルセル・デュシャン賞を受賞し、翌年、受賞記念展としてポンピドゥー・センターで個展を開催している。2015年には、第56回ヴェネツィア・ビエンナーレ アゼルバイジャン館のグループ展にも参加した。また、2001年にはガブリエラ・ヴァンガ、シプリアン・ムレサンとともに実験的なプラットフォームとしての雑誌VERSIONを創刊している。


Mircea Cantor Deeparture (2005) Courtesy of the artist


Mircea Cantor Tracking Happiness (2009) Sound: Adrian Gagiu, Courtesy of the artist, Magazzino, Rome and Dvir Gallery, Brussels/Tel Aviv

本展では、銀座メゾンエルメスのガラスブロックの「透明性」に着想を得た新作を発表する。東京のさまざまなロケーションを行進する透明なプラカードを持った人々を撮影した映像作品は、通常、特定の主張を掲げて行なわれるデモ行進の形式に倣いつつ、都市空間に詩的な瞬間を呼び起こすとともに、東京の日常のなかで「透明な主張」を掲げること、また、その群衆が意味するものについて問いかける。同作は、アルバニアの首都ティラナで鏡面のプラカードを掲げた行進を映像に収めた「The landscape is changing」(2003)に連なる。そのほか、数十本ものアルミニウムの鐘とガラスの屏風を組み合わせたインスタレーションを発表。静寂や響きあう鐘の音が、一陣の風のように見えない記憶や感情に訴える。


Mircea Cantor The landscape is changing (2003) Courtesy of the artist and Magazzino, Rome


Mircea Cantor Rosace (2007) Courtesy of the artist and VNH Gallery, Fondation Francès, Dvir Gallery

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