ライアン・ガンダー−この翼は飛ぶためのものではない @ 国立国際美術館


ライアン・ガンダー「リアリティ・プロデューサー(構造と安定のための演劇的枠組み)」2017年 © Ryan Gander, Courtesy of TARO NASU

ライアン・ガンダー−この翼は飛ぶためのものではない
2017年4月29日(土)-7月2日(日)
国立国際美術館
http://www.nmao.go.jp/
開館時間:10:00-17:00(金曜、土曜は20:00まで)入場は閉館30分まで
休館日:月(ただし5月1日は開館)

企画:中西博之(国立国際美術館主任研究員)

国立国際美術館では、近現代美術史の文脈を参照した作品や、日常的な素材、物事を使いユーモアを交えた発想で捉え直した作品で知られるアーティスト、ライアン・ガンダーの個展『ライアン・ガンダー−この翼は飛ぶためのものではない』を開催する。

ライアン・ガンダーは1976年チェスター生まれ。マンチェスター・メトロポリタン大学を卒業した後、オランダ・マーストリヒトのヤン・ファン・エイク・アカデミー、アムステルダムのライクスアカデミーで学ぶ。現在はロンドンとサフォークを拠点に制作活動を行なう。2000年代初頭より本格的に作品の発表をはじめると、多種多様な形式で作品の発表を重ね、新世代のコンセプチュアル・アーティストのひとりとして注目される。2011年には第54回ヴェネツィア・ビエンナーレ、2012年にはドクメンタ13に参加するなど数多くの国際展に参加。近年は個展『Make every show like it’s your last』がフランスを皮切りに5カ国7会場を巡回。昨年はストラスブールやベルギー・ドゥールレの美術館で個展を開催。日本国内でも銀座メゾン・エルメス フォーラムや大和プレスビューイングルームでの個展、太宰府天満宮のアートプログラムのほか、ヨコハマトリエンナーレ2011、岡山芸術交流2016などに出品。現在、東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の『片山正通的百科全書』にも作品が出品されている。

本展では、美術全般についての考察、見ることについての洞察、日常経験の分析など、知的な思考が満ちたガンダーの重要作と新作約60点を展示。また、制作活動のみならず、しばしばキュレーターとしてもその才能を発揮してきたガンダーは、本展との同時開催として、国立国際美術館の所蔵品を比較して考えるという人間の本能的な能力を前提にして多数のペアとして紹介。美術館全体を使用して、作品だけではなく、作品にまつわる思考をも重視するガンダーの芸術観を展開する。


ライアン・ガンダー「ひゅん、ひゅん、ひゅうん、ひゅっ、ひゅうううん あるいは同時代的行為の発生の現代的表象と、 斜線の動的様相についてのテオとピエトによる論争の物質的図解と、映画の100シーンのためのクロマキー合成の試作の3 つの間に」2010年 © Ryan Gander, Courtesy of TARO NASU、石川コレクション、岡山

関連企画
講演会「収集と連想」
講師:ライアン・ガンダー
2017年4月30日(日)
会場:国立国際美術館 B1階講堂
定員:130名(先着順)無料
※10:00から整理券配布

ライアン・ガンダー展 ギャラリー・トーク
講師:中西博之(国立国際美術館主任研究員)
2017年5月20日(土)14:00-(※13:30から聴講用ワイヤレス受信機を貸出)
2017年6月17日(土)14:00-(※13:30から聴講用ワイヤレス受信機を貸出)
2017年6月24日(土)19:00-
2017年7月1日(土)19:00-
会場:国立国際美術館 B3階展示室
定員:90名(先着順)無料(要観覧券)


ライアン・ガンダー「ポートレート・シリーズ」より(参考図版) © Ryan Gander, Courtesy of TARO NASU

同時開催
ライアン・ガンダーによる所蔵作品展−かつてない素晴らしい物語
2017年4月29日(土)-7月2日(日)
国立国際美術館
http://www.nmao.go.jp/

ART iT Archive
ライアン・ガンダー「モビリス・イン・モビリ」(2012年3月掲載)


Your present time orientation (First Act) – Random abstraction (2011). The components of several Mondrian (and other various abstract Modernist composition painters) paintings separated into their solid colors and re- represented by painting a vast amount of differing shaped and sized cheap commercially available colored glass clip frames, exhibited casually leant against the wall as a random abstraction. Installation view at the 54th Venice Biennale, “ILLUMInations,” photo ART iT.

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