モナ・ハトゥム「ホットスポットⅢ」2009年 Courtesy Fondazione
Querini Stampalia Onlus, Venice. Photo Agostino Osio ©Mona Hatoum
第10回ヒロシマ賞受賞記念
モナ・ハトゥム展
2017年7月29日（土）-10月15日（日）
広島市現代美術館
https://www.hiroshima-moca.jp/
開館時間：10:00-17:00 入場は閉館30分前まで
休館日：月（ただし、9/18、10/9は開館）、9/19、10/10
展覧会特設サイト：https://www.hiroshima-moca.jp/mona_hatoum/
広島市現代美術館では、ミニマリストの美学を受け継いだ作品でジェンダーやアイデンティティ、社会の権力構造などにまつわる普遍的な問題を扱うアーティスト、モナ・ハトゥムの第10回ヒロシマ賞受賞記念展を開催する。
モナ・ハトゥムは、1952年、ベイルートにてパレスチナ人の両親のもとに生まれる。ベイルート・ユニヴァーシティ・カレッジでグラフィック・デザインを学ぶが、イギリス滞在中にレバノン内戦が勃発したため、帰国を断念し、ロンドンに留まり、バイアム・ショー美術学校、スレイド美術学校に通う。当初は、自伝的なアプローチや自分自身の身体を使ったパフォーマンスや映像作品を制作していたが、80年代後半以降は、個人的な経験をより広い普遍的な価値へと繋げる実践を展開している。
1994年にパリのポンピドゥー・センターで個展を開催。翌95年にはヴェネツィア・ビエンナーレやリヨン・ビエンナーレ、イスタンブール・ビエンナーレといった国際展にも招聘され、ターナー賞候補にも選出されている。その後も、ドクメンタ11（2002）や二度目のヴェネツィア・ビエンナーレへの参加をはじめ数々の展覧会で作品を発表。近年も2015年にポンピドゥー・センターで開催した大規模な回顧展が、翌2016年にテート・モダンやヘルシンキのキアズマに巡回するなど、国際的に高い評価を受けている。
日本での初の本格的な個展となる本展では、赤いネオン管を使って大陸の輪郭を描きながら、地球全体が危険地帯であることを示し、対立と不安に常にさらされている今日の世界を表現した彫刻「ホットスポット」（2013）や、部屋の仕切りやベッドの形状をとりながら巨大なおろし金のようでもある彫刻シリーズといった代表作をはじめ、インスタレーション、立体・平面作品、映像作品など、幅広い創作活動の全貌を紹介する。また、ヒロシマ賞受賞決定後の2015年11月下旬に広島を訪れて、被爆の実情に触れたハトゥムがヒロシマに正面から向き合い制作した新作５点も発表する。
ヒロシマ賞は、広島市が1989年に創設。現代美術の分野で人類の平和に貢献した作家の業績を顕彰し、世界の恒久平和を希求する「ヒロシマの心」を、美術を通して広く世界へとアピールすることを目的としている。第１回の三宅一生の受賞以来、3年に一度、国内外のアーティストを対象に授賞している。
モナ・ハトゥム「おろし金の間仕切り」2002年 Photo © Iain Dickens. Courtesy White Cube ©Mona Hatoum
モナ・ハトゥム Front：「底流（赤）」2008年．Back：「細胞」2012-13年 Photo: Florian Kleinefenn. Courtesy Galerie Chantal Crousel, Paris ©Mona Hatoum
関連企画
モナ・ハトゥム講演会
2017年7月29日（土）14:00-16:00
会場：広島市現代美術館地下１階ミュージアム・スタジオ
※ 要展覧会チケット（半券可）、事前申込不要、逐次通訳付
学芸員によるギャラリー・トーク
2017年8月5日（土）14:00-15:00
2017年9月16日（土）14:00-15:00
※ 要展覧会チケット（半券可）、事前申込不要
モナ・ハトゥム「ロードワークス」1985年 Photo © Stefan Rohner. Courtesy Kunstmuseum St. Gallen ©Mona Hatoum
同時開催
コレクション展 2017-Ⅱ
コレクション・ハイライト＋特集「光ノ形／光ノ景」
2017年6月3日（土）-9月10日（日）
夏のワークショップ・プロジェクト2017
西原尚「この音がずっと響きますように」
2017年8月11日（金・祝）-9月24日（日）
パフォーマンスやワークショップ等の詳細は下記URLを参照
https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/summer_ws_2017/
次回開催
藤森照信展−自然を生かした建築と路上観察
2017年9月29日（金）-12月3日（日）